第十六章「黒の長」
こんにちは、アフロ月です。
そういえばもう少しで、全編合わせて50章になるんですよね。
……おお。自分を褒めてやりたい。
黒い雪原編
第十六章「黒の長」
廃墟を出て、3日。
カサ、そして博羽は黒の国傭兵育成機関「闇夜の一星」へと到着した。
全ての機関のなかでは最大規模を誇るのが、この一星なのだが……。
「何だこれは……街か……!?」
「ああ。ここは黒のセントラルシティ。一星の中には、さらに街がいくつかあるんだぜ~。」
「何ということだ……。」
まさかここまでの規模だとは……カサの口は、閉じる気配が無かった。
高い塔みたいなものも見える。
「長は、この先の中央塔に居る。行こうぜカサちゃん!かむひあ~!!」
「……。」
何言ってるんだこいつは。
カサは、陽気に歩く博羽の後ろについていった。
しかし……昼なのに人気が少ない。最大規模を誇るはずなのだが……所属人数は少ないのだろうか。
「ここが中央塔だぜ!」
高くそびえるその塔は、先程から見えていた塔だった。
入口には警備兵だろうか、二人の女が立っていた。
「お疲れ様です。この方は?」
「お疲れちゃ~ん二人とも!この子は俺の連れだから気にしないでちょ!長は今いんの?」
「はい。スギネさんなら総司令室にいらっしゃいますよ。」
ふむ……一星の長はスギネという名前なのか。
警備兵のうち一人の女がそう言ったなら、間違いない。
「サンキュー♪愛してるぜ警備兵ちゃ~ん!!」
……名前、知らないのか。
博羽が塔へと入るので、カサも入っていった。
入るなりエレベーターがあったので、高さはあれど、見た目ほど広くはなさそうだ。
乗り込み上層部へと上がっていく。
「カサちゃんと二人だなんてドッキドキするぜ~!!止まったらどうしよう!?」
「……少し静かにしてくれないか。」
「おう!すまんねカサちゃん!」
うむ。彼の大体の扱い方が分かった。
軽く流せばよい。
「……。」
「ふんふふん、ふんふんふんふんふーん♪」
「……。」
「ふふふふーんふんふんふっふふーん♪」
「静かにしろと言ったはずだが。」
「あー!めんごめんご!カサちゃん緊張しちゃってると思ってさぁ~!いや、本当にめんご~!!」
「…………はぁ……。」
カサがひとつ溜め息を吐くと、エレベーターが止まるとともに軽快な音が鳴った。
「着いたのか?」
「だね~。」
ドアが開き、少し狭い部屋が目にはいってきた。
中央には机と椅子、周りは本棚と大量の本に囲まれている。
その椅子には……一人の男が座っていた。
「降りないの?」
「え……あ……す、すまない。」
博羽に促され、カサは部屋へと足を踏み入れた。
「おかえり、博羽。」
「ただいまで~す!そちらはお変わりありませんか~?」
「ああ。……そちらの女の子は?」
「緑の国から来た、カサちゃんで~す!」
「……緑の国だって?」
まだ若い男だった。
短髪で、黒いスーツ姿。
そして……碧眼。
「緑の国にある巨大都市のひとつ、二重薔薇ノ園から来た。この度は、黒の国に力をお借りしたいため……。」
「ストップ。」
途中で遮られてしまった。
「俺はそんなこと聞いてないが。」
「……無礼をお許しください。」
「いや、いいよ。それで?黒の国の力を借りたいってのは?」
「はい。青に対しての反抗勢力の一員である私は、まだ青の支配下に置かれていない一星の面々に力を貸していただきたく、ここまで来ました。」
「……成程。それは総意なのか?」
「……え?」
「聞き返すような質問か?二度は言わない。」
「……私から提案し、リーダーには許可を貰っている。」
「……へぇ……。」
椅子に体重を預けていたスギネは、腰を上げてカサのもとへ歩み寄った。
「カサと言ったな?カサは機関に所属していないのか?」
「ええ……まあ。」
「よし、カサ。一星に入れ。そうすれば力を貸してやる。」
「…………は?」
言っている意味が分からない。……いや、正確には意味は分かるが、意図が分からないのだ。
「……ここが戦場なら、聞き返すのは時間の無駄だ。1回で覚えろ。」
「…………では。何故、そうなる?私が一星へ入ることと力を貸してくれることに、何の関係が?」
「関係なんて無いさ。これは取引だ。」
「…………。」
妙な交渉だな。
下手ではないが…………意図が分からないから、デメリットがあるか分からない。
しかし……。
「本当に、私達に力を?」
「貸すよ。」
「…………では。頼む。」
「よし。詳しいことは明日話す。とりあえず今日は、太陽の国でお世話になってくれ。博羽、頼む。」
「了解で~す!!」
そして、スギネは椅子へと座った。
…………太陽の国?
……………………国だって?
一体何が……何が待ち受けているんだ?
……訳が分からない。
こんにちは、アフロ月です。
萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
今回のカサは緊張しちゃってました。
意外とアウェーは苦手なのかもしれません。
恐らく、歳寒三友時代はどこかに遠征する際は兄にベッタリだったのでしょう。
……歳寒三友なんて久々に書きました。リアルに漢字忘れてました……。
最後に、後書きで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。




