第四・五章「下水道」
どうも、アフロ月です。
初・間の章です。
この章は番外編に近く、この章を読まずとも次章に影響はありません。コミカルで、萌葱色変奏曲を知らない方でも楽しめる内容となっております。恐らく。
暇でしたら是非お付きあいください。
第四・五章「下水道」
「それにしても暗いな。」
「暗いですね。」
イツキの言葉に返すまぐろ。しかしそれは棒読みだった。
「……ここ、少し滑るから気を付けろよ?」
「はい。」
……会話が続かない。
イツキは下水道で、先程から一言も言葉を発しないハツガを仲間に加えた。
それから30分程経っただろうか。さすがに静かな雰囲気に耐えられなかったので、明るく振る舞ってみるも、このざまだった。
「……無理しなくていいですよ。私なら大丈夫ですから。」
「そ……そうか?」
イツキはちらりと後方を見てみた。
……正直、大丈夫とは言い難い顔をしていた。
一言で言うと、暗い。
やはり髪の毛が短くなったことにショックを受けているのだろう。
「ハツガは大丈夫……って、あれ?」
半ば助けを求めるように、まぐろの後ろを付いてきていたハツガに声をかけてみるが……。そこに人影は無かった。
おかしいと思い立ち止まってみる。そしてもう一度。
「ハツガー?…………あっ、あんなところに。」
視線を先へ移すと、そこには距離を取りながら歩くハツガがいた。
「何でそんなに離れてるんだ?」
疑問に思い聞いてみるも、ハツガは何も答えなかった。
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「…………何か話してくれよ。」
「……例えば?」
「えっ!?」
まさか振ってくるとは。
少し考えた後、ハツガにある提案をしてみた。
「雰囲気を和ませるような何かを……。」
我ながら無茶なことを言わせるなぁ……。イツキはあまり期待せずに待ってみた。
すると。
「むかしむかし、あるところに……。」
「ありがとうハツガ。昔話か。じゃあ、歩きながら聞こうかな。」
そう言って、イツキは再び歩き始めた。
「おじいさんとおばあさんがいました。」
「おっ、何かオーソドックスな話だな。」
「おじいさんはキャバクラに。」
「待て待て待て。」
と、イツキは話に割ってはいった。
「……なに?」
「いや、何でおじいさんはキャバクラ行ってんの。中身はまだまだヤングなのかよ。」
「……続けていい?」
「…………まあ……止めるのは失礼だな。すまん、続けて。」
「あの人はまたキャバクラに行ったのか……ストレスでも溜まっているんだろうと、呆れるおばあさん。」
「知ってるのに行かせてるのか。健気なおばあさんだな……。」
「おばあさんは見計らって、ホストクラブへ行きました。」
「見計らってる時点で行く気まんまんじゃねえか。何だそのおばあさん。」
「おばあさんがホストクラブへ行くと、シャンパンがドプドプーードプドプと滝のように流れます。」
「シャンパンタワー頼んでんじゃねぇよ!!しかも何どんぶらこみたいに言ってんの!?」
「おばあさんは一生懸命お持ち帰りしました。」
「何を!?ホストを!?一生懸命お持ち帰りを頼んだってこと!?」
「おばあさんは帰ってきたおじいさんに持ち帰ったものを見せました。」
「おじいさん何も分からねぇよ!?っていうかおばあさん鬼畜だな!?」
「おじいさんは言いました。その男は誰だ……と。」
「当然の反応だな。」
「男はこう返しました。店ナンバーワンホストの桃太郎です。と。」
「そいつが桃太郎か。ってかこれ桃太郎だったのかよ!?」
「続く。」
「ここで!?何それすっげぇ続きが気になるんですけど!?」
「また今度。」
「くっ……仕方無いな……それなら、また今度頼むよ?」
「…………うん。」
「霧雨先輩。」
「うわっ!?」
と、いきなり声を発したまぐろ。あまりに急だったので驚いてしまった。
「びっくりしたな……どうした?」
「す、すみません……。あの、霧雨先輩。ふふ、笑ってしまうのでツッコミいれないでください……。」
そう言ったまぐろの顔は、目にうっすらと涙を浮かべながら、堪えきれないといった感じで笑っていた。
「もう……いいですよ、大丈夫だって言ったじゃないですか。」
明るい声に、イツキもつられて笑ってしまう。
ハツガに感謝をしつつ、ハツガにも笑顔を送った。
当の本人は首を傾げていたが。
「あはは……ん?あっ、あそこが出口だ。」
すると、いつのまにか出口へとたどり着いていたようだ。
イツキは気持ちを引き締めつつ、出口の蓋を開けた。
こんにちは。そしてはじめまして。
アフロ月です。
萌葱色変奏曲第四・五章を読んでいただき大変恐縮です。いかがでしたでしょうか?
稚拙な文章で理解しがたいところがあれば、それは私の勉強不足です。申し訳ありません。
さて、第四・五章……前書きでも書きましたが、これは読まなくとも次章を楽しめる間の章です。
台詞部分が多いのが本章の特徴ですが、たまにはこういった感じの内容もいいかなと思っています。
最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。




