第二章「かーいごーう」
ユキ「モチのやつ、帰ってこねぇな……。」
モチ「ユキ君、ご飯食べてるかなぁ~……。」
ユキ「モチのやつ、怪我してねぇかな……。」
モチ「ユキ君、性欲処理出来てるかなぁ~……。」
桃の国解放戦線編
第二章「かーいごーう」
深淵の箱庭寮では夜中、霧雨一行による会合が行われていた。
「相談したいことがあるんです……。」
「どうした霧雨。改まってよ。」
日光 群彰、箱庭の教諭である中二病のおじさんが言葉を発した。
「全員を集めてるってこたぁ重要な事だな。」
「はい……ここに残るメンバーの事です。」
「あ?」
深淵の箱庭は、ついこの前まで、青によって占領されていたのだ。
奪還したのは良いが、これから先動くときには、ここを守護する人材が必要になる。
「成程。」
数人、イツキの言葉に納得している。
その中でも灰色の死神ハツガは目を伏せていた。
「ハツガは理解出来たか。」
「うん。」
灰色の髪に、眠たげな眼。
マントや口元まで隠れるスカーフを身に付けている。
普通の盗賊だったが、ある戦いによって「灰色の死神」の二つ名を貰った。
因みに無言が多いが、たまに喋ったと思ったら下ネタの場合が多い。
「つまり、誰かが犠牲になり、守護天使として君臨しなければならない。」
「理解出来てなかった!!」
「違う?」
「違うよ……。また青が来る可能性があるから、誰かが残っていないと危険だってことだ。」
頬に汗をたらしつつ、イツキは説明した。
「それでなんだが、誰か残ってくれないか?」
「ん。」
「……。」
手を挙げたのは二人、親父と犬槇。
イツキが年を取ったような風貌の親父と、赤の国出身の茶髪イケメン犬槇。
「俺は動くのが面倒なだけだ。」
「俺は助言だ。」
「助言?」
……何なのだろう。
イツキは犬槇に問いかけた。
「助言ってなんだよ。」
「ヒバリは置いていけねぇよな。」
「ヒバリさんですか?」
「アタシかよ。」
紫色の髪に、長ランという長い学ランを身に付けているのがヒバリだ。さらしを巻いており、かなり勇ましい。
「こいつは俺達の国を襲った張本人だ。箱庭に置いてちゃ危険だろ。」
「犬槇……。気持ちは分かるけど、もう仲間なんだから……。」
「俺は認めない。」
「…………犬槇。」
「紅さんだってそうだろ?」
話を振られたのは、同じく赤の国出身の紅だ。
「わ、私?……まあ、簡単には許せない……かな。」
「そういうわけだ。ヒバリは連れていってほしい。」
「……いいですか?ヒバリさん。」
「ああ、気に食わないが構わねぇよ。」
「それなら犬槇と紅さんは残る?」
「俺は……まあいいけど。」
「私は……行きたいな。皆と。」
「了解。」
今のところは親父と犬槇が、残ると言っているが……。
「あと二人ほしいかな。」
イツキの言葉に、皆は目線をそらす。
「……気持ちは分かるけど、仕方ないだろ?ここを空けておくわけにはいかないんだ。」
「私、残りますよ。」
「僕も残ろう。」
「ツユ先生……スギネさん……。でもスギネさんは早く黒の国に……。博羽だっているんですから。」
「そうだぜスギネさん!俺と一緒に帰ろうぜ~!」
「しかし……。」
「それなら、また来てください。次は多くの戦力を連れて……。」
「……分かった、そうしようか。」
黒の国傭兵育成機関『闇夜の一星』長、スギネ。
誘拐されてきた彼は、一刻も早く黒の国へ帰さなければ。
「でもその前に……イツキ君。いいかな。」
「はい?」
「闘技大会の件はすまなかった。優勝者はイツキ君と聞いたから……約束は守ろう。緑と黒の同盟だ。」
「スギネさん……。はい。こちらこそお願いします……!」
……これで、緑、桃、白、赤、黒の五か国が同盟国として繋がった。
……は、いいのだが……。
「親父と犬槇とツユ先生が残るってことでおーけー?」
「「おーけー。」」
同時に首肯する皆に不気味さを覚えるイツキだった。
「ってかよ。」
「何ですか、日光先生。」
「全員で行く必要ないと思うが。あえて少人数で、他が残るってことでもいいんじゃないか?」
「一国を相手取るんですから。黄の国も気になるので、一応様子見で誰か向かわせますけど……。」
「黄の国だと?」
「はい。動きがないのは黒と同じなので。」
「それはどうすんだよ。霧雨は桃だろ?」
「はい。これは、ヒラメに任せようかと。」
ヒラメを一瞥する。
「わ、私ですか?何故?」
「顔が利きそう。お嬢様だし。」
「…………ま、まあ、陥落したとはいえ、二重薔薇の王女ですが……。」
頬に汗をたらすヒラメ。
桃、黄、待機。
この三つに一行を分けるのだが……。
まだまだ時間がかかりそうだ。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
この仲間を分ける話し合い、どこかで見たことが……。
箱庭奪還のときの部隊分けですね。
日光先生の言う通り行くメンバーだけ決めれば良いかもしれませんが、今回の戦線編は、様々な問題を解決するために人数が必要なのです。
さあ!後書きまで読んでくださってありがとうございます!
Thank You。




