第三十章「風花20年」
まぐろ「ヒラメさん。」
ヒラメ「はい、どうかしましたの?」
まぐろ「大人の女について教えてください!」
ヒラメ「……聞く相手を間違っていますわ。」
桃の国解放戦線編
第三十章「風花20年」
「風花……?」
橙色の髪をした『それ』を見て、イツキは驚愕した。
魂の存在となったイツキがやってきた天の狭間という場所で出会った少女ケイト。
彼女に案内されて己の体を探しに来たのだが……。
見つけたのは風花の体だった。
自らを幽霊と言った彼女の体がここにあるとは……。
「……あいつ……本当に幽霊だったのか……。」
疑っていたわけではないが、これでハッキリした。
「イツキさん、お知り合いですか?」
ケイトがひょこっと顔を覗かせる。
「ああ……まあ。」
「人望がおありなんですね。20年以上前に死んでいる方ですよ?」
「20年……そうなのか……。」
長い間、ずっとあの雪原にいたのだろうか。
「…………もう少し、仲良くしようかな。でもまずは自分の体を探さないとな!」
自己完結したのはよいのだが、現世へ帰るにはどうすれば良いのかがイツキには分からなかった。
「ケイト。帰り方は?」
「自分の体が見当たらないとなると、まだ死んでいない植物状態に近いですので、自然と戻るまで待つしかないかと。」
「…………マジか。じゃあ時間は?こっちにいる間は時間の流れが遅かったり……。」
「しませんね。同じです。こちらで1日経てば、あちらでも1日経ちます。」
「…………そうか。」
頭の痛い話だ。
要するに何も出来ない。
ただ時間が過ぎるのを待つしかないのだ。
「…………あれ?イツキさん。」
何かに気付いたケイトが、口を開く。
「どうした?俺がイケメンだってやっと気付いたのか?」
「いえ。体がぶれてますよ。もうすぐ戻れます!」
「え?」
慌てて確認すると、確かに腕や脚がゆらゆらと波打っている。
「短い間でしたが楽しかったです、またいらしてくださいね。」
「あはは……まあ、考えておくよ。」
そこで、イツキの意識はフッ……と途絶えた。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
死んでなかったね!よかったね!
さあ!現世に戻るぜ戻るぜ!
読んでくださってありがとうございます!
Thank You。




