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萌葱色の変奏曲  作者: アフロペンギン
黒い雪原編
56/607

萌葱色変奏曲番外編 「1月1日の箱庭」

どうも、アフロ月です。

正月を題材にした、ちょっとした番外編です。

 萌葱色変奏曲番外編

「1月1日の箱庭」




「むはぁぁぁあああぁぁん……。」

「……露骨な溜め息吐いて……どうしました?」


 深夜。

 深淵の箱庭にある寮に、一組の男女が居た。

 桃色の髪を切り揃えた女性・海岐華みぎかレイと緑髪の中性的な顔立ちをした霧雨きりさめイツキである。

 今日は1月1日。

 タッグであり同室の二人は、部屋で共に新年を迎えた。


「聞いてほしいのだよイツキ君。」

「聞いてますよ。」

「…………が……い。」

「聞いてほしいならきちんと喋ってください。」

「恋バナがしたい!!」


 突然何を言い出すかと思えば……恋バナ、所謂、恋愛に纏わる話のことだ。


「友達のところへ行って話してきたらどうですか?」

「皆、初日の出を見にいってるからいないのだよ……。」

「あー……。確か、レイさん折角の誘いを断ってましたよね。」


 寒いから断ったと言っていたレイ。


「自業自得ですね。」

「むはにょにゃ~ん……。」


 今のは何語だ?

 まったく……炬燵こたつに入って丸くなっているレイは猫みたいだ。


「じゃあ、俺とします?」

「何を?〇〇〇(自主規制)?」

「恋バナっすよ。いきなり下ネタ言うのはやめてください。」

「だって、誘い方がそれだったし~。」

「はぁ……。」


 机の上のみかんを一つ手に取り、イツキは皮を剥いた。


「イツキ君。」

「はい?」

「外に行かないかい?」

「今更ですね。まぁ、いいですけど。」

「出たくないなぁ。」

「どっちだこら。」

「出たくないのだよ!暇なのさ!暇だから嘘ついたのさ!!」

「新年からバチあたりなことしてますね。」


 みかんを一ふさ食べて、イツキは炬燵布団を被り直した。


「結局、恋バナするんですか?」

「するのだよ。イツキ君、子どもは何人欲しいんだい?」

「あれ!?恋バナってそういうもんでしたっけ!?」

「すまない。先を見据えすぎたのだよ。」

「見据えすぎでしょ。」


 苦笑して、もう一ふさみかんを食べる。

 レイは寝転がったまま、みかんに手を伸ばした。


「だらしないですよ。」

「新年だからいいではないか。」

「…………いつもでしょ。」

「…………。」


 レイは上半身を起こした。

 そして、みかんの皮を剥き始める。


「炬燵でみかんは定石だね。」

「そうですね。」

「で、イツキ君好きな男の子はいないのかい?」

「唐突に話を戻したあげく、とんでもない誤解をしていますね。」

「ふふ、冗談なのだよ!」


 二ふさのみかんを食べるレイ。


「で、好きな女の子はいないのかい?」

「いないです。」

「つまらない男よの。」

「…………。そういうレイさんは?」

「イツキ君。」

「……はい?」

「ふふ、私が好きなのはイツキ君なのだよ。」

「ありがとうございます。でも、俺より良い人は沢山いますよ?」

「駄目だよイツキ君。その受け答えは、断られる~の好みを否定してる~ので最悪なのだよ。」

「そうなんですか?」

「そうなのだよ。女の子相手にしちゃ駄目だよ?」

「……あれ?レイさんも女の子ですけど。」

「あれま。女の子として見てくれてるのかね?嬉しいねぇ。」


 少し照れくさそうに、レイは笑った。

 ……頬が赤いのは炬燵に入っているからだろう。


「結婚は?どのくらいでしたい?」

「そうですね……20代のうちにですかね。」

「それだと、私が30ってことも有り得るではないか。」

「あれ!?レイさんとの結婚前提なの!?」

「はっはっは!当たり前ではないか!」


 はっはっは……苦笑しかできない。


「……イツキ君、私をもらってくれるかい?」


 いや……そんなに純粋無垢な目で見られても……。


「…………レイさんって、彼女にはしたいけど結婚は何か違うって言われません?」

「えっ!?イツキ君ってエスパー?」

「……見てたら分かります。」

「ほえ~……。」


 レイはみかんに手を伸ばした。

 いつの間にか一つ食べきっていたようだ。


「レイさんって、料理作れます?」

「はっはっは!面白い冗談を言うではないか。出来ないからイツキ君に任せてるのさ!」

「水まわりのことや洗濯できます?」

「はっはっは!面白い冗談を言うではないか。出来ないからイツキ君に任せてるのさ!」

「原因しか見つからねぇ。」


 一つ溜め息を吐くイツキ。

 ……おっと。いつの間にかイツキもみかんを食べきってしまっていた。


「……っは!そうなのだよ!」


 レイが何かを閃いたようだ。

 いやまあ、言いたいことは大体分かる。


「イツキ君が夫になれば解決ではないか!!」

「そうですね。」

「三度目の正直!イツキ君、私と結婚してほしいのだよ!」

「二度あることは三度ある。お断りします。」

「何でなのさ!」

「はっはっは。面白い冗談を言いますね。」


 ぶー。と、レイは口を尖らせる。

 ふてくされて横になった。

 フォローすべきなのか?


「レイさんのこと、嫌いじゃないです。むしろ好きですよ。でも結婚とはまた違いますから。」

「……冗談じゃないのに。」

「え?」

「何でもないのだよ!イツキ君、お年玉!」

「くれるんですか?」

「ちょうだい!」

「……無いです。」

「あるではないか、イツキ君の股間に。」

「だから急に下ネタ言うのはやめてください!!」


 ……今年が波乱の年になるとも知らず、イツキとレイは夜を更かすのだった。

こんにちは、アフロ月です。

萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。

いかがでしたか?

お正月ということで、イツキとレイの番外編を載せてみました。

個人的に、炬燵にみかんは最強の組み合わせだと思っています。

去年はお世話になりました。2017年もよろしくお願いいたします。

最後に後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。

Thank You。

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