第二十四章「イケメンの名は」
どうも、アフロ月です。
いつになったら、イツキ達は黒の国へ行くんだ……?
黒い雪原編
第二十四章「イケメンの名は」
「レイさんが……隣の村に?」
「ああ。」
イナ村という、誰もいない村にやって来たイツキ達。
近くの小川で、茶髪のイケメンに声をかけられたのだが……。
どうやら彼は仲間であるレイの事を知っているらしい。
「頼む、案内してくれ!今すぐ!!」
一刻を争うこの状況。
頼みの綱は彼しかいない。
「俺は構わないが……途中で日が暮れると思うぞ。」
「ぐっ……。」
早く合流した方がよいだろうが……山中で日が暮れるのは避けたい。
危険度が一気に増すからだ。
「…………イツキ。」
親父が名を呼ぶ。
「なんだ、親父?」
「急ぎかどうかは、レイちゃん達の状況によると思う。」
「……まず無事な訳ないだろ。レイさん達は、大怪我してるから。」
二人の会話を聞いていた茶髪の男は首を傾げた。
「……?その様子だと、最近まで一緒に居たのか?」
茶髪の男が言うと、イツキはこう答えた。
「まあな。6日くらい前まで一緒に行動してたんだけど……アクシデントがあって、な。」
「汽車爆発の事か?」
「……は?」
汽車爆発だと?
「どういうことだ!?汽車爆発って何なんだよ!?」
「…………知らないのか?分かった、それなら隣の村に行くぞ。お前の疑問が全部、晴れる。」
「俺の疑問……。分かった、頼む。」
「ああ。……そういえば、まだ名乗ってなかったな。俺の名前は犬槇。よろしく。」
「霧雨 イツキだ。こっちの手を繋いでいる女の子が、ガウラさん。」
ガウラはぺこりとお辞儀をした。
「私は、神崎 まぐろと言います。よろしくお願いします。」
「イツキの親父だ。よろしく。」
そうして、霧雨一行と犬槇は隣の村へと出発した。
・・・・・・・・・
「着いたぞ。ここが、マキ村だ。」
すっかり日も暮れて、周りは暗闇に包まれている。
街灯すら無いので、明かりといえば月や星々の光のみだ。
「こっちだ。」
犬槇が促す。
「レイさんの他にも、誰かいますか?」
「行けば分かる。」
イツキが聞くも納得のいく答えは返ってこなかった。
腑に落ちないながらも、聞くだけ無駄と思ったイツキはそれ以上何も言わなかった。
暫く歩くと、木造の軒並みが見えてきた。
その内の一軒に犬槇が入ったので、イツキ達も家に入った。
「おかえりなさい、犬槇様……って…………イツキ様……?」
「……ミノリさん。」
「まぐろ様に………………えっと……どなたですか?」
「気になる点もあるでしょうが、今は……まずは、これの説明をお願いします。」
「……分かりました。」
そこには、横になった仲間達がいた。
予想以上に倒れてるんだが……誰かが足りない。
それにミノリでさえ横になっている。
立っている仲間は……いない。
「お茶を用意します。……そちらの幼女様は、オレンジジュースにでもしましょうか?」
「……。」
ガウラは頷いた。
……それにしても幼女様って……。
イツキ達が適当に座ると、ミノリは痛々しい体で、お茶やジュースを注いでくれた。
「……どこから話せばよいのか……。」
「とりあえず、俺とまぐろが汽車を降りてからの話をお願いします。」
「……あのあと、私達は古城の長、オオノガンと対峙しました。影の魔法を扱う彼に、苦戦を強いられていたのですが……。」
そして、ミノリは話してくれた。
その後、オオノガンの魔法である影の爆発に巻き込まれたことを。
……汽車爆発とはこのことか。
「少しの時差があり、飛ばされた場所が違ったのです。それで、白猫様と日光様は河辺に打ち上げられました。……場所が良かったです。爆発に気付いた村人の方達が、二人を見つけました。」
「……それで?」
「そこに、比較的無事だった茶々猫様が駆け付け……私達も助かりました。」
「それは良かった…………そう言えば……。」
イツキは周りを見渡した。
「その茶々猫さんが居ないですよね?」
「彼女は、一人で隠れ家へ。お湯を汲みに。」
「ああ……お湯ですね。」
「それで……。」
「はい?」
イツキは首を傾げた。
「その方々は……?」
「あ……。親父と、長です。」
「親父って……そ、その白い方は、イツキ様のお父様なのですか!?」
「逆!!親父なんだから男だろ!?」
「冗談ですよ。」
……ミノリのボケも久々だな。
まあ、今は笑ってる場合ではないのだが。
「……みんなの容体は?」
「皆様、大変生命力をお持ちなようで……。茶々猫様のお湯が間に合えば、何とかなるでしょう。」
「あれなら、臓器も治せますからね。」
「はい。」
そう。氷に貫かれたレイ、ヒラメ、ツユ、ハツガは臓器をやられてるはずだ。
場所によってはすぐに息を引き取ってしまう臓器もあるが、生きているということは、運が良かったのだろう。
はたまた生命力が凄いのか。
「……あれ?」
倒れた仲間達を見ていたイツキ。
そこに、見知らぬ女の子が一緒に横になっていた。
「あの娘は?」
「え……?ああ、あの方は……。」
「紅さんだ。」
「えっ……?」
代わりに答えたのは犬槇だった。
「俺の仲間だ。気にしなくていい。」
「……あれ?犬槇って、この村のやつじゃないのか?」
「違うよ。俺は、赤の国から来たから。」
「……え?」
「……言ってなかったな。赤の国傭兵育成機関『炎帝の園庭』長の補佐役をしている。犬槇だ。」
「………………はい?」
こんにちは、アフロ月です。
萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
犬槇は、久々の登場ですね。
赤の国の様子がチラッと出たのは、深淵の箱庭編です。
そう考えてみると深淵の箱庭編ではネタと言いますか、話を膨らませるための情報をちらほらと出しています。
拾っていけて良かったです。
茶々猫……早くお湯を持ってきてくれ。
最後に、後書きまで読んでくださってありがとうございます。
またお会いしましょう。
Thank You。




