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萌葱色の変奏曲  作者: アフロペンギン
黒い雪原編
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第五十四章「暫し祭を楽しむべし」

イツキ「会場の周り、屋台が出てるらしいぞ。折角だし、まわってみるか?」


まぐろ「わあ!いいんですか!?」


イツキ「ああ。」


ヒラメ「ひゅうううううう!!お祭りですわあぁぁぁぁぁ!!!」


イツキ「なんだこいつ。」

 黒い雪原編

 第五十四章「暫し祭を楽しむべし」




 黒の闘技大会、今回勝ち上がった16人の中に、イツキら選抜メンバーも入っている。

 一回戦も終了し、明日は二回戦が開催されるのだが……。

 どうやら対戦カードが波乱を呼んでいるらしい。


「お疲れ様、ハツガ。」

「イツキも。」


 現在、闘技大会会場の周りで行われている屋台を見てまわっている二人……霧雨イツキとハツガだ。

 二人は同じ霧雨一行の選抜メンバーなのだ。

 つまり、味方同士の戦い。


「おっ、たこ焼きがあるな。俺、買ってくるよ。」

「……うん。」


 タッタッタッと揚々に向かっていくイツキ。

 ハツガはそんなイツキをじっとり見つめていた。

 ……たこ焼きを買っている。

 ……2パック……いや、3パックか?

 ……誰へのお土産なのだろう。


「ハツガー!」

「……?」


 聞き慣れた声がしたので、そちらに振り向いてみた。

 そこにいたのは、金髪で、一本のアホ毛が特徴的な少女ヒラメ。

 そしてヒラメのメイドであるミノリに、箱庭長の白い少女ガウラだった。


「お祭りって楽しいですわね!こんなにも買ってしまいましたわ!」


 ヒラメの両手にはビニール袋が下げられていたり、わたあめやりんご飴が持たれてあった。

 ……ヒラメは初めてのお祭りだと騒いでいたので、気持ちは分からなくないが……。


「そういえば、イツキがいませんわね。」


 ヒラメが訪ねると、ハツガはたこ焼き屋の方を指差した。


「たこ焼き……!?まだ買っていませんわ!行きますわよミノリ!」

「お嬢様。使えるお金がもうありません。」

「なっ……!?……仕方ありませんわ。りんご飴を食べたいから、何処か座れる場所を探しますわよ!」

「かしこまりました。ガウラ様、行きましょう。」


 ガウラが頷くと、ミノリは手を繋ぎヒラメの後を付いていった。


「お待たせ、ハツガ。」


 ……と、いつのまにかイツキが戻ってきていた。


「ヒラメ達がいたけど、誘わなかったのか?」

「誘う前に行った。」

「ああ……落ち着きなかったからな……。まだ見ていくか?」

「……。」


 コクりとハツガは頷いた。


「ん。じゃあ行こうか。」

「待って。」


 と、ハツガはイツキの袖を引っ張った。


「どうしたんだ?」

「手。」

「手?」

「手。」

「手。って言われても。」

「迷子にはなりたくない。」

「……そんな歳じゃないだろ。」

「……手。」


 ハツガがここまで頑固だとは珍し…………くはないな。

 イツキは少し恥ずかしかったが、ハツガの右手をギュッと握ってあげた。

 ほんのりとした体温が感じられる。


「じゃあ、行くか。」

「……うん。」


 右に左に、まだまだ屋台が並んでいる。同じ食べ物でも値段や味は違う。

 勿論射的やおみくじ等、ゲーム性の強いものもあるが……ハツガに射的をやらせてはまずいだろう。

 屋台のおじさんが泣いてしまう。

 もしハツガがやりたいと言い出したら、取るのは一個だけだと言おう。


「射的やりたい。」

「取るのは一個だけだ。」

「……分かった。」


 ……まさか本当に言い出すとは……。

 内心驚愕するイツキだった。



 ・・・・・・・・・



「俺、一個だけって言ったよな!?」

「うん。」

「何個景品当ててんの!?おじさん泣いてるじゃねえか!!」

「…………35個。」

「いや聞いたけど!そういうことじゃないんだよ!?」


 ハツガが射的にチャレンジ!

 一個だけだと言って彼女は了解したはずなのだが……結果はご覧の通りだ。

 おじさんが泣いている……!おじさんが泣いているのだ……!!


「……ぬいぐるみとかはまだしも、これは必要だったのか?」


 イツキがひょいと持ったのは、下敷き。


「な、何かを書くとき必要。」

「…………持ち歩くのか。」


 ハツガも強情だな。

 今に分かったことではないが。


「っていうか珍しいな、ハツガが言葉に詰まるなんて。」

「…………イツキ。」

「な、なんだ?」


 ハツガの、いつになく真剣な声。


「これ、あげる。」

「これは……?」

「プレゼント。お世話になってるから。」

「やっぱり要らなかったんだろ!?この下敷き!!」

アフロ月です。どうも。

萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。

いかがでしたか?

バトルは少し休憩して、今回はハツガにスポットを当ててみました。

楽しいと同時に、少し失敗したかもしれません。

二回戦はイツキ対ハツガで、嫌でもスポットが当たっちまう……。

それを活かすにはどうすればいいんだ……!?

最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。

Thank You。

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