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萌葱色の変奏曲  作者: アフロペンギン
黒い雪原編
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第十八章「正式加入と条件」

どうも、アフロ月です。

マグロ解体ショーと聞いて、ドキッとした自分はすでに手遅れなのでしょう。

何のことか分からない人は深淵の箱庭編を読んでみようぜ!!

 黒い雪原編

 第十八章「正式加入と条件」




 明朝。

 黒の国傭兵育成機関「闇夜やみよ一星いちほし」では、少女が一人歩いていた。

 向かうは、中央塔セントラルタワー最上階。

 一星の長であるスギネに会うためだ。

 塔の入口が見え、そこには昨日と同じ警備兵の女性が立っていた。

「お疲れ様です」と、一声かけ、カサは塔内のエレベーターに乗り込んだ。

 やがて、軽快な音と共にドアが開き、目的の部屋へと到着した。


「いらっしゃい。カサ。」


 スギネが、机に両肘を突いていた。

 正面にある机、そしてスギネのもとへ歩み寄ると。

 カサは口を開いた。


「話を聞かせてくれ。」

「まあそう焦らない。珈琲でいいか?」

「……感謝する。」


 スギネが適当に椅子を用意して、カサに座るよう促した。


「失礼する。」


 そう言って、カサは椅子に座った。

 スギネが、珈琲が入ったカップをカサの前に置くと、向かい合うように、再び椅子に座った。


「どうぞ。桃の国から輸入した、街路樹オリジナルブレンドだ。」


 桃の国……か。

 なんだか懐かしさを覚える。

 少し笑みがこぼれ、カサは珈琲を一口啜った。


「……ん……やはり美味しいな。」

「飲んだことがあるのか?」

「ここに来る前にな。」

「へえ……やっぱり、僕も飲もうかな。」

「それは構わないが……私はスギネ殿と珈琲を嗜むためにここへ来たわけではない。」

「分かってる。」


 スギネは1つカップを用意して珈琲を淹れた。

 湯気と共に良い匂いが広がる。


「詳しく聞かせてくれるか?」

「え?」

「カサが知りうる全ての現状を。」

「……うむ。」


 カサは、黒の国へ入る前の、緑の国のことを話した。

 緑の国傭兵育成機関「深淵しんえん箱庭はこにわ」が、陥落したこと。

 全ての原因である青に反抗する、霧雨一行のリーダー・霧雨イツキと行動を共にしたこと。

 桃の国での戦いで、己の弱さを知ったこと。

 イツキと別れ、一人で黒の国へやって来たことを。


「…………。」

「私は、自分に出来ることはないのか。そう思ってここへ来た。歯向かうには数も力も足りない。だからこそ、黒に協力願いたいのだ。」

「……成程。1ついいか?」

「……?ああ。」

「その霧雨一行のイツキ?だっけ。イツキは、何を?」

「桃の国傭兵育成機関長である茶々猫嬢と修行をしている。」


 …………はずだ。

 確か、3つ4つ上のステージへ連れていかれる予定だと。


「茶々猫さんと!?イツキは長ではないんだろ?」

「箱庭の一般生徒だ。」

「ふーん……ただの生徒ではなさそうだが……。彼に興味が出てきたよ。」

「……変な意味ではないな?」

「当たり前だろ……。霧雨一行のリーダーということは彼がメンバーをまとめてるんだよね。強さの序列は?彼が一番強いのか?」

「イツキは……一行の中では中間辺りではないだろうか。」

「それでも慕われているのか。うん。ますます興味が出てきた。全面的に協力させてもらうよ。」

「あ、ありがとうございます!」


 やった……!これで、イツキの役に立てる……!

 それに少しは戦況が有利になる。これは大きい。


「ただ……。」


 内心喜んでいたカサだったが、スギネが言った言葉に、暗雲が立ちこめてきた。

 ただ……だと?


「条件がある。」

「……簡単なものであればよいが。」

「カサが強ければ問題無い。」


 強ければ……?

 一体何なんだ……?


「約3ヶ月後に行われる闘技大会で優勝してくれ。」

「闘技大会……とは?」

「ここの生徒は、国ごとに争っているのは分かるか?」

「うむ。博羽に教えてもらった。」

「お互いの実力を高めるべく、1年に2回程トーナメント制の大会があるんだ。太陽の国に所属して、そこで、カサには優勝してもらいたい。」

「…………出来なければ?」

「この話は無しで。」

「……まあ。他に方法が無いなら仕方無いからな。いいだろう。」

「よし。じゃあ、早速今日の仮想国戦闘ヴィルラントカンプから参加してくれ。手続きは済ませておく。」

「試験等は?」

「実技と筆記があるけど、免除でいいよ。」

「感謝する。」


 カサは深く礼をして、太陽の国へ向かうべく部屋をあとにした。



 ・・・・・・・・・



「カサちん、正式に太陽の国に入るの!?」

「ああ。よろしくな、博羽。」

「よろしくだよカサちん!いやぁ、俺、びっくり!まさかカサちんがね~!!」

「国を守るためだ。ところで、仮想国戦闘ヴィルラントカンプは、いつ始まるのだ?」

「決まってないぜ!不定期だし!!」

「そうなのか?」

「そそ!だから、いつでも出れるように準備は怠っちゃ駄目のダメダメだよん!」

「ふむ。気を付けよう。」


 戦いはいつ起こるのか分からない。

 実戦に基づいたこの機関、やはり面白い。


「勿論、ルール等無いのだな?」

「もちのろんだぜ~!」


 …………思った通りだ。面白い、面白いぞ一星!





 ……自分の中で、何かが目覚めそうなカサだった。

こんにちは、アフロ月です。

萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。

いかがでしたか?

さあ、今回で過去編は一旦終了します。

カサは闘技大会で優勝出来るのでしょうか。

そしてスギネの思惑とは……?

次回からは現代へ戻ります。

徒歩で向かうイツキとまぐろ、大怪我をしたミノリ達。

過去はどう繋がるのか。

最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。

Thank You。

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