第十三章「尽くす相手」
どうも、アフロ月です。
さあ、筋トレ筋トレ!
黒い雪原編
第十三章「尽くす相手」
「青になるって……意味が分からないッス。」
青の国傭兵育成機関「海底の古城」の中にある、病室で、サゴは言葉を復唱していた。
「……だろうな。丁度いい、これを聞いてみろ。どこの番組でもいい。」
エトが近くにあったラジオを投げ渡す。
慌てて受け取ると、サゴは電波を拾わせた
。
『私は……青の国傭兵育成機関「海底の古城」長。オオノガンだ。』
「…………!!これは……。」
話し始めたのは、海底の古城長を名乗るオオノガン。
とても渋い声だ。
『戸惑いを隠せないであろう各国へ。我々青の国は、ここに布告をする。現在青の国は、赤、そして緑の国を陥落させた。』
『そして今、桃の国ですらも手に入ろうとしている。これがどういうことかお分かりいただけるだろうか?』
……何を言っている……?
『青はこの世界を統べる。悪しき者達を滅して、より良い世界に戻すために。』
『青は、抵抗しない限り危害を加えることはしない。それは分かっているだろう。』
『赤、緑、桃、そして今だ抵抗を続ける白は、機関を使い結託して、戦争を仕掛けようとしていた。これを見過ごすわけにはいかない。』
何を言っているんだ……!?
こいつは……!!
『そして、紫とは同盟を組んでいる。黒、そして黄の国の答えも、気長に待つとしよう。』
『これを聞いている全世界の民達よ。青を信じろ。さすれば道は開かれる。』
『我らならばこの世界を救うことが……』
絶望へと追いやられた気分だった。
自分達が……悪しき者だと……?
「……どういうことッスか……。」
「聞いた通りだ。青と紫は大々的に宣戦布告。世界を統べるんだ。」
「そうじゃない!!悪しき者だって……?勝手な言いがかりじゃないッスか!!」
「そうだな。」
すました顔で言う、エト。
さらに続ける。
「お前らが結託してた証拠は無い。でもな、逆に結託していない証拠も無いんだ。だろ?」
「それは……悔しいッスけど、そうッスね……。」
「……それで、本題に戻りたいんだが……。」
「そうッスね。それで何故、俺が青になるなんてことになるッスか?」
「なるなるうるせぇな。」
「…………。」
今のは不意打ちだった。
まさかツッコミがはいるとは……。
…………気を取り直していこう。
「……それで?」
「ああ、俺もよく分からないんだがな。長がそうしろって言ってたんだ。」
「……長って、さっきのオオノガンってやつッスか?」
「ああ。フルネームは、シュトルムブルー=オオノガン。……と、そんな話はどうでもいい。緑が青の占領下に置かれた今、長には従ってもらわなきゃいけねぇ。」
「……出来るわけないッス。俺にはもう尽くす相手がいるッスから。」
それを皮切りに、二人は押し黙った。
チッチッと、時計の針の音だけが部屋で鳴っている。
やがて、エトは大きく溜め息を吐いた。
「はぁ……まあ、そう言うだろうと思ったよ。」
「あっさり引き下がるッスね……。何か企んでるッスか?」
「別に……なら、ヒナの遊び相手になってくれ。俺、疲れたから。」
…………まあ随分と路線が変更されたな。
サゴはヒナの方を見てみた。気のせいか、妙にうずうずしている。
「遊び相手くらいなら……。」
「言ったな?お前が交代したいっつっても交代しないからな?」
「いや……別にいいッスけど……。」
そんなに念を押す必要はないだろう。
10代前半であろう女の子の遊び相手など軽いものだ。
それにしても、先程からヒナが「早速遊ぼう」と言わんばかりにこちらを見てくる。
「……ま、まずは怪我を治させてほしいッス。」
「えー!!いいじゃん、遊んでよお兄ちゃん!!」
「3日!せめて3日待ってほしいッス!!」
ぶー……と、口を尖らせるヒナ。チラッとエトを見たが何故だ?……あ、エトが保護者だからか?
「待ってやれ。その方が動けるから、お前も楽しいだろうよ。」
「じゃあ待つ!!」
「おう……。」
何気ない気遣いに、サゴは恋に落ちた。
……というのは冗談だ。
「すまないッス。」
「一応、人質として使えるから丁重に扱わないとな。」
そのツンとした態度に、心惹かれたサゴ。
……というのも冗談だ。
こんにちは、アフロ月です。
萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
着々と進む過去編ですが……あれ?これ、いつの間に過去編に……?
ま、いいでしょう。
イツキ達が桃の国にいる間、サゴはベッドで寝ていたことになります。そうなったら実力の差がどんどん大きくなっていくのではないかとお思いかもしれませんが、そんなことはありません。
怪我を治して、また戦線に復帰するよう努力をしてほしいですね。
明日の投稿も、勝手ながらお休みさせていただきます。
勝負の日その2です!
頑張ってきます!
最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。




