第十一章「兄妹として」
ヒバリ「ちょっ、何この雰囲気。」
桃の国解放戦線編
第十一章「兄妹として」
「おらぁ!!」
刀で一閃。
一部戦場となった桃の国で暴れていたのは、ヒバリという女性だった。
霧雨一行という反抗組織に加入したヒバリだったが、彼女と行動を共にしていたイツキ、カサはこの戦場でとある人物に出会った。
久々の再会らしいので、ヒバリは邪魔しないよう、又されないように一般兵と戦っていた。
「ったく……陰の支援を忘れんなよ……生きて帰ったら何か奢ってもらわなきゃな。」
・・・・・・・・・
「そこ、甘いッス。」
「わざとだよ!!」
当人のイツキとカサは、再会し、敵となっていたサゴと戦闘を繰り広げていた。
扇型の双剣を巧みに扱うサゴは、隙をみせたイツキの懐に入ったのだが……。
「三葉崩し!」
イツキの罠だったようで、双剣の一撃を受け流されて体勢を崩された。
「くっ……!」
「うおおオオオ!!」
一撃を加えたのはイツキだった。
自身のレイピア『十六夜』の突きが左肩に決まった。
「ぐぅっ……!!」
慌てて距離をとるサゴ。
イツキは必要以上に追いかけなかった。
「はぁ……はぁ……!やっぱり甘いッスね……ドーナツみたいッス……。」
「……何かに例える余裕はあるのか。まあ、甘いのは否定はしないよ。」
「……ヒバリを加入させてるくらいッスからね……。」
「まあな。今なら戻ってきても許すけど?」
「……遠慮するッス。」
「そうか。……じゃあ、もう一度いかせてもらうから。」
「待てイツキ!!」
と、イツキを制したのは。
「カ、カサ?」
「交代してくれ。」
「え……。」
歩みより、カサはイツキの前に出た。
背を向けて話すカサの背中は、小さく見えた。
「我が兄とは私が戦う。」
「なっ……無理するな!!お前とは戦ってほしくない!!」
「頼む。ぶつかりたいのだ。我が兄だから。」
「カサ……。」
任せるべきか。
気持ちを尊重してあげたいが、私事と公事を混同するのは良くない。
妹だからだと前に立たせるのは気が引ける。
…………でも……。
「……いけるのか?」
「馬鹿にするな。兄妹喧嘩ならよくしていた。」
「…………分かった。」
イツキは距離をとり、カサを見守ることにした。
「戦えるんッスか。カサ。」
「……貴様は何を聞いていた?ただの兄妹喧嘩だろう?」
「そうッスか。じゃあ、手加減はしないッスよ。」
「当たり前だ。本気でなきゃ喧嘩とは言えない。」
槍を構えて、カサはサゴに鋭い視線を送った。
「ふっ……!!」
駆け出したカサが、一突き。
捌いたサゴは、すぐさま反撃に転じた。
「はああ!!」
「くっ……うっ……!!」
手数の多いサゴ。
槍の柄で防御するも、押されているようにも見える。
「カサ!!」
「手を出すな!!!」
「……!!」
「これは私達の問題なんだ……!!」
反撃の反撃。
カサは槍を振り回し、柄をサゴの腹部に当てた。
「ぐあっ……!!」
「……!!ごめ、お兄ちゃ……!!!」
はっとしたように、カサは喋りかけた。
サゴは柄を持ち、振り回すと槍を手放させた。
「なっ!?」
「……こほっ…………イツキさん同様甘いッスね。」
サゴはカサを蹴りあげた。
「かはっ!!」
地面に打ち付けられるカサ。
「ゴホッゴホッ!!……ぐっ……あぁ…………くそっ……!!」
咳き込むカサは、サゴを睨み付けた。
……介入してはいけないのだろうか。
見守っているイツキは悩んでいた。
「……。」
兄と妹ってこうなのだろうか。
レイの兄、カラスも青に所属している。
二つの兄妹を見ていたイツキにはよく分からなかった。
……が。
「サゴ。」
イツキは介入するなと言ったカサの前へ出た。
「イツキさん……?」
「イツキ……何故出てきた……!手を出すなと言ったはずだ……!」
「手は出さないよ。ただ……。」
イツキが人指し指をサゴへ向ける。
「兄妹として、一つ言いたいことがある。」
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
戦うことになったイツキ&カサ。
相手はサゴということで、この三ヶ月でどう変わったのかが勝負の分かれ目かもしれませんね。
後書きまで読んでくださってありがとうございます。
Thank You。




