第四十九章「選抜メンバー発表」
ハツガ「……あ。」
ミノリ「どうされました?ハツガ様。」
ハツガ「これ……何?」
ミノリ「ああ、これはイツキ様のメイド服です。確か、クローバーの町で着ていた記憶があります。」
ハツガ「着てた……?」
ミノリ「はい。」
ハツガ「…………そう。」
黒い雪原編
第四十九章「選抜メンバー発表」
「みんな集まったか?」
闘技大会、前日。
昼過ぎに集められた者達は名を霧雨一行という。
陥落した緑の国出身の者達を中心に集まった、同志であり仲間である。
緑の国や赤の国、桃、そして今だ抵抗している白を救う為、リーダーである霧雨イツキは黒の国へ来た。
青を倒す。そして紫を倒すには黒の国と同盟を組むのが良い。
同盟条件は簡単。
黒の国傭兵育成機関「闇夜の一星」で開催される闘技大会で優勝すること。
32人中5枠を貰ったイツキ達は、これからの明暗を分ける大会優勝に向けてのメンバーを選抜することにした。
「指名のあった俺とカサを入れて、残りは3枠だ。この1ヶ月、みんな相当努力をしてきたし独断と偏見で決めるのは言語道断だ。」
イツキの言葉に、皆は息を呑んだ。
同じく皆の前に出ているカサも口を開く。
「かなり悩んだ。だが選ばなければならなかった。発表する、一人目は……。」
…………固唾を飲む面々。
「一人目は、ハツガだ。」
「……頑張る。」
一人目はハツガ。
……これには納得しても仕方無いかもしれない。
ハツガは白の国に滞在している間、実力をメキメキと上げたのだ。
「二人目は、まぐろだ。」
「…………!?私でっ…………は、はい!!」
二人目はまぐろ。
これには驚く面々が多かった。
箱庭の生徒になり3ヶ月以上経つが、まぐろはまだひよっこと言っても過言ではない。
「……あれを掴んだんだろ?期待している。」
「はい……!」
残りは一人。
緊張に包まれているが、なかには諦めている者も居た。
その例がツユや日光だ。
特に日光は、まぐろの特訓にずっと付き合っていた。
自分のことを置いて、まぐろの成長に力を使っていたのだ。
「やりましたね、日光先生……!」
「俺が教えたんだ、当然だろ。」
小さく呟く二人。
ツユに至っては、少し涙を浮かべている。
「三人目の発表だ。」
「…………。」
「………………三人目は、犬槇殿、頼む。」
「感謝する。」
三人目は犬槇。
赤の国長の補佐をしていたらしい。
何の変哲もない剣を使用しているも、実力は十分。
安定の強さといったところだ。
……三人目の発表の後、イツキが口を開いた。
「今回はこのメンバーでいく。選ばれなかったメンバーは、力を認めていないわけじゃない。ただ、少し力及ばずだっただけだ。培った力はやがて役に立つ、暫く休憩してくれ。……じゃあ、解散。選抜メンバーは残ってくれ。」
…………選ばれなかった方も辛い。
選ぶ方も辛い。
努力は認めるが、切り捨てるみたいなことをしたくない。
何故皆で出てはいけないのだろう。
選抜から外れたメンバーは、名残惜しそうに部屋へ戻っていった。
やがて、その場に残ったのは選抜メンバーだけとなった。
「……俺達五人で、てっぺん獲りにいく。」
イツキ、カサ、ハツガ、まぐろ、犬槇。
今考えられる最善の手。
「勝つぞ。」
「勿論だ。」
「……。」
「はい。」
「勝たないとな。」
……大会は明日だ。
・・・・・・・・・
「……駄目でしたわね。」
「しかし、お嬢様。決して努力を認められなかったわけでは……。」
「全ては結果なんですわ。」
「……。」
「今日は、一人で寝たい。」
「……かしこまりました。」
・・・・・・・・・
「…………。」
「……ツユ先生も狙ってたんだろ。枠。」
「えっ!?そんな……私なんか……。」
「神崎の世話してる合間に射撃訓練してたじゃねえか。」
「うっ……日光先生、知ってたんですか……。」
「……お前のまだまだ伸びる、次の戦いで見せつければいい。」
「……はい。ありがとうございます。……でも、日光先生も出たかったんですよね?」
「一言余計だ。」
・・・・・・・・・
「…………ぅぅ……。」
「泣くでない、雨燕。」
「そうだよ~!今回は仕方無いってことで……。」
「…………でも……私だって……!」
「妾達だって残念だ。お主だけ辛いわけではない。」
「茶々猫ちゃんの言う通り!私も出たかったなぁ~。そうしたら、女の子達が……ぐへ……ぐへへへへへ……。」
「白猫はそんなだから外されたのだろうな。」
「ひどいよ茶々猫ちゃん!」
「…………茶々猫さん、白猫さん……。」
「……なんだ?」
「……貴女達も……出たかったんですね……。」
「…………当たり前だろう。…………ぐすっ……。」
・・・・・・・・・
「親父さん、選ばれなかったわね。」
「ちょっ、紅ちゃんやめてくれよ。納得いかんぜ。……あっ、ガウラちゃんもそう思うだろ!?」
「…………?」
「ガウラちゃんも分かってないのか……俺の力が……。」
「…………おやじ。」
「何だ、ガウラちゃん。」
「ちゃん。は。いやだ。」
「すまねぇガウラっち。」
「…………うん。」
「あ、いいの!?」
・・・・・・・・・
そして、大会当日。
こんばんは、アフロ月です。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
選抜メンバーはかなり悩みました。
誰かを選べば誰かは落ちる。その「誰か」を誰にするのか本当に……大変でした。
ただ、最初にハツガは決まっていました。
理由は、まずは本編で明かすことになるでしょう。
最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。




