第四章「雨という名の不協和音」
親父&レイ&紅「酒飲みたい……。」
茶々猫「何なのだ、こやつら……。」
桃の国解放戦線編
第四章「雨という名の不協和音」
「ここから桃の国だけど……。」
イツキ達、解放組が深淵の箱庭を出て、5日が経った。
桃の国の国境まで来たのだが、空は生憎の雨だった。
「足場はまだしも、視界が悪いのは痛いな。」
「ああ。」
返事をしたカサも、眉を寄せて困っている様子だった。
「しかしイツキ、それは向こうも同じ条件なんだ。臆す必要はない。」
「……だな。よし、皆!気を引き締めていくぞ!」
「「おー!」」
レインコートを着た彼らは高々と挙げた。
因みにハツガのみ、黒のレインコートを着用している。
彼女が珍しく駄々をこねたからである。
・・・・・・・・・
「はぁ……はぁ……着いたんですね…………やっと……。」
一方、動きを見せない黄の国の様子を伺いに行った、黄組。
雨燕が肩で息をしながらそう言った。
島国の黄の国は、長い橋が唯一の出入口となっている。
橋の手前まで馬車を走らせて来たのだが……。
「……島までが見えないな。これが橋平線か。」
「橋平線なんて聞いたことないですよ、日光 群彰。」
新しい言葉を生んだ日光だったが、雨燕が一蹴した。
「…………。雨ですね。」
突如、小雨が降ってきた。
空気が冷たくなる。
「本格的に降ってくる前に出発するか。」
日光がそう言うと、黄組の面々は首肯した。
・・・・・・・・・
「クロロホルム博士ー!」
「なんだねニッケル君。」
ここは紫の国。
紫の国傭兵育成機関『大蛇の毒牙』研究室では、数々の大発明をしたクロロホルムがとある実験をしていた。
「クロロホルム博士!あいつから連絡がありました!」
「あいつ?」
ニッケルという若い男に、クロロホルムという初老の男が背を向けて話していた。
「青の命令で、反抗組織にあいつを送り込んだじゃないですか。」
「……それは私に言うことではないと思うがね。」
「え?そうですか?」
「…………おお、成功だ。」
クロロホルムの手もとにあったビーカーが光った。
……否、正確にはビーカーの中に入った液体が光っている。
「なんですそれ。」
「フフフ……また歴史に名を刻みそうだね。」
「だから何なんですか、それは。」
「……焦るな、すぐに分かるよ。」
不敵に笑うクロロホルム。
おもむろにスプーン一杯分の液体をすくうと、彼は腕に液体を塗った。
すると……。
「ぬわっ!?」
「フフフ……。」
塗った場所から毛がもっさりと生えてきた。
「瞬間育毛剤だよ。」
「…………。」
「……なんだね。そのくだらないと言いたげな目は。」
「言いたいです。」
「…………。」
クロロホルムの挑戦は、まだまだ続く。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
えっと……橋平線なんて言葉はないですよ!
「水平線じゃなくて……あのー……なんだっけ?」
「橋平線だね。」
……なんて答えないようにしましょう!
それでは!後書きまで読んでくださりありがとうございます!
Thank You。




