第二十五章「深淵の箱庭奪還の巻作戦……終了」
世界が変わる。
深淵の箱庭奪還編
第二十五章「深淵の箱庭奪還の巻作戦……終了」
「……っは!」
深淵の箱庭長の部屋。
目をさました八頭は、己が縛られているのが分かった。
しかも亀甲縛りだ。
「なっ、なんじゃこりゃあ!?エロッ!!俺には敵わないけど!!」
「何言ってんだお前……。」
「ヒバリ!!」
目の前では、ヒバリが片膝を突いていた。
紫色の髪に、長ランを着た女性である。
「ヒバリ、助けてくれ!あのガウラってやつが……!」
「それは分かってっけど…………その前に考えてほしいんだ。」
「なんだ?助けてくれるなら、いくらでも考えてやる!」
「アタシ達がしていることって、正しいことなのか?」
「……。」
八頭の顔つきが変わった。
厳しい顔だ。
「ヒバリ……本気で言ってるのか?」
「……ああ……。」
「馴れ合ったな、お前。」
「……ああ……。」
「情に流される気か、貴様。俺達は戻れないところまで来てるんだが?」
「……雨燕に会った。」
「なに?」
「あいつ見ると……生き生きしてんだ。居場所を見つけたって感じでさ……。アタシも触れて分かったんだ。アタシの居場所はここじゃない。」
「……どこへ行く。」
「こいつらのところだ。」
ヒバリが親指で、後方を指さした。
そこに居たのは、霧雨一行。
「…………霧雨イツキか。」
「と、愉快な仲間達だ。」
「……そうか。俺にはよく分からない。……知らないからな。」
「構わねぇよ。」
「……ここは受け渡す。部下はすぐに撤退させる……だが次に会ったときは容赦しない。それでいいか。」
「ああ。」
「ちょっと待ってくれ。」
と、口を挟んだのはイツキだった。
イツキは八頭へと歩み寄る。
「霧雨イツキか。なんだ。」
イツキは拳を振りかぶり……一発殴った。
「受け渡す?ここは俺達の居場所なんだよ……!!」
「…………。」
「放送室に連れていく。15分だけ待つ。」
「……ああ。」
・・・・・・・・・
「撤退……!?」
「撤退だと……?」
放送室から流れる八頭の声に、青は耳を疑った。
『もう一度言う。俺達は負けたんだ、撤退だ。15分以内にな。』
・・・・・・・・・
「霧雨先輩!」
「おっ、まぐろじゃないか。」
「何で偶然会ったみたいな言い方なんですか……。」
八頭の放送から1時間。
まぐろ達通信部隊も合流した。
「勝ったぞ。」
「はい。おめでとうございます。」
「……取り戻したんだ。」
「はい。……やりましたね。」
「レイさんも、ここに居てほしかった。」
「はい。……呼んできましょうか。」
「…………ありがとう、まぐろ。支えてくれて。」
「いいえ。辛かったんですよね。」
「…………ごめん。」
「いいえ。私も、貴方を支えにしてましたから。それに私が聞きたいのは、そんな言葉じゃないですよ。」
「……ああ。」
イツキは皆の前に一歩出た。
「みんな!!ここが俺の……いや、俺達の、深淵の箱庭だ!!」
「「おおー!!」」
……そのニュースはすぐに各国へと駆け巡った。
緑を始め、白、桃、青、赤、黒、紫、黄。
イツキは大々的に、深淵の箱庭奪還を発表したのだ。
「同時に宣言する!!俺達の……戦いの始まりだ!!」
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
謎を残しつつも終わった、深淵の箱庭奪還の巻作戦。
……あれ?となると、深淵の箱庭奪還編……終わり?
後書きまで読んでくださってありがとうございます。
Thank You。




