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萌葱色の変奏曲  作者: アフロペンギン
黒い雪原編
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第三十六章「まさかの再会」

 黒い雪原編

 第三十六章「まさかの再会」




「成程。お兄ちゃんの彼女さんなんだね。」

「うん、違うよ?」

「ええー?じゃあもう一度お願い!」


 イツキの妹、夕立ゆうだち。彼女が住む家にやって来た霧雨一行なのだが……。誤認が激しい。


「だから、まぐろは後輩で!ヒラメはお嬢様ね!?」

「はいはい。」

「日光先生は先生で、茶々猫さんは師匠!」

「ふむふむ。」

「それで……!」


 まだまだ説明は続きそうだ。

 ……いや、待て。本題を忘れてないか?


「……ちょっと待った!今、話すことはそれじゃない!」

「?」

「夕立、この村ってレンタル馬車あったよな?」

「うん。八百屋のおばさんところの前にあったよ。」

「借りれるか!?」

「たぶん……。」


 イツキは、「よし」と心の中で呟いた。


「ありがとう。俺達はすぐ出るから、家の事は頼んだぞ。」

「え……もう行っちゃうの?」


 夕立は、少し悲しげに顔を俯かせた。


「……そんな顔するなよ。また、元気に帰ってくるから。な?」


 イツキが微笑むも、夕立はやはりまだ物悲しくしている。


「お兄ちゃん……じゃあ、約束して。」

「ん?何をだ?」

「次帰ってきたときは、彼女、連れてきてね。」

「何だそれ…………わ、分かったよ。」


 約束出来ない……なんて言ったら、次は泣き出してしまいそうだった。

 しっかりしていても、彼女はまだ14歳。

 中身は年相応なのだ。


「一人じゃ寂しいもんな。」


 夕立の頭を撫でてあげる。

 すると、少し照れくさそうに微笑した。


「……よし。夕立、案内してくれるか?」

「うん。任せて!」



 ・・・・・・・・・



「ここがそうだよ。」


 ほう。ここがレンタル馬車を扱っている……。


「…………ここ……で、いいの?」


 一言で言うと、ボロボロ。

 人が住んでいるのか疑いたくなる程だ。


「夕立。本当にここで合ってるのか?」


 聞いてしまった。

 いや、妹を信じられないわけではないのだが……。


「ここだよ?」


 何を言ってるんだこいつは。と、言いたげな顔で首を傾げた。


「…………。えっと、お店の人は?いるのかな?」

「待ってて。私行ってくる!」


 トタトタと走り出した夕立。

 …………その間に周りを一瞥してみると、仲間達は苦笑していた。

 …………仕方無いかな。

 2から3分経って、夕立が戻ってきた。


「馬車、借りれるよ!」

「ほ、本当か!?っていうか人いたのか!?」

「ちゃんと契約してきたから、早速乗っていいって。」

「有り難いけど、えらく手際が良いな……。」

「こっちだよ。」


 再びトタトタと走る夕立。

 そこは馬車の駐車場だった。


「おお……すげぇ!」

「この馬だよ。名前は、エクステンドウルティマロングロングアゴーパフェだって。」

「エクステンドウルティマロングロングアゴーパフェェェェェェェ!?」

「どうしたのお兄ちゃん。」


 イツキだけではない。

 ヒラメやミノリも驚いている。


「ブルルルヒヒィィン!!」

「お前、何でこんなところに……。」

「……っは。もしかして、逃げたしてきたんじゃありませんの!?」

「確かに。二重薔薇はもう陥落してますし……まあ、ここに辿り着いたのは偶然でしょうが。」

「ブルルルヒヒィィン!!」


 相変わらずテンションが高い。

 予想もしない再会に、喜ぶイツキ達であった。


「まさかお前と再会出来るなんてなぁ……。よし、頼むぞ!エクステンドウルティマロングロングアゴーパフェ!!」

「ブルルルルルブルルル!!ヒヒィィィィィィン!!!」

「みんな!荷物を乗せて乗り込め!」

「「おー!」」


 エクステンドウルティマロングロングアゴーパフェを仲間に加えて、イツキ達は黒の国を目指す。

 荷物を積み込み終わり、仲間達は荷台やコーチに乗り込んだ。

 あとはイツキだけだ。


「お兄ちゃん!」


 すると、夕立がイツキの名を呼んだ。


「……夕立……ありがとう。今度は、世界を平和にして帰ってくるよ。」

「うん。約束だからね!あと彼女も!」

「お、おう。」


 またとんでもない約束をしてしまったなぁ……。


「お兄ちゃん、ちょっとしゃがんで!」

「ん?」


 イツキは夕立の視線まで顔を下げた。


「ん。」

「ん……?うん、ありがとう。」


 夕立は軽く頬にキスをしてくれた。

 お礼に頭を撫でかえしてやると、夕立は笑いながら抱きついてきた。


「いってらっしゃい!!」

「いってきます。」


 夕立が体を離すと、イツキは馬車の荷台に乗り込んだ。


「またな!夕立!」


 大きく手を振り、別れを告げ、霧雨一行は目的地へと向かっていった。

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