第二十二章「黒!!黒!!……黒?」
レイ「いやマジで働きたくないよぉぉぉ!!」
深淵の箱庭奪還編
第二十二章「黒!!黒!!……黒?」
深淵の箱庭廊下。
罠を突破した霧雨一行+αだったが、青の兵達が出口に待ち構えていた。
「動くなよ。」
銃口を向けられて言われ、イツキは手も足も出なかったのだが……。
「一歩!」
「……は?」
銃声が響いた。
光線銃の光線が、イツキの横を通り過ぎる。
イツキは振り向かなかったが……声で分かった。
今のはモチだ。
「モチさん……!?」
呼びかけたが返事がない。
「ひっ……!!」
代わりに聞こえてくるのは、ヒラメの悲鳴にも似た声。
何が起こったのか見たいが、動くことは出来ない。
「くっそ……!!」
「モチ……さん……?」
「駄目ですお嬢様!!」
もう一つ、軌跡が通る。
「ヒラメ?おい、ヒラメ!?」
やはり返事はない。
「あっ……いえ…………無事ですわ……。」
「ヒラメ……大丈夫なのか……よかった。」
しかし、ヒラメの様子がおかしい。
言葉に詰まっているようだった。
さらに……。
「何だそれは……!?」
青の兵達も驚愕している。
イツキには何が起こっているのかさっぱりだったのだが、次の一言でイツキは度肝を抜かれた。
「危ないなぁ~。私じゃなかったら死んでたよぉ~!」
この緩い口調は……。
「モチさん!?平気だったんですか!?」
「大丈夫だよぉ~。」
イツキの脇を通り過ぎる何か。
先程と違うのは、『後方からだった』ということ。
黒い物体が青を包み込む。
イツキは後ろを向いた。
大丈夫だ、攻撃されない。
「……!?」
飛び込んできた光景は異質なものだった。
モチの背中部分から、巨大な黒い腕が生えている。
「……なんすか……それ……。」
「大丈夫だよぉ~。イツキくん達は襲わないからねぇ~。」
「いや……そういうことじゃなくて……。」
「ほら終わった。」
「え……。」
イツキは慌てて振り返った。
そこには倒れた青の兵達が居り……。
気絶しているようだった。
「行こうかぁ~イツキくん。」
モチの言葉にゾッと寒気がした。
頬に嫌な汗がたれる。
「…………イツキくん?」
「…………あ……はい。」
「長の部屋だよねぇ~。」
「……はい……。」
うねうねと黒い腕を動かしながら、モチは歩き始めた。
・・・・・・・・・
「ここが長の部屋だ。」
深淵の箱庭中央部に位置する長の部屋。
ここにイツキは招待されていたのだが……落ち着いて話せる雰囲気ではなさそうだ。
「開けます。」
イツキはドアを押した。
「失礼します。」
「…………。」
そこで待っていたのは、青の幹部、八頭……ではなく。
「ガウラさん……。」
「あはは!やっと会えたね、霧雨イツキ!!」
黒いオーラに包まれた、いつもなら白が印象的なガウラだった。
「ひ、ひぃぃ……!!」
傍らではボロボロになった八頭らしき人物が怯えていた。
「やっべぇ……!皆出ろ!絶対に部屋に入ってくるなよ!!」
「待て霧雨。俺も残る。」
「日光先生……!分かりました!」
慌てて指示に従う外に出る仲間達。
扉を閉めると、部屋にはイツキと日光が残された。
「日光先生はワンワンダーラビットをお願いします。」
「OK。」
ワンワンダーラビットというのは、ガウラがいつも持っていた『おともだち』。
ただのぬいぐるみに見えるが実は……。
「やあやあ!遅かったね、ヒビカリ君!」
「出たなラビット……。」
探す手間が省けた。
そこには、手を振る小さなぬいぐるみがいたのだ。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
前書きがただの愚痴になっているのは気にしないでください!
モチ、そしてガウラと徐々に別の姿を見せはじめました。
彼女達が扱う謎の黒いものとは……そしてワンワンダーラビットとは一体何者なのか……答えは萌葱色の変奏曲を読めば分かる!
最後に、後書きまで読んでくださってありがとうございます。
Thank You。




