第二十二章「ガウラ」
どうも、アフロ月です。
友人のLINEアイコンが、ハツガさんでした。
そう。ステマした友人です。
…………今年最後の前書きはこれでいいのか?
黒い雪原編
第二十二章「ガウラ」
「長って……ええ!?この女の子が……長!?」
イツキ、まぐろ、そして親父の前に現れた少女は、緑の国傭兵育成機関「深淵の箱庭」の長だった。
白い髪、白い服、白い肌で、ぬいぐるみを片手に持っている。
「……神崎 まぐろ。」
「は、はい!」
口を開いた少女が言ったのは、まぐろの名だった。
長なのだから、知っていても不思議ではない。
「……霧雨 イツキ。」
「……はい。」
勿論、それはイツキに対しても同じことだ。
「何でここに?」
「……それは俺も聞きたいんですけど。」
「…………うん。」
「………………。」
………………あれ?これは俺に何か求めてるのか?
「あのー……ガウラさん?」
「?」
首を傾げる少女ガウラ。
「いや……えっと、何でここに?」
「探してた。」
「……何を?」
「…………うん。」
「うん、じゃなくて……。」
……これは、答える気は無さそうだ。
イツキは半ば諦めて、溜め息を吐いた。
「……はぁ……よろしければ、一緒に行動しませんか?長が強いのは存じ上げておりますが……。長は手配されてる身なので、やはり心配ですから。」
「…………。」
ガウラはこくりと頷いた。
しかし……。
「ちょっと待ってくれ、イツキ。」
「……ん?何だよ親父。」
親父が異議を唱えたのだ。
「俺は女の子が入るのは歓迎する。だけど、長ちゃんが入ると汽車は使えなくなるぞ。」
「だからって、長は置いていけない。」
「……迷いが無かったな。」
「当たり前だろ。」
斯くして、「深淵の箱庭」長ガウラが霧雨一行に加わった。
「よろしくお願いします、ガウラさん。」
まぐろがお辞儀をすると、ガウラも深々とお辞儀をした。
……深すぎる気もするが。
「さて、やっぱり徒歩になったけど、桃の国へ向かうぞ!」
「………………手。」
「手?」
意気込むイツキに、ガウラが呟いた。
手と言って、手を差し出すということは……。
「繋ぐと?」
ガウラは頷いた。
「…………。」
少し気恥ずかしいながらも、イツキはガウラの手を握った。
そして、イツキとガウラを先頭に、一行は桃の国へ歩みを進めた。
・・・・・・・・・
「……親父。」
「ん?」
暫く歩き続けていると、イツキはふと親父の名を呼んだ。
今現在、山中の獣道を歩いているのだが……。
頼むから迷ったなんて言わないでほしい。
「親父さ、ガウラさんのことは知ってるよな?」
「長ちゃん?ああ、知ってるよ。お前の入学式の時に見てるからな。」
「…………ガウラさんの持ってるぬいぐるみ。あれ、絶対に取りあげちゃ駄目だからな。」
「……なんだそれ。フリか?」
「真面目に。分かったか?」
「おう。………………お、着いたぞ。」
イツキらが目指す桃の国だが、その前に一つの村に寄ることにした。
村の名は「イナ」。
所謂田舎と呼ばれるイナ村は、1年程前イツキとレイが修行のために訪れた地でもある。
懐かしさを覚えながらも、イツキは役場へ歩を進めた。
「静かな所ですね。」
まぐろが親父に言った。
「そうだな。俺もここには来たことないな。」
「ここには……?」
「俺、色んな場所を旅してまわってるんだけどさ。まさかここに村があるなんて思ってもみなかったよ。」
「旅……うわぁ、何だか羨ましいです。」
目を輝かせるまぐろ。
「興味があるのか?」
「私、元々は旅をする力を付けるために箱庭に入学したんです。」
「へえ……じゃあ、一件落着したら一緒に旅をしようか?」
「いいんですか!?」
「旅は道連れ。だからな。」
まぐろと親父が何だか盛り上がっている。
そういえば、イツキはまぐろの入学理由を初めて聞いた。
まぐろは旅がしたかったのか。今も旅をしているようなものだが……この戦いが終わったらそれもいいかもしれない。
「…………正直、親父と一緒は不安だけどなぁ……。」
イツキが一人言のように呟くと、ガウラが首を傾げた。
「あはは……何でもないです。」
苦笑するイツキ。
すると、目的としていた役場が見えてきた。
「あっ、あった。」
目視した役場へと入る霧雨一行。
中は少し殺風景としていた。
いくつかのベンチや窓口はあるものの、人がいない。
「……あれ……?すみませーん。」
大声を出して誰かいないか確認する。
……人の気配は無かった。
そう。
人の気配は。
「魔物……!」
姿を現したのは狼に似た魔物、コボルドだ。
右手に斧を持っている。
「コボルド1匹か……イツキ。」
「ああ。まぐろとガウラさんは下がってて。」
「は、はい。」
「…………。」
「ちょっ、ガウラさん?手を放してくれません?」
「…………。」
ガウラが手を放そうとしない。ギュッと力を込めている。
チャンスとばかりに、コボルドはイツキめがけて斧を振り、攻撃をしかけた。
「うわっとっ……!?」
ガウラを抱き寄せ、転がって回避する。
その隙に親父がコボルドへ接近した。
「ふっ……!!!」
親父の肘が、コボルドの脇腹にはいった。
ゴボッという声のようなものを漏らして、コボルドは呆気なくその場に倒れた。
「……鈍ってないのな。親父。」
「当たり前だろ。息子の前でくらい、格好よくないと。」
格好つけているが……まあ、普段が普段だから、あまりキマッているわけではない。
それにしても……。
「……コボルドが何故役場に……?」
ここに居た人はどうなってしまったのだろうか?
一先ず、イツキ達は役場を見てまわることにした。
こんにちは、アフロ月です。
萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
今年最後の萌葱色変奏曲ですが……さらにガウラさんを霧雨一行に加えました。
幼い少女らしく、イツキの手を握っていましたね。
それでも長をやっているのならば、やはりただの少女ではありませんけど……。
……これ、煩悩にならないよね?大丈夫だよね!?
最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。
2017年も良いお年を。




