第二十八章「色とりどり」
どうも、アフロ月です。
趣味で手芸を嗜んでおります。
勿論、筋トレも嗜んでおります。
黒い雪原編
第二十八章「色とりどり」
「それじゃあ、大体の人は知ってるとは思うけど俺から……。」
緑の国マキ村。
一軒の家で、霧雨一行は円になって向かい合っていた。
5月半ば、彼らは落ち着いた状況で、あることをしていた。
「霧雨 イツキ18歳。緑の国傭兵育成機関『深淵の箱庭』の3年生だ。武器はレイピアで、受け流しが得意。……そんなもんか?」
そう。自己紹介だ。
意識を失っていたり、そもそもが初めましての仲間がいるからだ。
イツキは緑髪で、中性的な顔立ちの少年だ。
服は制服兼ジャージで、左肩の部分に箱庭のエンブレムがプリントされてある。
多くの国を襲撃した青と紫に反抗する霧雨一行のリーダーだ。
「次はまぐろで。」
「は、はい!」
指名されたまぐろは立ち上がった。
どうやら順番は時計回りのようだ。
「神崎 まぐろです。年は15。私も箱庭所属の1年生で……。えっと、得意武器はありません。今はブロードソードを使っていますが……。あ、今は箱庭の方針で霧雨先輩とタッグを組んでます。えっと、宜しくお願いします。」
まぐろは箱庭の新入生少女である。
綺麗な黒髪をしており、顔の左半分は前髪で隠れている。
声が幼いのもあり、彼女は可愛いという部類にはいるだろう。
「次は……。」
「私。」
「ハ、ハツガさんです。」
ハツガはスッと静かに立ち上がった。
「ハツガ。灰色の死神。」
そう言ってハツガは座った。
…………らしいと言えばらしいが。
肩まである灰色の髪、口元を隠すスカーフ。気だるそうな目に機動性の高い黒服にマントの女性。一応成人はしている。
武器は短剣と光線銃。
因みに職業は盗賊だ。
灰色の死神というのは白の国での二つ名。前線でナイフ一本で戦っていたことから付いたらしいが……相当気に入ってるようだ。
基本無口だが、時々言う下ネタはストレート。
「……ツユ。」
「あ、うん。」
名を呼ばれた女性ツユは、立ち上がった。
「ツユです。箱庭では新米の教諭でした!年は20です!……射撃と料理が得意ですかね……。知ってる方もいるでしょうが、ハツガは姉です。皆さん宜しくお願いします!」
黒いスーツに身を包んだツユは、ハツガと同じく灰色の髪をしている。肩まではないが短くはない。
同じ色なのはさすが姉妹といったところ…………姉妹……?
「姉妹……!?」
「霧雨君には言ってなかったね。そう、私たちは姉妹なの。」
「……へ、へぇ~……。」
笑いたいが顔がひきつってしまう……。ハツガが言ってた妹、それにツユの事を過保護に心配していたのは妹だからか。
納得。
「それでは次は……。」
「私なのだよ!」
今だ湯に浸かるレイ。
「レイさん……いつまで入ってるんですか。ふやけますよ。」
「こっち見たー!!イツキ君のえっちー!!」
「…………もういいです。」
立ち上がりはしなかったものの、レイも自己紹介をした。
「海岐華 レイ!箱庭所属の生徒なのだよ!20歳だけど卒業はせずにみんなのお世話をしてるのさ!イツキ君は元タッグで~、あんなことやこんなことをやってきたのだよ。妖艶なる炎の魔法使いと呼んでくれたまえ。」
桃色の髪。切り揃えた前髪。普段は魔法使いの三角帽子に、クリーム色のロングコート、スリットの入った黒いズボンを着用している。
血液の中にある魔力を使役する魔法使いで、炎の造形魔法が得意である。
体術も会得している。
時折下ネタを言う。
「次はぁぁぁぁぁぁ!!ヒラメちゃん!!」
「私ですか?分かりましたわ!」
立ち上がったのは、金髪の女の子。
「妃懦莉 ヒラメですわ。年は17。二重薔薇ノ園の王女で、武器はレイピアですわ。宜しくお願いします。」
飛び出ているアホ毛がチャームポイントである。
お嬢様だが、服装は一般人のそれと変わらない。
料理は絶望的に不得意だった。
「それでは、次はミノリですわね。」
「かしこまりました。」
ミノリはゆっくりと立ち上がった。
「お嬢様に仕えるメイドのミノリと申します。私も二重薔薇ノ園に勤めておりました。以後お見知りおきを。」
深く礼をして、ミノリは座った。
確かミノリの武器は、鞭のようにしなる高エネルギー体の短剣だったはずだ。
メイドなので、家事全般は得意。戦闘能力も高い。
……正直、メイドに求めている以上のものを持っている。
下の話は得意というか好き。相手が恥じらう姿や困る姿を見るのが快感らしいので、恐らくSだ。
「では、犬槇様。」
「おう。俺か。」
名を呼ばれた茶髪の青年が立つ。
「犬槇だ。赤の国から逃げてきた。……一応、あっちでは機関である『炎帝の園庭』の長の補佐役を務めていた。」
切れ長の目に整った顔。
イケメンというやつだ。
「じゃあ紅さん。立てるか?」
「ええ。もう平気。」
そう言って立ったのは、赤い髪をツインテールにした女性。
「紅 蓮 《れん》よ。私も赤の国から逃亡してきた。犬槇と一緒に。年は24。暫くは怪我で倒れてたけど、茶々猫さんのおかげで助かったわ。ありがとう。」
「感謝するがよい。」
得意気に言う茶々猫。
イツキは苦笑した。
「次は茶々猫さんね。」
「もう妾の番か。」
茶々猫は立ち上がり、一つ咳をした。
「こほん……妾は茶々猫だ。桃の国傭兵育成機関『夜街の街路樹』で長をやっておった。1ヶ月程前、イツキに出会って同盟を組んだ。得意武器は特に無いが、短刀を使っておる。三猫特有の戦闘術『吹雪』では、空を専門としておるのう。」
こちらも赤髪。
服装は着物で、脚が綺麗である。
体は人間。しかし獣のような耳をしている。
茶々猫は魔族で、そのなかの獣人族であるがため特徴的な耳をしているのだ。
「吹雪っていうのは?」
まぐろが尋ねた。
茶々猫は快く答えてくれた。
「うむ。妾たち三猫は、吹雪の如く舞うように戦うのだ。それで妾は空を舞うように戦うのが得意、というわけだな。」
「成程……ありがとうございます。」
「なんのなんの。では次は白猫、いくがよい。」
「はーい。茶々猫ちゃんに指名されるなんてぇ……幸せだなぁ。」
ふらぁっと、不安定ながら立つ白猫。
「白猫で~す。桃の国では三猫をやってました~。まあ今もだけど。女の子が大好きです。苦しゅうない近う寄れ~。」
朗らかに言っているが、その目は野獣のようだ。
茶髪で、白いパーカー。
眼鏡をかけている白猫は、脚技を得意としている。
「白猫さんは、吹雪ではどこのポジションを?」
「いい質問だね、イツキ。私は地だね~!地上で舞うように戦うよ~。」
「あー……確かに、カサと戦っていたときに、そういう印象は持ちました。」
「うんうん。それじゃ、雨燕ちゃん、いってみよ~!」
「はい。」
女が立つと、少し静かになった気がした。
……それも、仕方無いことなのかもしれない。
何故なら彼女は……。
「雨燕と申します。青十文字という……青の国傭兵育成機関『海底の古城』で幹部をやっていました。」
「…………。」
そう。彼女は青の国の者なのだ。
ここにいる誰もが、青のせいで身も心も傷付いている。
「しかし、私たちがやっていることは間違いだと思い……こちらにつくことにしました。時間がかかると思いますが……よろしくお願いします。」
「うん。よろしく。」
「ほへぇ……まさか雨燕ちゃんがねぇ……驚きなのだよ。」
レイが何度か頷いた。
「あれ?お知り合いですか?」
イツキが尋ねると、レイはぐっと親指を立てた。
「箱庭で会ったのだよ!」
「そ、そうですね。」
元気なレイに対し苦笑する雨燕。……やはり少し遠慮してしまうのだろう。
因みに、雨燕は着物を着ていて紺色の髪を結っている。
「次はガウラさんです。」
「…………。」
こくりと頷くガウラ。
ガウラは立ち上がりお辞儀をすると、ゆっくり座った。
「…………。」
「まあ、ガウラさんらしいな。じゃあ日光先生、お願いします。」
イツキがフォローをいれる。
日光は待ってましたと言わんばかりに、格好つけて立ち上がった。
「日光 群彰。孤高の男にして、闇の力を左腕に封印している。今は箱庭の教諭をやっているが、前世は恐らく……いや、狼だ絶対な。武器は周章狼狽というこれも、闇の力を携えた刀だ。」
要するに中二病である。
日光はおじさん。無精髭をたくわえたどこにでもいそうなおじさんだ。
おじさんであるが為に服装はジーパンに黒シャツ。
「じゃあ、次は霧雨の親父だ。よろしくな。」
「おう。」
男が立つ。
「さっきも言われたけど、俺はイツキの親父だ。まあ、気軽に親父とでも呼んでくれ。」
「いいのかそれ……。」
イツキが言ったが、皆同じ意見を持っていた。
イツキの親父は、イツキが年を重ねたような風貌だ。
しかし体格や筋肉量の違いが、その実力を物語っていた。
素手での戦いを得意としている。
こちらも時折下ネタを言う。
「さて……一周回ったけど……どうする?」
親父は横に居たイツキに聞いた。
「どうするも何も、これからどうするかの作戦会議だろ。人数が多くて大変だけど、頑張ろうぜ。」
確かに15と人数が多いが、多ければ多いほど、作戦の幅が広がるというものだ。
さて……。
「とりあえず、怪我人の怪我が完治するまでは動かない方がいいと思う。」
「私も賛成なのだよ。」
「僭越ながら、私もです。」
レイとミノリが賛同してくれた。
「ちょっと待て。何故俺達もお前らの仲間に入ってるんだ。」
「え?」
犬槇が手を挙げて言った。
「誰も入るなんて言ってないだろ。」
「えぇ……ここに来て……。」
「いやだから…………俺はきちんと言いたかっただけで。じゃあ、お前らの仲間に入れてくれ。」
「おう!よろしく、犬槇!紅さんは?」
「まあ、私と犬槇は一心同体みたいなものだから。私もお願い。」
「勿論!よろしく、二人とも!」
正式に犬槇、紅を仲間に加え……その日は深夜まで作戦会議が続いた。
こんにちは、アフロ月です。
萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
本当に仲間が増えたなぁ……最初はイツキとまぐろだけだったのに……。
ここまで増えると、扱いやすい又は扱いづらいキャラというのが出てきます。
日光やレイ等はまだいい方なのですが、犬槇やツユが扱いづらいです。所謂普通ですから。
まぐろも普通と言われれば普通ですけど、まぐろは学ぶ立場なので、結構いいやつなんすよ。本当いいやつ。
最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。




