第五十一章「闘技大会一回戦!!」
ヒラメ「私がお手洗いに!」
ハツガ「私が。」
カサ「いや、私が見てこよう!」
親父「おいこら。てめえらは女子トイレを探せよ!」
まぐろ「それも何か違いますよ!?」
黒い雪原編
第五十一章「闘技大会一回戦!!」
『さあ!先に入場したのは、コジロウ!!黒の国でも上位に入る実力の持ち主だぁぁ!!』
「……フッ。」
フィールドで不敵に笑うコジロウ……なのだが……。
「対戦相手出ちゃってます!」
「イツキは!?」
「トイレには居なかったぞ。」
「もう向かっているんじゃ……!?」
「どっちにしろ心配なんだが……。」
対戦相手であるイツキが姿を見せないのだ。
トイレに行くと言って消えたイツキ……一体何処へ……?
『おや……?何か騒いでいますが……これは霧雨イツキの入場口の方から聞こえますね!!』
テレビカメラでアップされる。
そこには……犬とメイドが居た。
「霧雨先輩!?」
「ちょっ、何でミノリがいるんですの!?」
テレビ画面に映し出されたのは、首輪に繋がれた、メイド服の格好をしたイツキ。
鎖を持ち歩く、犬の格好をしたミノリ。
……普通、逆ではないのか……とツッコミをいれてる場合ではない。
『ワアアアアアアアアアアア!!!!!』
『おっと、一部のマニアから歓声が上がってるぜ!!これは一体何なんだ!!趣味か!!』
「違うわ!!!」
声は届かないだろうが、一応ツッコんでおきたかった。
イツキが溜め息を吐くと、ミノリは鎖を外した。
「インパクト大で、パフォーマンスは大成功です。いってらっしゃいだワン。」
「…………はいはい、いってきます。」
フィールドへあがるイツキ。
25×25のフィールドだと聞いていたが……思ったよりも広い。
「よう、お前が霧雨イツキか。ふざけた格好だな。」
「好きでやってるわけじゃない。……それ以上言うと、俺の心がはり裂けそうになるからやめてくださいお願いします。」
「いや、別に言わねぇ。戦いには関係ないからな。」
「精神的に追い詰めることは出来ると思うぞ。」
『言葉のジャブを打ち合っているが、そろそろ始めるぜ!!』
イツキとコジロウは構えた。
「……ほう、素手同士か。」
「本当はレイピアあるけど……取られたんだよ、あの犬に。まあ見たところ、素手で充分だろうけど。」
「……。」
『始めぇ!!!』
合図とともに、コジロウは走り出した。
「ほざけ!!」
……かかった。
「レイさん。ちょっとお借ります。」
振りかぶった右の拳に触れ、イツキはまるで浮くように背後にまわった。
「雨拳銃!!」
そして、正拳突き。
防御にはいったが間に合わず……衝撃で、コジロウは場外まで飛ばされた。
「がはっ!?」
『なっ……!?』
「……ふぅ……。」
ものの数秒で決着。
『勝者!!霧雨イツキ!!!』
歓声が沸き起こる。
イツキは急いでコジロウのもとへ駆け寄った。
そして、手を差し出す。
「……大丈夫ですか?」
「ぐっ…………すまないな……。…………挑発に乗ってしまった俺の負けだな。」
「……ありがとうございました。」
「こっちこそ、ありがとう。負けたし、腹をかっさばくか。」
「いややめて、怖いから。」
握手を交わす二人。
暫くして、二人はそれぞれの入場口へと戻っていった。
「さすがだワン。霧さメイド様。」
「誰が霧さメイドだ。っていうか変な格好させて……俺が変な奴に思われるじゃないですか。」
すると、数人のカメラマンやインタビュアーが駆け寄ってきた。
「あ、イツキ選手!無事一回戦突破ですが、どうでした!?」
「えっ……えっと……。」
イツキに向けられるマイク。
しかし……。
「霧さメイド様は、強いですよ。……俺たちは止められない!!!……と仰っていました。」
何故かミノリが答えるのだった。
「ミノリさん!?」
「さすが霧さメイド選手!ありがとうございました!」
「インタビュアーさん!?ちょっ、待って!?戻ってきて!?」
……行ってしまった。
ペースが早い。処理する前に次の問題が起こるんだが。
『霧さメイド!霧さメイド!!』
『霧さメイドコール!!これはダークホースの誕生かぁ!?』
「浸透早くね!?」
……黒の闘技大会一回戦、勝者・霧雨 イツキ(霧さメイド)。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
少しというかかなり遅くなってしまった……すみません。
今回は後書きはなし!
読んでくれてThank You。




