第十六章「緑黒青三つ巴」
イツキ「そういえば、カサは黒の国傭兵育成機関に入ってたな。」
カサ「うむ。スギネさんに言われてな。」
桃の国解放戦線編
第十六章「緑黒青三つ巴」
「うわっ!?」
イツキが放つ突きが、サゴの脇腹を掠めた。
「危ねッスよ!」
「そりゃあ本気でやってるからな。」
体を回転させ、サゴの左手の剣を弾き、右手の剣を打ち落とす。
「なっ!?」
すかさずサゴの腹に膝を入れる。
「がっ……ぁ!!」
後ろへ倒れこむサゴ。
追撃は……ない。
イツキはカサの方へ向かっていった。
「こちらか……!」
カサが身構えて、イツキを迎えうつ。
イツキは駆けながらレイピアを投げた。
「……!」
まさかの行動に驚き、微弱だが反応が遅れた。
槍で防御し、レイピアの一撃を防ぐもイツキに懐に入られてしまって。
「槍はこの至近距離じゃ不便だろ?」
「ぐっ……!」
イツキが正拳突きの構えをとった。
「雨拳銃。」
「わぁっ!?」
転がり避けるカサ。
直ぐにイツキを見ると、もう目前まで迫って来ていた。
「はやっ……!!」
イツキが槍を掴み、槍ごとカサを放り投げた。
「ぐっあ……!!」
ゴロゴロと転がるカサ。
「…………。」
イツキ対カサ対サゴ。
突如として始まった三つ巴にして、無双しているイツキ。
一切反撃を受けないままカサとサゴを相手にしているのだ。
「……ふぅ。」
一つ息を吐き、イツキはレイピア『十六夜』を拾い腰に納める。
「……サゴ。お前がしようとしている事があるよな?だが、足りない。経験も実力も。」
「…………。」
悔しそうに歯噛みするサゴ。
「そしてカサ。……まだ、俺の横には立てない。自分の実力が分かるか。」
「…………。」
「……何で俺がこんなことをしなきゃならないんだ?従えとは言ってない。だが相手の意見を受け入れてみる器を持っておけ。」
「…………だが……。」
反論するのはカサ。
「だが、私は……!私は兄の為に……!!折角会えたのに……!!」
「ああ。俺だってそうだ。でもあいつは道を見つけた。俺は……正直間違っていないと思う。」
「イツキ!!」
「だからこそ新しい道を見つけた。」
「新しい道……?」
「今までは緑の為に戦っていた。でも、違う。それだと悲しむ人が増えるだけだ。だから俺は世界の為に戦う。青の罪無き人も救ってみせる。」
その瞳はまっすぐにカサを見つめていた。
一点の曇りも無い瞳だった。
「サゴのおかげで見えてきた道だ。」
くるりと回って、イツキはそう言った。
「イツキさん……。」
「だからサゴ。戻ってこい。俺とお前が戦う意味は、今無くなった。」
「…………。」
サゴはフッと笑った後、徐々に込み上げてきた笑いに耐えられなくなった。
「あっはっはっ……!流石イツキさんッスね……。やっぱり敵わないッスよ。」
「……お兄ちゃん……。」
「すまねッス、カサ。妹を傷付けるなんて、兄失格ッスよね。」
「そ、そんなことない!私も……お兄ちゃんを傷付けたから……。」
「じゃあ、おあいこって事ッスね。」
「うん!」
霧雨一行に戻ってきたサゴ。
そして見つけた新たな道。
激しさを増す解放戦線の戦いはどうなることやら。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
いきゃぎゃでしたか?
圧倒的差を見せつけたイツキですが、やはり3ヶ月前とは実力差ができているのでしょう、
また表を作らないといけませんね。
無論、考察してもヨロシよ。
それでは、後書きまで読んでくださってありがとうございます。
Thank You。




