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萌葱色の変奏曲  作者: アフロペンギン
白桃編
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第十八章「無限の愛とさえずり」

アフロ月です。

○○ロスという言葉を使う人がいますが、いざその立場になると、あながち間違っちゃいないんだなぁ。と、思いました。

 白桃編

 第十八章「無限の愛とさえずり」




「カサ。」


 イツキが艶っぽい声でカサを呼ぶ。


「な、なんだ?」


 戸惑うカサ。

 するとイツキは、戸惑いなど関係無いように、カサを抱き寄せた。


「しゃわ%はΔΘ≡ほれ!?!?!?」


 言葉にならないとはこういうことだが……カサはそれを自覚するほどの冷静さを持ち合わせていなかった。


「カサ……。」


 今一度、名前を呼ばれる。

 耳元で息が少しかかるくらいだ。

 くすぐったいと同時に、身体が火照ってくるのが感じられた。


「いきなり、どうしたのだ、イツキ。こ、こんなところを誰かに見られたら……その……。」


「構わない。」


 イツキは密着した身体を優しく離し、カサの顎をくいっと上げた。


「いいか?」

「何が!?何がだ!?」

「…………。」


 イツキは黙って、自身の唇をカサの唇へと近付ける。

 不思議と……拒めなかった。


「イツキ……。」


 唇を重ねて……カサとイツキは幸せを噛み締めた。




  ……INFINITYインフィニティ LOVEラヴ……




「おい。カサ。」

「…………え?」

「いや……。え?じゃなくて、起動源を壊したから、もう見張りは必要無いよ。」

「……あ。そ、そうだな!うむ、必要無い!」

「ああ……それじゃあ俺達も、戦闘開始といこうか。」

「任せてくれ!!」


 ……どうやら妄想の世界に入りこんでしまっていたらしい。

 気を引き締めねば。


「やけにテンションが高いな……エクステンドウルティマロングロングアゴーパフェかよ。」

「馬に例えられたのは初めてだ。」

「俺も、こんなに長い名前で例えたのは初めてだよ。」


 お互いに苦笑し、ふと目が合う。

 内心ドキッとするカサだったが、イツキの言葉を聞いて、その想いは胸の中に閉じ込めた。


「……カサ。死ぬなよ。」

「…………無論だ。」


 二人は武器を抜き、まだ見ぬ戦場へと足を向けた。



 ・・・・・・・・・



 夜街の街路樹・地下。


「誰も殺さない?」


 青い髪色の女性・スズメはそう聞き返した。


「ええ。イツキ様は……いえ、霧雨一行はそういう方々ですので。」


 答えたのはミノリだった。

 青の襲撃で、ミノリと日光、そして白猫は離ればなれになってしまった。

 偶然スズメの近くにいたミノリが、人質として連れてきたのだが…………。

 そもそも地下へと続く入口が見つかりにくい場所で、あまり人質の意味が無かった。


「この戦いに勝てば、何故青が戦いをしかけてきたかを教えてくれるのですよね?」

「私はそう言ったけど。」

「…………。」

「…………勝てないよ、あなた達は。」

「……理由がおありで?」

「まあね。」

「是非お聞かせ願いたいものです。」

「私がいるから。」

「…………。」


 ミノリは言葉を詰まらせた。

 察したのだ。

 今のは冗談ではない。

 本気で。自分がいるから勝てると。

 彼女は本気で言っているのだ。

 負けたくないと、ミノリは思った。


「相当な自信があるのですね。」

「じゃなきゃ賭けなんてしないよ。私のことをギャンブラーなんて言う人がいるけど、勝てる可能性が高い勝負しかしない堅実主義だから。」

「……私には関係ありませんね。私は仕える者を信じる。たとえそれが負けだと分かっても。」

「くだらないわ。どうであれ、私には勝てないよ。」

「自信家なのはいいですけど、高を括るのも程ほどに。」

「括ってないわよ。貴女も聞いたはずよ、さっきの私の言葉。」

「……。」


 そして……ミノリは黙った。

 そう。

 先程のスズメの言葉とは、ミノリやイツキの考えを言い当てた言葉である。

 スズメは一寸の狂いもなく同じ言葉を言い当てた。

 超能力ではないと言った。

 魔法でもない。

 これが予知でもなんでもないなら……それは、ただの先読み能力だ。

 この能力は、戦いでは恐るべき能力だ。

 単純に裏をかくことが出来る他、相手の動揺を誘い「崩す」ことが出来る。

 戦況を打破して有利な状況に持っていくことも可能だろう。


 …………スズメは堅実主義だと言っていた。

 しかし先読み能力はあくまでも状況や情報から予測しているだけ。

 それは賭けだ。

 しかしスズメは勝つ可能性の高い、つまり勝てる賭けしかしようとしない。

 堅実主義のギャンブラーというのが正しいだろう。


「貴女達の仲間に、深淵の箱庭の人がいるよね?」

「……そうですかね。プライバシーは守らねばならないので。」

「……まあいいや。私はね、ここまで予測してたの。」

「…………。」

「箱庭から、桃の国に来るのは、私には分かってた。だから、私はここに来た。」

「…………戯れ言を。」

「話してあげよっか?」

「結構です。」

「……ふーん。」


 スズメはそれから、一言も口を聞かなかった。

 ミノリも、何も言わなかった。

 地下室にいると時折、誰かの声が聞こえる。

 二人の耳に入るのは、そのただ微かに聞こえる喧騒だけだった。

こんにちは、アフロ月です。

萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。

いかがでしたか?

稚拙な文章で理解しがたいところがあれば、私の勉強不足です。申し訳ありません。

さて、十八章ですね。

ここにきて、カサが妄想好きという個性が出てきました。まあ、彼女も15の乙女なんですよね。

最後に、短いながら後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。

Thank You。

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