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萌葱色の変奏曲  作者: アフロペンギン
白桃編
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第十三章「ミノリ対白猫」

友人に、この作品をステルスマーケティングしてみました。

友人は白桃編の第二章第三章を読んで、「ドロドロしてる」と笑ってました。

まさか昼ドラ好きかお前。

 白桃編

 第十三章「ミノリ対白猫」




「ふっ……!!」


 居合い。

 それは日光が最も得意とする技術だ。

 今しがた斬った藁の束の上の部分が落ちる。

 残された下の束の断面は、まるで最初からそう作られたと錯覚してしまう程、綺麗に切り取られている。


「まだだ……もっとファストに。」


 しかし日光は不服なようだ。普通ならそこで満足してしまいそうな結果なのだが、日光の頭にはある光景が浮かび上がっていたのだ。

 クローバーで、エトと応戦したときのこと。

 彼が装備していた腕に傷を付けたものの斬ることができなかったのだ。

 傷を付けたのなら斬ったと解釈してもよいが、日光にとって斬ったというのは切断とイコールの関係なのだ。

 如何なる物も斬れるという愛刀、周章狼狽しゅうしょうろうばいの力を引き出してやらねば。その為には、もっと強くならねば。


「日光先生ー!!」

「……あれは霧雨と、えっと、茶々猫だったか?」


 日光は後方から聞こえた声に反応した。

 遠くに駆けてくる二人の姿が見える。

 イツキと茶々猫だ。

 その二人が日光のもとまでやって来ると、息を切らしながらこう言った。


「日光先生……出番です。」

「は?言ってることがラビリンスなんだが。」

「汝らの実力をみたいのだ。同盟を組む為にのう。」

「同盟?へっ、格好いいことしようとしてるじゃねえか。その勝負ライドするぜ。」

「では、ふぃーるどへと案内する。ここは狭いからのう。」


 そして……。

 10分後、外にある広場へと案内された日光とイツキ。

 地面には芝生がかかっており、触れてみると、どうやら人工芝のようだった。


「だだっ広い感じだな。」


 イツキが呟く。辺りを見回すが、確かに障害物は何も無く、適当に整備された広場なようだ。

 先に広場に向かってもらったカサ、ミノリ、白猫、黒猫が見えた為、4人のもとへ歩く。


「遅いぞイツキ。ウォーミングアップは済ませておいた。」


 カサが言った。カサは他3人と比べて滝のような汗をかいていた。


「お前、本当にウォーミングアップか!?一人だけ汗の量が比べものにならないけど……!?」

「?……そうだが。」


 何かおかしいかと首を傾げるカサ。

 ……え、なに?これ俺がおかしいの?カサがウォーミングアップの意味を履き違えてるんじゃないの?


「……なんだ?ジロジロ見るな。」

「そうだよぉ……ジロジロ見ていいのは私だけです~!!」

「そんなルールも無いですよ、白猫さん……。」


 割って入ってきた白猫にツッコミをいれたイツキは、溜め息を吐くとおもむろに着ていたジャージを脱ぎ始めた。


「な、なななな何をしているイツキ!?」


 慌てふためくカサに、淡々と説明する。


「いや、動きやすい服装がいいかなって。別に下は脱がないから。」

「あ、あた、あた、当たり前だろ!!突然だから驚いただけだ!!」

「あぁ、すまん。」


 イツキは黒いタンクトップ姿になると、腕を交差して伸ばし始めた。

 日光も、準備運動を始める。


「そういえばよ、制定はどうするんだ?」


 日光が茶々猫に言うも、茶々猫は何も分かっていない様子だった。


「茶々猫さん、多分ルールのことです。」

「あ、ああ……成程のう。」


 イツキが耳打ちでフォローすると、茶々猫は分かってくれたようだ。


「とりあえず実力をみたいからのう……勝ち抜きではなく、組合わせを決めて1対1で戦うかの。」

「デュエルか。俺は全員と戦いたかったんだけどなぁ……。」

「日光。うぬは相当自信家だのう。」

「フッ……。早く組合わせを決めようや。シャドウウルフの獲物はどいつだ……?」


 自信に満ち溢れた顔で不敵に笑う日光。

 左手で顔を覆うと、指の隙間から視線を覗かせる。


「キモい。」


 ミノリが呟いた。皆には聞こえていないようだが、イツキには聞こえていた。

 毒が強いなぁ……この人。武器は鞭みたいになるし、Sっ気でもあるのだろうか?

 イツキがそんなことを思っていると、黒猫が腕組みをして口を開いた。


「じゃあ、イツキさんと茶々猫。日光さんと私。ミノリさんと白猫。そんな感じでどうです?」

「私は?ナチュラルに私を忘れていないか?」


 カサが問う。


「……。」

「おい、黙るな。不安になる。」


 無言になる黒猫。

 まさか本当に忘れていたのか……イツキも不安になる。


「なら、私とやりましょうかぁ。」


 白猫が言う。


「しかし、ミノリと戦って消耗するのではないか?」

「すぐ終わりますからぁ、大丈夫ですよぉ。」


 プチッ。


 その時、何かが切れる音がした。

 ミノリの目が光る。


「ククッ……ふはは!!!面白い……!!!」

「ミノリ、キャラ変わってるぞ。」

「では、第一試合を始めましょうか。ミノリさん、白猫。」

「よっしゃああああ!!」

「早速ですねぇ。」

「いや、だからキャラが変わってるって。ミノリー?」


 聞く耳を持たず、ミノリは走っていった。

 お互いに距離を取り、ミノリと白猫は向かい合う。

 白猫がニコニコと笑っている一方、ミノリの形相は……なんというか崩れている。イツキとカサは、あまりの恐怖に怯えていた。


「あばばばばば……。」


 肩を抱き合い震える二人。

 そんなことは気にもせず、黒猫は声を張り上げた。


「勝負は、どちらかが戦闘不能になるまで。もしくは勝負ありと判断される状態に陥ったとき。よろしいですね?」

「ああ。」

「はぁーい♪」


 黒猫が左腕を掲げる。


「では……戦闘開始!!」


 黒猫が左腕を降り下ろすと同時、ミノリは脇差しを抜きつつ接近した。脇差しはすぐに鞭のようにしなる。


「先制攻撃は頂きます。」

「召し上がれぇ♪」


 ミノリがしなる脇差しを振り、それが白猫の腹部へと迫る。

 しかし。


「遅いですよぉ。」

「なっ……!?」


 白猫はその脇差しを『蹴り落とした』。そのまま脇差しを踏む。


「脚……!?」

「ええ。私は脚を武器としてます。」


 地面にめり込んだ脇差しを引こうとするが、白猫が踏みにじっているため、引き抜けそうにない。


「退いて下さいませんか?」

「元に戻せばいいんだよ。」

「では。」


 ミノリが、脇差しを引きつつただの脇差しへと変貌させると引く勢いを利用して回転斬りを放った。

 それを屈んで避ける白猫。


「はあっ!!」


 ミノリはさらに回転を利用して蹴りを放つ。しかし、今度は跳んで避けられた。


「付け焼き刃かなぁ?」


 ミノリが上を向くが遅い。

 白猫は右脚を振り下ろしてかかと落としを決めた。


「っ……!!」


 ミノリの左肩に激痛が走る。


「甘いですよ……!」

「うわっ……!?」


 ミノリが白猫の右脚を掴む。バランスを崩した白猫は、左足で着地した。

 ミノリがそのまま距離を詰める。


「ちょっ、ミノリ!?何やってるんですかぁ!?」

「はい?」

「これじゃ反撃されますよぉ!」


 白猫が右脚に力を込め身体を浮かせる。

 それを主軸にして、左脚で蹴りを放った。


「だからですよ。」


 待ってましたと言わんばかりに、ミノリは蹴りが入るであろう場に脇差しを持ってきていた。

 刺さると思った白猫の蹴りは、空を切る。

 するとミノリが、掴んでいた右脚を放した為、白猫は空中でバランスを崩してしまう。

 狙うは着地。


「おっと……。」


 不安定ながら両足をついて着地する。背中を見せている。今だ。


「隙がありますよ。」

「なくしますよぉ。」


 白猫はバク転で反撃。

 ミノリは距離をとらざるをえなかった。


「ちっ。」


 地面を滑り後退すると、ミノリは再び脇差しをしならせた。


「お、おお……。」


 傍観していたイツキは感嘆の声を上げた。


「白猫さん。ミノリさんについていってるのか……。ってかミノリさん、舌打ちしたぞ……。」

「あやつはただの女好きではないからのう。」


 茶々猫が歩み寄る。

 ただの女好きではないだって?


「それってどういう……?」

「街路樹のトップ3だからのう。あやつが何故手を使わず脚を武器にしているか分かるか?」

「さ、さあ……?」

「少しは考えたらどうだ。あやつはな、揉むためだ。」

「……は?」

「女の胸を揉むために、手を汚さぬようしてるのだ。」

「なにそれ!?くだらねぇ!!」

「しかし、ここまで上り詰めた実力は本物だからのう。」

「は、はあ……。」


 なんとも……言えない。

 確かに実力があるのならそれでいいのかもしれないが……。理由が理由だしなぁ。


「あ。」


 今のは白猫だ。漏れでたと言った声だったが……。

 余所見をしていたイツキが見てみると。


「捕まえました。」

「捕まりましたぁ。」


 いつの間にか、ミノリが脇差しで白猫の身体を縛っていた。いや、巻き付けていたと言った方が正しい。

 さらにミノリが脚で首を絞めて固めていた。


「そこまで!!」


 黒猫が声を張り上げた。

 勝負あり、ということだろう。

 ミノリは直ぐ様、絞めから解放してあげた。


「ふぅ……。どうですか、白猫様?」

「うへへ……うへへへへへぇ……。」


 顔を見ると、なんとも幸せそうな顔をしていた。涎を垂らして、頬を赤く染めている。


「……。」


 ミノリは黙って戻ってきた。一瞬顔がひきつった気がしたが、気のせいだろう。


「お疲れ様です、ミノリさん。」


 声をかけると、ミノリは軽く会釈をし、そのまま横を通り過ぎていった。


「あっ、どこに行くんですかー!?」


 気になって問う。ミノリは立ち止まって振り向かずに、


「手を洗うだけです。」


 と言って歩き出した。

 それならいいやと、イツキは皆の方に向き直った。







「はあ……白猫様のかかと落とし、中々効きますね……。折れてはないようですが……奉仕に支障をきたすかもしれませんね……。」


 ミノリの声は誰にも届かなかった。否、届けなかった。

こんにちは、アフロ月です。

萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。

いかがでしたか?

稚拙な文章で理解しがたいところがあれば、私の勉強不足です。申し訳ありません。

さてさて、十三章……一対一での勝負が始まりました。

白猫の戦闘スタイルは、いつか使ってみたいと思ってましたので活躍させてあげたいなぁ……。

続く第十四章では、第二戦目が始まります。

日光対黒猫。

どうなるのでしょうか。

最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。

Thank You。

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