第十二章「桃色の猫達」
どうも、アフロ月です。
いざ設定や話を掘り返してみると、ドロドロしてる箇所が何ヵ所かありました。
別に昼ドラを目指しているわけではないのですが。
白桃編
第十二章「桃色の猫達」
「いかんのう……座り心地が悪いのう……。」
「はっ!只今調整いたします!!」
10代前半くらいに見える背の低い女の子の尻下で、四つん這いになり椅子として生きる男が一人。傍らでは女性四人が談笑していた。
桃の国傭兵育成機関「夜街の街路樹」。2㎞四方の土地に、まわりを塀で囲まれて中央の御殿に似た建物がそれだ。
街路樹内の、ある一つの部屋にその者達がいた。
夜街の街路樹には、「三毛猫」と呼ばれる三人の女がいる。自由をウリにしている機関で、実質的に街路樹の権限を持っているのが彼女達だ。
「いいなぁいいなぁ~、茶々猫ちゃんに座ってもらえてぇ……。」
眼鏡をかけ、明るい茶色の髪をした女性。椅子に腰かけているものの、重心を前にテーブルによりかかっている。
その目は恍惚としている。
「下も喜んでいるようですし、ああいったのをwin-winな関係というのですよ。白猫様。」
「そうなのミノリ?」
「ええ。」
白猫と呼ばれた女性の後ろにいたメイド、ミノリに問う。答えるとほぼ同時か、四つん這いになっていたイツキはミノリを見ながらこう言った。
「断じて違う。」
「こら、誰が喋ってよいと言うたのだ。」
「はぁ……すみません。」
「だから喋るな!」
「……。」
「そういうときは謝るのが礼儀だ!」
「どっちだよ!!理不尽じゃねえか!!」
イツキの上で脚を組み、偉そうにする女の子は茶々猫と呼ばれている。赤い髪に獣の耳のようなものが生えており、大腿部までしかない丈の着物を着て綺麗な脚をしている。
「イツキさん、そういうときは、すまんのう……と謝ればよいのです。」
「す、すまんのう……。」
「喋るな言うとろうに!」
「騙しやがったな黒猫さん!!」
「まだまだですね。」
そう言って、黒髪の女性はカップ内の珈琲を飲んだ。今しがたイツキをからかった黒猫と呼ばれた女性。
少しぼさついた短髪で、気だるそうな目をしているのだが、ここの金銭関係や経営を任されているのは彼女らしい。
「すまない、うちの者が。」
「いえ、カサさん。あなた方は御客様ですからね。」
「そうですよぉ~しかも可愛い子ばかりでぐへへへぇ……。」
「涎が垂れている、白猫。」
黒猫は白猫の口元にタオルを押し当てた。
「ごめんね黒猫ちゃんぐへへへぇ……。」
「げっ、手についた。」
和気藹々としたムードに、何故だかイツキは少し泣きたくなった。
「泣いてよいのだぞ?」
「遠慮します。」
「ならよいのだがのう……。」
茶々猫は脚を組み直す。
「ってか喋っていいんすか?」
「よい。」
「……アンタって人が分かんないよ……。」
「たった数時間で理解出来るはずなかろう。」
「まあそうなんですけどね。」
イツキはとても深い溜め息を吐いた。
「ときに……。」
茶々猫は低いトーンの声を出した。先程とは打って変わった声に、イツキは訝しげな顔した。
「青が攻めてきたというのは事実かの?」
「事実です。」
「妾にはそういった情報が入ってきておらぬのだが……。」
「情報の遮断がされてますから。まずラジオは使い物にならないですね。」
「ラジオ?まず、そんなもの使わんからのう……。それで汝らは、ここに何をしに来たのだ?」
「警告と協定です。」
「警告は分かるが協定?」
「都市が没落し、緑の国はもう青の領域です。桃の国が同じ運命を辿らないよう、協力しませんか?」
「同盟を組みお互いを攻撃せぬ、と?」
「はい。」
「……妾は損得を考慮するからのう……。そこはどうなのだ?」
「その点に関しては……何も言えません。俺はしがない生徒ですから。」
「……ふむ。」
茶々猫はその言葉を皮切りに黙り込んだ。
……そもそも国家間の戦争を禁じられているので、青の国殲滅を余儀無くされるはずだ。直に情報が行き渡り、世界中が青を消す為行動に移るだろう。
それが少し早いか遅いかの違いである。
「本当に情報のせいだけかのう……。」
「え?」
黙っていたと思えば、いきなり何を言い出すのか。
「思うたのだが、本当に青だけが敵なのか?」
「……嫌な事言いますね。」
「青が他国と同盟を組んでいないという証拠は無いからのう。例えばの話をするが、もし紫が青と同盟を組んでいたとする。それならば緑以外を同時に襲撃できるのだ。」
「同時襲撃か……確かに二つなら、一つずつ他国を相手取ることが可能。情報遮断だけではなく他も緑と同じ状況に陥っているなら、法律が適用されないのも頷ける。」
「もし青と同盟を組んでいる国が多いならば?」
「中々勝機を見いだせない……か。」
「賭けだのう。」
「賭けですね。」
「ならば……。」
茶々猫はイツキから降りて人指し指をクイクイッと数回折り曲げた。
立てということだろうか。
イツキは膝に手をつき、立ち上がった。
これでいいかと茶々猫の顔を見ると、その顔はニヤニヤと不敵に笑っていた。
「なんすか。」
「やはり、ここは勝負をせぬとな。同盟の最低条件として汝らの実力をみたいからのう。」
「成程。今からですか?」
「無論だ。早い方がお互いに都合がよかろう。」
「ですね。」
こんにちは、アフロ月です。
萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
稚拙な文章で理解しがたいところがあれば、私の勉強不足です。申し訳ありません。
ついに桃のメンバーと接触したイツキ達。
同盟を組みたいと申し出ましたが、どうやら彼女は実力が見たいようです。
……ということは、続く第十三章はバトル展開……?
…………戦闘描写は少々苦手なのです。
最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に、感謝を込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。




