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萌葱色の変奏曲  作者: アフロペンギン
深淵の箱庭奪還編
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第十三章「鳴くのはヒラメと霧雨かな」

ヒバリ「よう、お前ら。」


エト「何だよヒバリ。ぽっと出のお前が、務まるわけねぇだろ!!これはな!出番の少ないメンバーに用意された救済なんだよ!!」


ヒバリ「力説してるが、恐らく違う。」


ヒナ「ヒナね、ヒナね、ヒバリなら分かってくれると思うんだ!だからヒナに譲ってよ!」


ヒバリ「何も分からん。寧ろヒナはまだ幼く務まらないと思うが。……だからここはアタシに任せとけよ。じゃあまずはアタシのイントネーションからいくか。」


エト&ヒナ「ああああああああ!!!」


ヒバリ「ちょっ、邪魔すんじゃねえよ!」

 深淵の箱庭奪還編

 第十三章「鳴くのはヒラメと霧雨かな」




『落とし穴に落ちましたわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』

「なっ、何やってるんですか!?」


 下水道に待機している通信部隊。その通信部隊が持つ無線機の向こうからは、ヒラメの悲鳴にも似た声が聞こえてきた。

 慌てるまぐろ。少し早く通信をいれておくべきだったかもしれない。

 あのボケキャラ達を、野放しにしておくのは危険だと、分かっていたはずなのに……!!


「落ち着け神崎。」

犬槇いぬまきさん……。」


 まぐろの持っていた無線機を手に取るのは、犬槇だった。


「ヒラメ。落ちたのはお前だけか?」

『四人全員ですわ!』

「はあ!?回避出来なかったのか!?」

『できませんでしたわ……。わたくしあんなことをやったのは初めてで、ドキドキしましたの……。』

「……何やってたんだ?」

『私達に恐れをなしたと思って、まるで不良のように堂々と歩きましたわ……。ああ、まだ胸がドキドキ……胸ドキしてますの……!』

「はああ!?阿呆かお前らはぁぁ!!!」

「い、犬槇さん、落ち着いてください……。」

『いきなり耳元で叫ばないでくださいまし!』

「いや、無線機は耳に当てるもんじゃ……。」

『無線機を扱うのも初めてで……ガシャ!!……ガガ……ピー…………。』


 すると無線機は雑音やノイズを出した。


「ヒラメ!?……くそ、落ちたか……。」

「ど、どうします……?」

「落とし穴ってやつに、青が集まるだろうから、すぐに増援を向かわせるのは危険だ。少し様子をみるから、神崎は一応呼びかけ続けてくれ。」

「はい!」

「茶々猫さんとツユさんは、向こうからの連絡を待つ。いいか?」

「「了解。」」


 こういう冷静さを、隠密部隊が持ち合わせていたら……。悔やまれる犬槇だった。



 ・・・・・・・・・



「…………。」


 一方、長の部屋へと連れられているイツキは、頬に汗をたらしていた。

 ……何だか騒がしいな。

 まさかバレたか?


「おい、青。」


 前を歩いている男に話しかける。


「……ん?ああ、俺か。なんだ?」

「騒がしいが、何かあったのか?」

「誰かが防衛トラップに引っ掛かったってよ。お前の仲間じゃないのか?」

「そんなわけないだろ。深淵の箱庭防衛用のトラップならどんなトラップか知ってるし。来るなって言う。」

「それもそうだな。この青に対する反抗組織が、さすがに落とし穴に引っ掛かるわけないよな。阿呆だろ。」


 残念だが、実際その通りであることからイツキは苦笑するしかなかった。

 ……言うのを忘れていた。

 トラップが発動されている確証はなかったが、言っておくべきことだった。


「……はぁ……。」


 深淵の箱庭防衛用トラップは、地下深くまで落ちることになる落とし穴。

 不審者などの対処に作られた落とし穴は、殺すことが目的ではないので、きちんと出られるようになっている。

 なっているのだが……出るまでが問題なのだ。

 重要なのは落とし穴ではなく、その先。

 魔力を利用し施したある仕掛けが、脱出を阻む。

 どうにかして助けに行かねば……。


「トイレ行っていいか?」

「我慢しろよ。」

「処理したくないだろ。」

「ちょっ、待て。そこまで来てるのか?」

「ああ。」

「仕方無いな……ほら、ちょうどそこにあるから、行ってこい。」


 あっ……タイミングを誤ったようだ。


「こ、ここのトイレは嫌なんだが……。」

「何故だ?」

「…………で、出るんだよ。あれが。」

「あれってなんだよ。」

「そんなもん言えるわけねぇだろ!言ったら死ぬ!死んでしまうんだよ!!」

「……ふざけてないで、さっさと行ってこい。」


 …………。嘘が通用しなかった。

 イツキが諦めた……その時。




 ドンドンドンドン!!!




「「ひ、ひいいい!!」」


 トイレから、突如としてドアを叩く音が、聞こえてきたのだ。


「マジなのかよ……早く言えよ霧雨イツキ……!」

「言ってたよ!!ここはダメだ、1階のトイレなら大丈夫だ!!行くぞ!!」

「ま、待てよ!」


 ダッダッダッと大急ぎで駆けていくイツキと見張りの男。

 予定とは違うものの、何とか落とし穴に近付くことが出来そうだ。

 …………それにしても、先程の音は何だったのだろう。

 まさか本当に……いや、ないよ。

 あったら逃げるもん。

 今後一生使わないもん。

 死ぬかあのトイレか選べって言われたときくらいしか使わないもん。

萌葱色変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。

いかがでしたか?

あの隠密部隊は恐ろしい!!

イツキの采配ミスかもしれませんが、物語的にはOKです。

ナイスだイツキ。

犬槇の慌てよう。

まだあの環境に慣れていないのでしょう。

比較的落ち着いてるメンバーは……それはそれで問題だな。

最後に、後書きまで読んでくださってありがとうございます。

まだまだ続くよ、変奏曲!

Thank You。

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