第二十三章「誰もいない村」
どうも、アフロ月です。
最近、曜日感覚が狂ってます。
黒い雪原編
第二十三章「誰もいない村」
「誰もいない……か。」
イナ村という村の役場に立ち寄ったイツキ、まぐろ、親父、そしてガウラ。
役場であるのに人の気配が無いどころか、居たのは狼に似た魔物コボルド。
コボルドを倒して役場を探ってみたのだが……。
やはり人は見当たらなかった。
「食べられたんじゃねえの?」
「うっ……やめてくださいよ。親父さん。」
親父の言葉を否定するまぐろ。
確かに、想像はしたくない。
「それは無いと思うけど?」
イツキは二人に言った。
すかさず親父は聞き返す。
「何故だ?役場って、普通は人がいるもんだろ?」
「まあな。でも、人が居たにしては役場は綺麗だ。荒らされた形跡も無い。」
「…………。」
「命を狙われてるなら、少なくとも抵抗するだろ?それなら何かが散乱しててもいいもんだ……。つまり、答えは自ずと見えてくる。」
「……最初から人は居なかった。」
「おう。さすがに不用心だけどな。」
……成程。その通りならよいのだが……。
それにしても、さながら探偵のように振る舞うイツキは格好よかった。
まぐろも感心して拍手を送っている。
「まるで名探偵でしたよ。眼鏡と蝶ネクタイをあげたいです!」
「まぐろ、それはどこぞの博士に頼んでくれ。とりあえず誰でもいいから、村民を探してみよう。」
親父とまぐろは首肯して、役場から出ようとした。
イツキも出ようとしたのだが、先程から手を繋いでいるガウラが動こうとしない。
「……?ガウラさん?行きますよ。」
「………………。」
そう言うと、ガウラはこちらを向いた。
無言で何かを訴えかけてくる。
「…………。」
「な……何ですか?」
「………………。」
すると、ガウラはイツキの後方を指さした。
「え?」
そこにあるのは、役場の出入口のドア。…………のみの気がするが。
「何も無いですけど……?」
ぬいぐるみを片手に持ったガウラは、それでも真っ直ぐにイツキを見つめていた。
やがて、イツキの手を引っ張ってドアへと歩きだした。
……何だったんだろう……。
「えっと……それじゃあ行きましょうか。」
ドアを開いて外へと出る。
イツキ達は、来たときとなんら変わらない役場を後にした。
・・・・・・・・・
その後、村中を歩きまわったが、人は発見出来なかった。
「くそっ……ここは廃村になったのか……?」
イツキが周りを見回しながら言った。
1年立ち寄ってないのだから、ゴーストタウン化しているのを知らなくてもおかしくはない。
役場を後にした時点では、留守ということも考えられたのだが……。
一人も居ないとなると、やはりゴーストタウン化なのか。
「誰もいませんね……。どうします?」
まぐろが笹舟を作りながら深刻そうに言った。
いや、手元はのんきだな。
「そうだなぁ……。」
このまま村を出ることも出来るが……。
「……もう少し探索してみようと思う。何かあったのかもしれないし。」
「了解です!」
まぐろは元気良く言うと、笹舟を小川に流した。
ゆっくりと、舟は下流の方へ下っていく。
すると。
「…………誰だ?」
下流方向から声がした。
茶髪で切れ長の目をした……認めたくはないがイケメンだ。
いや、それよりも今は人が居たことに驚いている。
「ひ…………。」
「ひ?」
「人だあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「うわっ!?」
イツキが叫ぶと、男は驚いた。
「な、何だよお前ら!?」
「ここに来て初めて人を見たんだ……。どこに居たんだよお前……!!ああああ涙で前が見えないぃぃぃぃ……。」
「情緒不安定だな……。」
「ツッコミいれてくれたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……。」
「本当に何なんだ……。」
茶髪の男は頭を掻いた。
気まずいのだろう。
「…………ん?」
茶髪の男の顔つきが変わった。
「おい……緑髪のお前。」
「「なんだ?」」
霧雨親子が同時に返事をした。
「いや……えっと…………いいや。おい黒髪。」
「は、はい?私ですか?」
「その服の左肩のエンブレム……お前ら、もしかして深淵の箱庭か?」
「……一応。」
まぐろが返答をした。
「なら、海岐華 レイって知ってるか?」
「!?」
一番に反応を示したのはイツキだった。
何故、ここでレイの名を……?
「レイさんを知ってるのか!?」
イツキが食い気味に聞く。
茶髪は慌ててつつもこう答えてくれた。
「俺が今世話になってる村……隣の村なんだけど。そこにいるんだ。」
「なっ…………レイさんが……?」
こんにちは、アフロ月です。
萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
毎回なのですが、村や街の名前には困っています。
一応方向性というかテーマというか、どういった系統の名前を付けるのかは決めているのですが……変に難しい名前にしても覚えにくいだろうし、キャラクターに似た名前にしてしまうとまた大変なのです……。
最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。




