第十七章「死人のお釣り」
エト「俺のイントネーションは」
カラス「僕の名字、夜咫乃は『鰹』と同じイントネーションだ。」
エト「ちょっ、ゴタゴタする前に言おうとしたら……!」
カラス「隙があるからだよ。」
エト「ぐう……!!」
深淵の箱庭奪還編
第十七章「死人のお釣り」
「早くないか?」
「早いねぇ~。」
「早ェな。」
深淵の箱庭地下。
防衛用トラップに引っかかり、落とし穴に落ちた8人の霧雨一行と1人の青。
犬槇、ハツガ、雨燕、ヒラメ、ミノリ、日光の6人は、罠にかかり脱落した。
ギャグ補正がかかる地下では死なないものの、むごい結果になっていた。
残りはイツキ、モチ、ヒバリの3人なのだが……。
二つ目の罠の前で、呆れている様子だった。
「ここまで半分以上やられてるって……なんて緊張感の無いやつらなんだ……。」
「うーん……私からはなんとも~……。」
「こんな奴等とアタシ達は戦ってたのか……。」
各々が感想を持っているが、頬に汗をたらしていることは変わらなかった。
イツキに至っては頭を抱えている。
「因みによ、霧雨イツキ。罠はあといくつくらいあるんだ?」
ヒバリの問い。
「……えっと、あと5つ程、罠の間があります。」
「今のところ、一つの罠で3人って計算だから……次で全滅じゃねえか!!」
「……はい。4つも罠が残ってたら、死人のお釣りが出ますね。」
「苦労してんだな、霧雨イツキ。……死人のお釣りってのはよく分からなかったが……。」
「ああ……ヒバリさん。まさか敵に慰められるとは……。あとお釣りは俺もよく分かりません……。」
泣きたくなってきた。
しかし泣いている場合ではない。イツキは溜め息を一つ吐き、打開策を思案し始めた。
「八方からの矢、石、落とし穴、ヌルヌル……。無事に突破する方法……。」
先程ミノリらが行った、ミノリ号&日光ガードは現実的だった。
一人の犠牲で二人が助かる。落とし穴さえなければヒラメとミノリは渡っていただろう。
「いや……あれはちょっとな……。」
だが日光ガードを見た直後に、さすがにあれをやろうとは思わない。
「……本気出せば簡単なのになぁ~……。」
「え?モチさん、何か言いました?」
「ううん。何も~。」
「そうでしたか?」
「それより、考えようよ~。ここを突破する方法をさぁ~。」
「……そうですね。」
唸る3人。
イツキが出来ることといえば、反自然、受け流しくらいだろうか。
モチ、ヒバリは……。
「二人は何か特技はありますか?俺なら受け流し、反自然とかなんですけど。」
「そうだねぇ~。」
と、モチ。
「私は料理が得意だねぇ~。」
「……いや、そういうことじゃないんですけど……。」
「使えない?」
「少なくともこの場面じゃ……はい。」
「残念だねぇ~!」
はははと笑うモチ。
笑い事じゃないと思うのだが……。
「ヒバリさんは?」
「アタシか?」
「はい。一時休戦中だからこうやって話してますけど……よく知りませんからね。」
「そうだな……アタシは刀を使用する。今は部屋に置いてきて持っていないが……。あと、根性なら人一倍だな。」
「……えー…………。」
「えーってなんだよ、霧雨イツキ!仕方無いだろ!」
「す、すみません。でも、ほら!今の俺たちは助かってます!」
「フォローになってるのかなっていないのか……。ったく……。」
「役に立たないって自覚はしてるんですね。」
「おう。だからって下見てないで、上向いてこうやって受け入れてるんだよ。」
「………………あっ。」
「あ?」
すると、イツキが何かをひらめいたようだった。
「上なら何とかなるんじゃ……。」
「上?」
モチとヒバリは目を合わせた。
「天井をつたっていけば何とかなりそうじゃありませんか?」
「成程ねぇ~!でもどうやって?」
「……それなら……俺に任せてくれ。」
「こ、この声は……!」
後方から聞こえてきた声……それは……!
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
脱出スキルを要しない仲間達!
そしてやって来た救世主は……!?
まだまだ続くぜ!
Thank You。




