第二十六章「視界」
まぐろ「かー!めー!はー!めー!」
イツキ「……いやいやいや!ちょっ、待て!そういうこと言っちゃダメだって!社会的に死ぬ!!」
まぐろ「るぅぅぅ!!!」
イツキ「良かったぁぁ!!」
ヒラメ「何ですの、この茶番は。」
桃の国解放戦線編
第二十六章「視界」
音がする。
…………弾けるような金属音だ。
声もする。
…………息が荒れているが、男の声だ。
女の声もする。
笑っているようだ。
ハニートラップにでも引っかかった男がいるのだろうか。
金属音は……ま、まあ、何でもいいだろう。
何かのアイテムだ。うん。
「…………ん……。」
視界が暗い。
目を瞑っているから当たり前だ。
体が揺れている。運ばれているのだろう。
声や音が遠ざかる。
気を失っていたらしき私は、うっすらと視界に入った雨で濡れた地面を見て、もう一度気を失った。
・・・・・・・・・
「おー!見てよまぐろちゃん!温泉だぞー!」
「え?……本当ですね……何故こんなところに……。」
「…………うん……。」
「隠れ家なら、お風呂があっても不思議じゃないよ。」
「それもそうですね。」
「…………うん……。」
茶々猫の隠れ家で、まぐろ、南鞠、ガウラの三人が探検をしていた。
「…………入らないか?」
「ダメですよ南鞠ちゃん。茶々猫さんに許可を貰わないと。」
「ちぇー!いいじゃんか、どうせバレないよ!」
「間違った入り方をすると溶ける……なんてことがあるかもしれませんよ?」
「怖っ!!じゃあやめるかー……。」
「………………。」
すると、ガウラが両膝を突いて温泉の匂いを嗅ぎ始めた。
「…………。」
『おともだち』を持っていない方の手を、お湯の中へ突っ込む。
「ちょっと!?ガウラさん大丈夫ですか!?溶けてませんか!?」
「…………。」
こくんと頷くガウラ。
確かに右手は溶けていないが……。
「ちゆちゆ。」
「え?」
ちゆちゆ?……どこかで聞いた単語だが……。
「……なんだよまぐろちゃん、考え込んでるけど、知ってるの?」
「どこかで聞いたことあるんです………………あっ。」
「おー!思い出したんだな!」
「は、はい。あれは緑の国での事でした。怪我をした方達の為に、茶々猫さんが持ってきたお湯です。これを使うとすぐに怪我が治るんですよ。」
「す、すげー!……でもそれじゃあ、入る理由がないな。」
「そうですか?治癒効果以外は普通のお風呂ですから、茶々猫さんが帰ってきたら入れるように頼んでみましょうか。」
「やったー!」
両手を高々と挙げる南鞠。
……意外とお風呂好きなのかもしれない。
つられて笑顔になるまぐろだったが、一つ気になることがあった。
「そういえば、南鞠ちゃんはお風呂の時にいなかったりしますよね。いつもどこに行ってるんですか?」
「んー?色々だよ色々ー。」
「は、はあ……色々ですか。」
「次はあっちの方に行ってみようよ!まぐろちゃん!」
「そうしましょうか。ガウラさん、行きましょう。」
「……。」
ガウラがこくりと頷き、南鞠探検隊はまだ見ぬ物を求めにいくのだった。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
ブックマークも増えてきており、とても嬉しい所存でございます。
南鞠探検隊に私も入りたいです。癒されたいですわ。
後書きまで読んでくださってありがとうございます!
Thank You。




