第三十六章「花園の踊場」
ミノリ「さあさあさあ!イツキ様!ドアを!ドアを開けてください!!」
イツキ「やだよ。何を企んでるんだ。」
ミノリ「ちっ……別のやつにやるか……。」
桃の国解放戦線編
第三十六章「花園の踊場」
黄の国へと入った日光一行。
黄の国傭兵育成機関『花園の踊場』への案内役として、一行はタレミミと出会った。
兎の耳、兎の顔、兎の体、人間サイズで二足歩行。
魔族の彼女に案内され、一行は機関へとやって来たのだった……。
「……ホワイ?なんで唐突にあらすじが入ってくるんだ、雨燕?」
「黄の国なのに桃の国解放戦線編だから。もしくは気まぐれですね。」
・・・・・・・・・
機関の形は国によって様々だ。
学校。
御殿。
仮想国……etc……。
そして、この花園の踊場はというと……。
「大木…………?」
雨燕が小さな声でそう呟いた。
見たことのないくらい大きくそそり立つ大木。
それだけでも驚くものだが、異様なのは葉だ。
蛍のように、ほのかな光が点滅を繰り返している。
「やべぇ……俺、鳥肌たっちまった……!!」
「私もよ、日光……。」
「私もですわ!」
日光、紅、ヒラメも口を開けて見上げていた。
「タレミミ様。もしかしてここが……?」
「はいです!ここが、黄の国傭兵育成機関『花園の踊場』なのです!」
ミノリですら驚愕している。
それほど黄の国は、他国とは一線を引くくらいの別世界感を漂わせていた。
「……おい、タレミミ。ここが機関ってことは……もしかして入れるのか?」
「勿論です!」
「ぐはっ!!」
日光が吐血した。
……リアクションがオーバーだ。
「タレミミ!費用は分かりますの!?」
「都市一つ買えますです!」
「かはっ!!」
ヒラメが吐血した。
何を聞いてるんだと思ったが、これには正直、雨燕も驚いた。
「それじゃあ中に入るですよ、皆さん!」
「「「「おおおおおおお!!!!!」」」」
テンションの上がり方が異常だ。
「何ですかこいつら……。」
ついていけない雨燕だった。
「まずは入口ですが……皆さんは、あちらのエレベーターを使ってくださいです。」
タレミミが指さした方に、木製のエレベーターがあった。
「皆さんは……というと、タレミミさんはどうするのですか?」
雨燕が疑問に思ったことを聞いた。
「私は登っていきますです!」
「……登って?」
「簡単ですよ~!」
手をひらひらさせ、タレミミは足に力を込めた。
「せーの…………ほっ!」
跳躍するタレミミ。
『とんでもなく』という言葉が似合うほど、彼女は跳んだのだ。
人間ではとても出来そうにない
「よっ!ほっ!」
何度も木を蹴り、身軽そうに登っていく。
タレミミはあっという間に入口らしきドアの前に着いた。
「皆さんも早く来るですよ~!」
上から叫ぶタレミミ。
「…………呆気に取られてる場合じゃねえ。行こうぜ。」
日光が言うも、皆、苦笑いをしつつ首肯した。
・・・・・・・・・
「じゃあ開けるぞ。」
エレベーターを使い、入口へとやって来た。
日光がドアに手をかけて開ける。
「くぱぁ。」
「やめろミノリ。」
折角のムードが台無しになったところで、彼らは広がる光景に……目を奪われはしなかった。
「驚かないです!?」
「いや……まあ、予想は出来たし。」
木の中に作られた部屋は、広さこそ大きいが、あまり衝撃は受けなかった。
この微妙な空気のまま、日光一行は中へと進んでいった。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
花園の踊場って、我ながらおしゃれなネーミングだと思っています。
褒め称えてもヨロシよ。
後書きまで読んでくださってありがとうございます。
Thank You。




