第五十三章「一回戦終了!」
まぐろ「あれ?ハツガさん?」
ハツガ「話がある。」
まぐろ「何ですか?」
ハツガ「男装のやり方を教えてほしい。」
まぐろ「…………はい?」
黒い雪原編
第五十三章「一回戦終了!」
『試合!!開始ぃぃぃぃぃ!!!!!』
始まったのは、黒の闘技大会一回戦、第16試合だ。
黒の国では珍しい狙撃主であるミツナリVS霧雨一行選抜メンバーであるまぐろ。
ミツナリは早くも狙いを定めた。
「……ロックオンだ、ガール。」
ミツナリが呟いた。
まぐろは狙いが定まらないように、縦横無尽に動く。
ミツナリは引き金を引いた。
「ふっ……!」
瞬間、まぐろは横へ緊急回避。
放たれた光線は外れた。
「……ほう?」
上手くいった。
これでいい。ミツナリの攻撃手段は狙撃。
それならばその狙撃さえ避けてしまえば……!
ミツナリは立ち上がり、銃を持った。
「相手は近付くしかない。その間、重たい銃を持ち歩きながらの狙撃は難しい……。」
まぐろが呟きながら距離を詰める。
「詰めてくるのか……?」
予想外だったのか、ミツナリは慌てて銃をその場へ設置した。
スコープを覗きこみ、照準を定める。
「そっちから近付いてくるとは……やはり俺とお近づきになりたいという気持ちの表れ……?」
「違います!」
まぐろは左前方へ転がった。
またもや光線が横切っていった。
もう一発。
しかし撃った場所にまぐろの姿は無かった。
次は右前方へ転がっていたのだ。
「なっ……!?何故避けられる……!?」
「はああ!」
まぐろが跳んでミツナリ本人に斬撃を放つ。
「甘いよ。」
「えっ……。」
ミツナリはお返しと言わんばかりに、横へ回避した。
転がって、まぐろとの距離をとった。
「残念だったね……さあ、捕まえてごらん?」
「遠慮します。」
まぐろは構えたまま、その場から動かない。
銃は設置されたままだ。
「ああ!俺の狙撃銃が!」
「攻撃手段を一つ、奪いました。まだやりますか?」
「フッ……俺には狙撃しかないと思うか。」
ミツナリは懐から片手サイズの光線銃を取り出した。
デザインはハツガの持っていた光線銃と似ていて、ドライヤーのような形状をしている。
「狙撃だけだとは思ってないです。」
ハツガや日光に教えてもらった。
狙撃光線銃は威力と射出速度に秀でている。
一方、片手光線銃は携帯のしやすさ、連射が出来る等が利点。
つまり狙撃光線銃以下の速度ならば……避けやすくなる。
…………まあ、狙撃光線銃よりというだけで、決して遅いわけではないのだが。
ミツナリが光線を発射した。
緑色の軌跡がまぐろに伸びる。
「……。」
まぐろが剣を振ると、光線は周りに散った。
剣によって光線が弾かれたのだ。
「なっ!?弾いたのか……?」
「片手光線銃なら容易いことです。」
「くそっ……!」
ミツナリは引き金を引いて引いて引きまくった。
片手光線銃の連射。
「はっ!やあっ!!」
まぐろも負けていない。
全ての光線を弾き、散らしている。
「……っ!!何故だ、何故そんなことが出来るんだ!?」
「簡単なことです。」
トコトコと歩き出すまぐろ。徐々に距離を詰めていく。
「私には見えてるんですよ。」
その間もミツナリは光線を撃っているのだが……一つずつ捌いているまぐろに、手も足も出ない状態だった。
「くっ……!!」
「……ふっ……!!」
まぐろはミツナリの手の光線銃を剣で弾き飛ばした。
キィンという金属音とともに、光線銃は宙を舞う。
「終わりです。」
柄を首元に突き付けるのは、優しいまぐろらしい。
ミツナリは負けを認めたのか、両手を上げた。
『終了ォォォォォ!!!勝ったのは、神崎まぐろ!!二回戦進出ゥゥゥゥ!!!』
『オオオオオ!!!』
歓声が上がる。
無事、まぐろも二回戦進出を決めた。
安堵の息を吐いて、まぐろは剣を納めた。
「ありがとうございました。」
「こちらこそありがとう。それにしても……まさかスナイパーである俺のハートを撃ち抜くなんてね。」
「……はい?」
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
無事一回戦も終わった黒の闘技大会。
霧雨一行の選抜メンバーは5人とも残っています。
優秀だなぁ……。
もう少し戦闘描写を上手くできたらよいのですが……中々難しいです。
最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。
アフロ月でした。
Thank You。




