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萌葱色の変奏曲  作者: アフロペンギン
白桃編
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第九章「謝罪は侮辱」

どうも、アフロ月です。

私は手が冷たい方なのですが、これは心が温かいということでいいのでしょうか?

昨日意地の悪いことをしたけどなぁ……。

 白桃編

 第九章「謝罪は侮辱」




「はぁっ……はぁっ……ミノリ……!?」

「ご無事で何よりです。……日光様。」


 四人の中で、一番に駅に着いたのは日光だった。

 駅の入口近くにいたミノリを見つけ、声をかけたのだ。


「他は……カサかサゴか霧雨は来ていないのか!?」

「ええ、その御三方なら見かけていませんが……。どういった状況で?あっ、これ切符です。」

「感謝する。エトが来るってんで、一斉にランナウェイして来たんだが……誰かキャプチャされたかもな。」

「……そうでしたか。桃の国行きの汽車は、もう間もなく5番乗り場から出ますよ。」

「じゃあミノリ、乗ってこい。俺が待つ。」


 日光は、ミノリが持つ人数分の切符を受け取ろうと手を出した。


「いえ、日光様は先に……あっ。」


 拒否するも、日光は無理矢理切符を奪い取った。


「レディーファーストだよ。行ってこい。」

「強引ですね……嫌いではないですが。」

「そりゃどうも。待つのは慣れてるから大丈夫だ。」

「…………。日光様、貴方に……一つ聞きたいことが……。」

「あん?……後にしてくれ。霧雨が来てる。」

「ミノリさんっ!?」


 イツキが遠くに見え、叫んだことにより、会話は中断された。駆けてくるイツキは息を切らしながらも一生懸命に走ってきていた。


「イツキ様!!後ろ!!」

「分かってる!!」


 ミノリが叫んだ。イツキの後方では、エトが追いかけてきていたのだ。


「エトの野郎……まだカサとサゴが来てないってのに……!」

「っ!いえ、お二人ならあそこに。」


 イツキよりはるか手前の路地から、二人が身を出した。イツキの状況に気付き、二人も駅に駆け出す。


「ミノリ!!日光!!」

「無事でよかったッス!!」


 ミノリ達のもとに着くと、二人は日光から切符を受け取った。しかし……。


「あれ?……これ、一枚足りないッスよ?」

「ええ。私のは買っていません。」

「「「はあ!?」」」


 驚愕の表情を見せる日光、カサ、サゴ。

 すぐにカサが問い詰める。


「ミノリは最初から残るつもりだったというのか!?」

「ええ。」

「馬鹿!!ヒラメが悲しむだろう!!そんなことさせぬ!!!」

「しかしこの状況……誰かが囮にならなければいけないでしょう?」

「それは……そうだが。」

「ですから私が。」

「いや、俺が行くッス。」


 口を開いたのはサゴだった。サゴは自身の切符をミノリに手渡した。見かねたカサが問う。


「何故だ、我が兄よ。」

「日光さんを護るためにあいつの攻撃を受け止めたとき……右手やっちゃったぽいんッスよ。」


 苦笑するサゴ。

 目を見開いたカサは、サゴの右手を見る。その手は赤く腫れていた。


「なっ……!!」

「感覚が無くなってきてるッス。足手まといは嫌ッスから。せめて囮で……、イツキさんの役に立ちたいッス。日光さん、イツキさんの分の切符を。」


 切符を受け取り、サゴは歩いてイツキのもとへ向かった。


「嫌だ……ダメ、お兄ちゃん!やめて!!私と一緒に行こう!?」


 途中、今にも泣き出しそうなカサは、サゴの腰から腕をまわし抱きしめる。しかし、サゴは締められた手をほどいた。


「お兄ちゃん……私を置いてかないでよ。もう嫌だよ、置いていかれるのは……。」

「いや、どっちかというと置いていかれるのは俺ッスよ。」


 サゴは体ごと振り向き、カサの頭を軽く撫でた。


「兄の威厳、そして男の覚悟を見せてやるッス。ほら、もう行くッスよカサ。」

「………………うん。ちゃんと帰ってきてね。絶対に帰ってきてね。」

「……もう一回。」

「帰ってこいよ馬鹿兄!!!」


 サゴが今一度頭を撫でると、カサは一粒の涙を流してミノリ達のもとへ駆けた。


「行くぞ!!!ミノリ、日光!!」

「かしこまりました。」

「おう。絶対に振り向くなよ。」

「分かっている!!!」



 本当は分かってなんていない。男の覚悟ってなんだ、ただ馬鹿なだけじゃないのか。……一生分からないかもしれないが……。

 信じよう。我が兄なのだから。



 駅構内へと消える三人。

 それを確認してサゴが正面を向くと、イツキらは10メートル程の所まで来ていた。


「サゴ。」

「はい。」


 ふてぶてしく笑うサゴは、走るイツキに切符を手渡した。


「ごめん。」

「この状況。謝罪は侮辱ッス。」

「……ごめん。」


 横を通り抜ける際の会話。たった一瞬の会話で、イツキはサゴの気持ちを理解出来たわけではないが……その覚悟。無駄には出来なかった。


「また会ったな。……カサだったか?」

「それは妹ッス。」

「そうか。まあ、関係ねぇか。」


 エトの拳がサゴを捉える。

 かなりの衝撃に短剣は折れ、腕の骨が砕ける感触。吐血するも……飛ばされることはなかった。


「へぇ……受け止めるのか。」

「っ……踏ん張れてよかったッスよ……!!猪突猛進じゃないんッスから……ふぅ……通すわけにゃいかねッス!!!!!」


 足を止めるエト。


「気迫は充分だな。」

「……そもそも、何故イツキさん達を狙うんッスか?」

「長に言われた。」

「古城の長は物騒ッスね。」

「……なんとでも言え。世界を救うためだ。」

「……妹泣かせるようなことされてもね。」


 睨みあう両者。

 やがて駅構内に響くアナウンス。

 外にいたサゴにもハッキリと聞こえた。桃の国行きの汽車が間もなく発車する、と。

 サゴは顔色一つ変えなかった。

 数秒の後、汽車は行き先を告げられて走り出した。

こんにちは。そしてはじめまして。

アフロ月です。

萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。

いかがでしたでしょうか?

稚拙な文章で理解しがたいところがあれば、それは私の勉強不足です。申し訳ありません。

さて。第九章まで来ました。

まだ本編を読んでいない方にネタバレをしないように言いますと……あれはリタイアではありません。

守りたいがために決意して行動した結果です。

そのおかげで、イツキは……。うん。

女装させて変な方にいかなきゃいいけど……。

さ、最後に!後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……!!

また、お会いしましょう。

Thank You♪

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