第十九章「吹雪・海の舞」
白猫「ふふーん。これを見て茶々猫ちゃん!」
茶々猫「なんだこれは。妾の顔を模したぬいぐるみか?」
白猫「そーだよー!これがあればどんな場所でも眠ることが……できる…………ぐー……。」
茶々猫「おお!凄いな白猫!」
黒猫「いや、引けよ。」
桃の国解放戦線編
第十九章「吹雪・海の舞」
「秘技!かかと落としー!」
「そんなもんが秘技なのか?」
白猫のかかと落としを受けるエト。
公園の本来の使用用途が分かっていないのでは……と、本人達でもそう思う程、公園は荒れていた。
白猫は脚技を使い、まるで地上を舞うように戦っている。
かかとがエトの機械腕に接触すると、衝撃が広がった。
「ぐうーっ……!!」
「結構……効くじゃねえか……!!」
「へへ……ありがとうー……!!」
白猫は脚に力を再度こめて、ふわりと体を浮かせると距離をとった。
「では妾が。」
駆けてきたのは茶々猫。
体の小さな茶々猫は、ちょろちょろと動きまわり撹乱する。
「意味無ェよ。」
エトは体を回転させて、広範囲攻撃を仕掛けた。
「ぐっ……!!」
「茶々猫ちゃん!」
腕に衝突し、茶々猫は吹っ飛んだ。
地面を転がり、うめき声をあげる。
「ぅ……ごほっがはっ!」
「茶々猫は下がっていてください。」
さらに咳き込む茶々猫を庇うのは、黒猫。
黒スーツを着た彼女の武器とは……。
「…………何も持ってないのか。」
「持つ必要が無いのですよ。」
不敵にニタリと笑う黒猫。
いつも無気力なその瞳は、水晶のように黒く透き通っているが……今は逆に不気味に感じられた。
「吹雪を御存知ですか?」
「あん?…………猛る雪のことか?」
「いいえ。私達三猫の戦闘術です。」
「戦闘術?」
「はい。茶々猫が空で。白猫が地で。舞いを連想させる戦い方を、吹雪と名付けました。」
「へえ……じゃあアンタは海ってところか。でもここは公園。海なんてありゃしないが。」
「正解です。海なんてありません。ですが水なら……有り余る程降ってきますから。」
「雨を使うのか。」
「正確には雨でも使える。が正解ですね。」
黒猫が手をくるりと回した。
弧を描いたところで、手のひらに水滴が収束された。
「魔法の類いか?」
「いえ、残念ですが、そのような芸当は持ち合わせていません。今の動きは雨を掬ってみせただけです。本来は……。」
黒猫がまたも、手で弧を描いた。
だが、手のひらをエトの方へと向けている。
勢いよく押し出すと、細かい雨粒がエトに向かっていった。
「!?」
機械腕で弾くと、僅かにキィンと音が出た。
「ただの水でこんなこと出来るのかよ……。」
「ええ。あまり、水をなめてはいけませんよ。」
……黒猫が舞を魅せるようだ。
白猫と茶々猫は邪魔をしないように後退した。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
三猫の戦い方は吹雪と名付けられた舞を連想させる戦い方なのですが……まったくもって猫と関係ありませんよね。
はい。
ではー。また会いましょうー。
Thank You。




