第四十章「アホ二人…………二人?」
イツキ「アホ二人?何を言っているんだ、アホばかりだ、この一行は。」
桃の国解放戦線編
第四十章「アホ二人…………二人?」
「ただいまー!南鞠ー?ガウラさーん?」
ここは、桃の国にある隠れ家。
広い洞窟内では、霧雨イツキが叫んでいた。
留守番をしているはずの二人の名を呼んだのである。
「返事無いな……。ヒバリさーん?モチさーん?まぐろー?……………………ええー……。」
誰の返事も無く、少し寂しくなるイツキ。
「…………。イツキ。」
「なんだ、ハツガ。」
「人の気配が無い。」
「…………はい?」
共に帰ってきたハツガにそう言われて、イツキは首を傾げた。
「……いや、何を言っているんだ?まさかここが青にバレたって言いたいのか?」
「可能性はある。とりあえず駆け回ってみる。待ってて。」
ハツガが駆け出した。
「あっ……。…………うーん、俺もここら辺を見てまわるか。」
・・・・・・・・・
こちらは黄の国。
日光率いる日光一行は、黄の国傭兵育成機関『花園の踊場』へと訪れていた。
しかし……。
「……も、もう大丈夫です……ありがとうございました……。」
肩で息をしていた雨燕が、まだ少し苦しそうだが笑顔を送った。
「無理すんなよ。ここと緑の国は遠いんだ。何かあったら一大事だからな。」
「あはは……日光 群彰……貴方に心配されるとは……。」
「何かおかしいか?」
「おかしいですよ……。私達……仲悪いじゃないですか………………ふぅ、大丈夫です。行きましょう。」
顔色も若干良くなり、雨燕は立ち上がった。
「本当に大丈夫?」
紅が心配しているが、雨燕は軽く会釈をして「大丈夫」と笑った。
「……じゃあ行くか。長んとこに。」
日光の声に、皆は首肯した。
・・・・・・・・・
「ここが長の部屋です!」
案内役の獣人タレミミが、両手で扉を指す。
「おう。」
「な、なんだかローテンションです!?どうしたんですか!?」
「いや……驚く必要無いだろ?皆無だ皆無。」
「ぐぬぬ……!!」
「さっさと入らせてもらうぜ。」
日光は右手を高々と突きあげた。
そして肘から曲げ、扉を3回ノックした。
「はい。」
低い声が返ってきた。
「ちっ、男か…………第二のお客様、日光一行だ。突撃するぜ?」
「マナーがなってないです!良かったのは3回ノックしたくらいです!」
「突撃だごらぁ!!」
勢いよく扉を押し開けようとした日光。
残念ながら引き戸だった。
「…………。」
「日光様。」
「…………なんだミノリ。」
「ぶはっ。」
プチッと。
日光の中で何かが切れた。
ミノリを指差し叫ぶ。
「勝負だミノリ!!」
「良いでしょう。」
「ちょっと。第二のお客様?」
「あ?なんだ黄の長かよ!邪魔すんな!!」
「邪魔しないでください。」
「……。」
「今に分かったことじゃないですけど、この二人アホです!!」
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
不穏な空気が漂う桃の国。
対して緊張感の無い黄の国。
日光よ、お前もいい大人だろう。
では、またお会いしましょう。
Thank You。




