第十三章「サゴの記憶」
ヒバリ「アタシの名前ってどっかのヒルズみたいだよな。」
イツキ「え?」
桃の国解放戦線編
第十三章「サゴの記憶」
「また遊ぶんッスか……。」
「うん!」
青の国傭兵育成機関『海底の古城』で、サゴはヒナの部屋に呼ばれていた。
「でもね、でもね、その前にヒナ、サゴとケーキが食べたいんだ!」
「…………ケーキッスか……?」
「うん!一緒に食べたことあるよね?」
「そう言えばそうッスね。」
緑の国に居たとき、クローバーの町で一緒にケーキを食べたことがある。
その時は、妹のカサも居た。
「…………はは、懐かしいッスね。じゃあ行ってみるッスか?」
「うん!」
古城に来て二週間。
当初青に入れと言われた時には驚愕した。
勿論断った。
そうなるとすぐに追い出されそうなものなのだが、ヒナの遊び相手として、エトやオナガが残してくれたのは有り難いことだった。
無事に帰れるとは思えないからだ。
「ん?どこか行くのかね?」
部屋を出ようとしたところ、オナガが出入口に立っていた。
オナガは古城の女医である。
「うわっ!?」
「驚かせてすまないね。で、何処に行くんだい?」
「ヒナちゃんがケーキが食べたいと……。それで買いに行こうとしてるッス。」
「ん、そうか。……では、私の用件は後でいいか。」
「すまないッスね。」
「ん、いいんだ。…………ヒナ、あまり迷惑はかけるな。」
「うん!行ってくるねオナガ!」
オナガに見送られ、ヒナとサゴは町へとくり出した。
・・・・・・・・・
「……。」
古城があるのは、青一番の都市『積乱雲』。
規律を重んじる緊張した空気が漂う町だというサゴの予想とは裏腹に、活気付いた町だった。
「何だか変な感じッスね……。」
「え?」
「どういうことだ?」
「いや……こう、もう少し重苦しい空気と思って…………って、何でオナガさんがいるんッスか!?」
「ん?」
見送ってくれたはずのオナガが何故か後方に居た。
隣を歩いていたヒナと同時に驚くサゴ。
「オナガさん何やってるんッスか…………。」
「何って……。私もお茶しようと思ってね。丁度良いと思ったのだ。」
「……それならそうと言ってくれッス……。いきなり後ろから声をかけられると、びっくりするじゃないッスか。」
「ん。すまないね。」
悪びれた様子も無く、オナガは謝罪の言葉を口にした。
「……まあ、いいッス。色々聞きたいこともあるッスから。」
「ああ。……ではまず、お洒落なカフェでも探すとしよう。」
・・・・・・・・・
「ヒナね、ヒナね、これとこれとこれ!」
「では私は紅茶にしよう。」
「……えっと、俺はこれで。」
お洒落なカフェを見つけて、三人はテーブル席に座った。
注文をし、各々の料理(?)が運ばれてくるまで、サゴはオナガに様々な事を尋ねることにした。
「オナガさん。色々聞きたい事があるって言ったんッスけど……いいッスか?」
「ん。いいだろう。」
「青は……自分達が何をやっているのか分かっているんッスか?」
「ああ。理解している。私達は純粋に世界が欲しいのだ。」
「国民は?何が起こっているのか理解出来てるんッスか?」
「いや、出来ていないな。ラジオで放送した通りだと思っている。」
「…………じゃあ、もしここで啓発なんてしたら?」
「疑う者も出てくるのではないか?……まあ、青はすぐにキミを消しにかかるだろうが。」
「お……おお……怖いッスね……。」
ここで、紅茶が運ばれてきた。
オナガは「ありがとう」と礼を言い、一口啜った。
カップを置いて口を開く。
「嘘でも脅しでもないことは覚えておきたまえ。」
「……分かったッス。」
さらに、ヒナが頼んだケーキとサゴが頼んだドーナツが運ばれてきた。
「聞きたい事はそれだけかな?」
「いーや、まだまだあるッスよ。」
「いいだろう。時間はある。ゆっくり聞かせてあげようじゃないか。」
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか……ッス?
活力大事と最近思っています。
何かをするのに辛いだけでは続きませんからね。
この小説が皆様の活力になりますように……。
それでは!
Thank You。




