第十五章「チャラい男」
どうも、アフロ月です。
あるテレビで、ヒラメ(魚)を食べていました。
……でも、思い出すのはヒラメ(人間)。
いやぁ、ヒラメ(魚)を言われてもヒラメ(人間)が頭によぎるのはもうすっかりヒラメと言えばヒラメ(人間)が定着してるなぁ。
黒い雪原編
第十五章「チャラい男」
「失礼する。…………あ、廃墟だったか……。」
黒の国の辺境、とある廃墟にやって来た少女、カサ。
……日が暮れかけていることも相まって、とても暗い。
「……それにしても広いな。どこか休める場所を探すか。」
ここは……広間だろうか。
まるで屋敷だな。少し先に見える大きな階段……は、初めて見たぞあんなの。
「とりあえず、部屋に入ろう。ベッドか何かあれば上出来だな。」
カサは階段を登ろうとした……のだが。
一段目に足をかけるところで、カサの足は止まった。
「…………誰だ?」
微かに聞こえた音に反応したカサは槍を抜いた。
「……そこにいるのは分かっている。出てこい。」
……反応は無い。気のせいだったのか?
「……。ふむ。」
一歩ずつ後退していく。
もし敵がいたら……後ろを向いた瞬間、襲われる。
神経を集中させながら、カサは一歩……また一歩と。
……ギィィ……
「っ!?」
扉の音がして、薄暗い空の光が、広間に射し込んだ。
気を取られた瞬間、何かが飛んできた。
「くそっ……!!」
槍で防ぐ。飛んできたのは…………なんだ?ゴム?
「粘着系の物質か……!」
もうひとつ飛んできたそれに、カサは気付かなかった。
「くっ……!!」
手に当たった。
体に異常は無いものの、槍から手が離せなくなってしまった。
まずい。
カサは急いで扉に走った。
誰かがいる。誰かは分からないが、こちらを襲う目的があるのは確かだ。
「退けっ……!!」
しかし、その者は退かなかった。
そして……銃を構えた。
「光線銃か!」
真横へ緊急回避。
発砲の方が遅かったので、当たりはしなかったが……。
「ん……?光線銃ではないのか……?」
発砲音と共に飛び出したのは光線ではなく……粘着物質のゴム状のものだった。
何が狙いだ……?
…………成程。動きを止めて確実に仕留める。そういうことか。
それならば……!!
「ストップストーーップ!!そいつ一星の奴じゃないって~!!」
突然の声に、銃を構えていた者は動きを止めた。
カサのもとへ駆けてくる一人の男。
「めんごめんご~!こっちの勘違い!許してちょんまげ~!!」
「…………。」
まだ信用は出来ない。そう言って、油断させたところを……。
「お宅、他人ってやつだよね~。いきなりでごめんね!敵意は無いからさ!今、黒の国は演習やってんの!怪我してな~い?」
「……怪我はしていない。それよりも、急に襲っておいて敵意は無いだと?もう少しきちんと言い訳したらどうだ?ん?」
槍を構え直すカサ。
慌てる男はこう言った。
「うわっ、ちょっ、勘弁してちょ!俺は博羽!まずは自己紹介でもして仲良くやろうぜ~!!」
「…………はぁ。」
カサはひとつ溜め息を吐いた。
・・・・・・・・・
「つまり、お前らは全て無視してるのか……!?」
カサは驚愕した。
黒の国傭兵育成機関「闇夜の一星」は、青を無視して、いつも通りの日常を送っているらしい。
「つ、つまり……青に従う気は無いのか?」
「あったり前だろぉ?何があっても俺達は、ぶれねぇよ。」
「…………。」
「カサちゃんは、緑の国から来たんだっけ?何でこんなところにいるの?」
「…………黒の国に、頼みがあってな。」
カサは顔を少し暗くした。
「私を、闇夜の一星へ連れていってほしい。」
「うーん……その頼み次第!!!」
「……力を貸してほしいのだ。私達の力だけでは……青には勝てないから……。」
「な~るほどね~!なるほどなるほど~……。いいよ、連れていくよ!」
「なっ……いいのか!?」
随分あっさりだな……。
「連れていった先で、恐らく長が何か言うはずだから。連れていくくらいなら容易いぜ~!!」
…………ああ、そういうことか。
案内はしてくれるということで、力を貸してくれるかは別だと。
「……まあ、それでも十分だ。ありがとう、博羽。」
「おお!カサちゃんがデレてくれた~!!」
「……デレていない。ふざけるな貴様。」
「お……おお……すまんカサちゃん……。それじゃあ案内するぜ。」
「……ん?お前一人か?」
「そうだけど。」
「先程の二人は?」
「ああ、岩具なら先に行かせたよ。」
「……いや、だからあと一人、階段の上にいただろう?」
「何言っちゃってんの~!!俺達は二人で行動してたんだよ!?カサちゃん、疲れてるんじゃないの~?」
「………………い、いやああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
カサの悲鳴は山中に木霊した。
こんにちは、アフロ月です。
萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
カサの物語に入っている本編ですが、彼女は彼女なりの想いで黒の国へ向かいました。
廃墟の定石は守れた……かな?
最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。




