第六十章「カサVSまぐろ」
レイ「コーヒー牛乳が飲みたいのだよ……。」
???「ふっふっふ……任せてください!」
レイ「なっ……何でここに、君がいるのさ!?」
黒い雪原編
第六十章「カサVSまぐろ」
「……よろしくお願いします。」
「うむ。こちらこそよろしくな。」
黒の闘技大会二回戦。
今日の最終試合はこれ。
カサVSまぐろ。
観客から見れば、何てことない対戦カード。
しかしある者の視点からは、また違う意味を持つのだ。
「カサ……まぐろ……。」
そう呟いたのは、応援席で二人を見つめるイツキだった。
……二回戦で当たるのは、イツキとハツガだけではなかった。
カサとまぐろ、この二人も勝ち進めば当たる組み合わせだったのだ。
「……初めて、だな?まぐろとやるのは。」
槍を背に立つ少女は、カサ。
前髪を分けたクールな少女だ。
因みに妄想好き。
「はい。……まさかこんな日が来るとは思っていませんでした。」
ブロードソードを腰に、そして言うのは神崎 まぐろ。
ショートボブに、左目を覆う前髪を持つ少女だ。
因みに妄想好きではない。
「手加減はしないからな。」
「勿論です、カサさん。」
この二人、イツキを筆頭とした霧雨一行の仲間である。
戦場で共に戦ったことは……思えば一度も無いので、まったくの未知数ではないが、実力を測ることは出来ない。
ただ……。
『準備はいいかぁぁぁ!?それじゃあいくぜ!!試合!!開始!!!』
ゴングが鳴り、試合が開始された。
動いたのはカサだった。
槍を引き抜き、まぐろのもとへ駆ける。
「早速ですか……!」
まぐろもブロードソードを抜いて構える。
あと少しで……来る!!
「………………。って、あれ!?」
カサが来るとまぐろは思った。
まぐろだけではない。イツキも、観客の大半もそう思ったはずだ。
でも、来なかった。
カサは立ち止まったのだ。
まぐろの持つ剣がぎりぎりで届かないであろう位置で。
「……ふぅ。」
カサは構えをとった。
両手で持った槍を、まるで剣道のように。
とても……不自然だ。
そう。不自然すぎる。
何故止まった?何故変な構えをとる?
だからこそ……。
そちらに一瞬意識を取られてしまった。
「っ!!」
カサはそのまま踏み込むようにまぐろを突いた。
……が、間一髪で避ける。
「うわっ……!?」
「む?これは避けられるのか。」
追撃はしてこなかった。
少し驚いたように、カサは言った。
剣を構えなおしてまぐろは答える。
「危なかったです……。剣と槍は、槍の方がリーチがありますからね。……そこから意識を外させようとしたんですね。」
「……ふむ。どうやら、少し舐めていたようだ。」
「失礼ですね!!」
次はまぐろが攻めた。
自分で言ったように、槍の方がリーチがあるのでそこに気を付けながら。
「ふむ?」
まぐろが狙ったのは体ではなく槍。
明確な隙を作るためだ。
振り払うように力を加えた。
「甘いっ!」
カサは剣撃を槍で受け流した。まぐろがバランスを崩した。
「きゃっ……!」
「単純な動き。どこを狙っているのかがバレバレだ。」
カサは回転して、まぐろをなぎ払おうとした。
身を低くして逃げ場を無くす。
柄がまぐろの眼前まで迫る。
しかし、まぐろはそれよりも身を低くして避けた。
「!?咄嗟に避けたか……!!」
「いえ。計算です。」
「え。」
まぐろの言葉が耳に入り認識したと同時、まぐろの剣の柄が腹部にはいったことを認識した。
「ぐっ……!!」
カサがよろめくと、まぐろは追撃をした。
何故だろう、避けられなかった。
剣撃を浴びせられて、ようやく理解した。
成程。彼女の単純な動きに迷いが生じたのだ。
「……くそっ……!!」
距離をとるカサ。
「……フッ、やるな。まぐろ。」
「意識を外させるのは、私にも出来るんですよ。」
お互いが笑った。
アフロ月です。どうも!
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
始まったのはカサVSまぐろ。
いつかは当たる仲間同士、ここで会ったが運命。
その手を信じ、培った経験、身につけた技能、全てを出して勝者を決める。
勝った負けたは結果。
大事なのは何を得られたのか。
…………いつもと違うノリで後書きを書いてみたぜ!
最後に。後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を、込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。




