第六章「四人の青」
エト「えっと……。」
ヒナ「ダジャレ?」
エト「違う。何を言おうか分からなかっただけだ。」
桃の国解放戦線編
第六章「四人の青」
「ここだ。」
茶々猫が皆を誘い込んだのは、イツキにはお馴染みの……。
「隠れ家……ですか?」
「ああ。ちと用があってのう。ついて参れ。」
「……?」
用とは何だろう。
イツキ達は言われるがままに、茶々猫についていった。
この隠れ家、茶々猫が準備していた、危険が迫ったときのもしもの場所で、彼女曰くイツキを含め四人しか知らないらしい。
「洞窟みたいでぇ、すごいねぇ~。」
「なあ、アタシまで入れていいのか?」
感慨深いといった感じのモチに、ふと疑問を口にしたヒバリ。
「後ろめたいことがあろうとなかろうと、側に居てもらわなければ困るからのう。」
「ああ……そういう事か。」
納得したようだ。
暫くすると、奥から光が射し込んでいるのが分かった。
「そろそろ見えてくる。」
茶々猫の言葉に、皆、緊張の面持ちでいた。
やがて見えてきたのは……。
「…………広い。」
あのハツガでさえ驚いているようだった。
一言で言うと広い。
荒れた大地が広がっており、巨大な岩や石の壁がそこかしこに見受けられる。
「……霧雨先輩は、ここで……。」
まぐろが呟いた。
イツキはここで、茶々猫を師として特訓した。
結果、基礎的な部分や反自然を身に付けることにも成功したのだ。
「それで、用というのはなんですか?」
「うむ。少し待っていてくれ。」
「……はい……。」
茶々猫が岩の陰に隠れた。
……話し声が聞こえる。
「……あれ……この声……。」
何故か珈琲が、頭をよぎる。
……間違いないだろう。
この声は。
「お久しぶりです皆さん。」
「黒猫さん!!」
イツキの予想通りだった。
姿を現したのは、黒いスーツに、ボサボサの髪の毛を纏めた女性、黒猫。
茶々猫を長とする『夜街の街路樹』の仲間で、茶々猫や白猫、そして黒猫の三人で『三猫』とも呼ばれていた。
「黒猫ちゃん!久しぶりー!」
「白猫……。久しぶり。」
三ヶ月の時を経て、再会した。
青に潜入していた彼女が得たものとは……?
・・・・・・・・・
「皆様、お久しぶりです。私は黒猫。夜街の街路樹所属の経済の要です。」
「…………。」
いや、まあ、そのとおりなのだが……もう少し良い自己紹介があったのではなかろうか……。
「あ、えっと、お久しぶりです。」
皆が困惑するなか、イツキがフォローをいれた。
思わず安堵の息をもらした仲間達。
「イツキさん、ご無事で何よりです。それに……。」
「はい。」
「沢山の仲間に出会えたようですね。」
「……はい。」
「そちらに青の方が居るのが気になりますが……イツキさんですからね。色々あったんでしょう。」
「そんな事でいいのか……。」
イツキのみ、また困惑した。
黒猫が一息吐いた。
「……ふぅ……それでは、皆さんが気になっている青の情報。お教えしようと思ったのですが……。」
「どうかしました?」
「いえ。青の方……ヒバリさんがいらっしゃるので、必要無いかもしれませんね。」
「いえ!共有は大事です!知らない事だって必ずあります!」
「は、はあ……それでは。」
黒猫は手を顎につけ、何かを思案し始めた。
「…………この戦いに関しての情報を言っておきましょうか。」
「お願いします。」
「今回紫の加入はありません。敵は青のみなのですが……。どうやらここを統治する青十文字が四人、居るようです。」
「四人ですか……!?」
……少しばかり多い気がする。
あちらも船の重要さに気付いているのだろうか。
「誰が来ているのか……分かりますか?」
「はい。エト、ヒナ、ハヤブサ、サゴの四人です。」
「…………ん?」
エト、ヒナは分かる。
ハヤブサの名も雨燕に聞いた。
「……黒猫嬢。今、何と言った?」
カサが身を乗り出して問う。
イツキもそうしたかった。
何故なら、聞き慣れた名前が聞こえたから。
「サゴ……と言ったのか?」
「はい。えっと……それが何か?」
「……サゴは……我が兄だ。」
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
久々の再会、黒猫嬢!
あまり出番の無かった彼女も、今後は三猫として期待です!
そして……サゴ。
彼に何があったのか……。
読んでいけば分かるよん。
それでは、後書きまで読んでくださってありがとうございます。
Thank You。




