第十一章「ゴミ置き場」
スズメ「イントネーションコーナーを任されたスズメよ。」
ヒナ「スズメ!それはヒナだよ!イントネーションのコーナーをやるのはヒナ!」
エト「俺だろ。」
カラス「引っ込め。僕がやる。」
オナガ「ん。それはおかしいね。任されたのは私のはずだが……。」
「…………。」
ワーワーギャーギャー……
深淵の箱庭奪還編
第十一章「ゴミ置き場」
「青を目視。数は3。」
「やり過ごせるか?」
「可能。」
「よし。」
深淵の箱庭奪還の巻作戦が開始された。
隠密部隊のリーダー、ハツガを先頭に、日光、ヒラメ、ミノリが敵に見つからないように歩を進めていた。
目的は箱庭を占領する八頭を倒すこと。他にイツキに言われたことといえば、殺しは駄目だということ。
「ハツガ様。八頭はどこにいるのでしょう?」
「恐らく長の部屋。」
「日光様。教諭である貴方の力が必要ですね。長の部屋はどちらに?」
「4階中央だ。」
「お嬢様。現在地は?」
「外ですわ。正確にはゴミ置き場に潜伏中ですわね。」
「……まだ時間がかかりそうですね。」
「「「…………ふぅ……。」」」
三人は同時に溜め息を吐いた。
深淵の箱庭ゴミ置き場。
木製の建物で、ゴミが詰まった袋が積み重なっている。
下水道を出て15分。
目的地まではまだ遠い。
「臭いが付きそうですわ……。」
「野宿後の体臭と変わらねぇよ。」
「それが嫌なのですわ!私はまだ野宿にだって慣れませんのに……!」
口を尖らせるヒラメ。
日光は再度溜め息を吐いた。
「……はぁ……。」
「静かにして。……行く。」
「了解、ハツガさんよ。」
ゴミ置き場を飛び出す4人。
中に繋がる廊下から校舎へ侵入した。
「1階。定期的に場所を教えて。日光。」
「おう。ここは1年の廊下だ。この先、左側に階段があるが最も使いやすい階段だ。……危険だな。」
「他の階段は?」
「あそこの中央階段以外には北、南、東、西の4つだ。」
全てを確かめるには、それと同時に見つかるリスクが高まる。
さて、どうしたものか……。
「じゃあ、ここから一番近い北に行ってみるか。物陰があるから近付きやすいんだ。」
提案したのは日光だった。
箱庭に盗みに入った時のことを思い出してみる。
確かに北の階段付近は、隠れる場所が多々あった気がする。
「そういえば……そうだった。」
流石としか言いようがない。日光を隠密部隊に入れて正解だっただろう。
まあ、イツキの他に内部に詳しい者はいなかったから、当たり前かもしれないが。
「……。」
進行方向を確認。
敵の影、無し。
「GO。」
隠密部隊、一先ずは北の階段だ。
・・・・・・・・・
「……ハツガ達は順調なようだ。」
こちらは増援部隊。
カサ、雨燕、親父、博羽、紅、モチの6人が下水道で待機していた。
近くには通信部隊が居り、万全の体制で身構えていた。
「そろそろ入っておきましょうか。」
通信部隊のまぐろが話しかけてきた。
もしもの時の増援のために潜伏する場所が決まったようだ。
この下水道では駄目なのかというと、出口のマンホールは一人ずつしか通れないのだ。
もし急ぎになったときに間に合わなくなる可能性があるのだ。
「どこに待機すればいい?」
カサが尋ねると、まぐろは頷いた。
ただ少し歯切れが悪そうに場所を言った。
「……えっと……ゴミ置き場です。」
「…………ん?すまないがもう一度言ってくれるか?」
「……ゴミ置き場です。」
「…………ん?すまないがもう一度言ってくれるか?」
「ゴミ置き場です。すみません、他より安全な場所がそこしか無いのです……。」
「……屈辱的だ……。だが仕方無い、私はやるぞ!!」
何かを決心して、カサ達増援部隊はゴミ置き場へ向かった。
・・・・・・・・・
そしてイツキ。
「…………。」
「にしても、随分素直だよな。」
「…………。」
「黙りかよ。」
「黙ってついてこいって言ったのはお前だろ?」
「そりゃすまないな。」
見張りの男との何気ない会話。
「素直じゃない必要あるのか?」
「ん?」
「俺はここの生徒だ。素直に校門くぐって、素直に廊下を歩くことは不自然なのか?」
「いや、別に。」
「…………。」
内心勝ったと思うイツキだった。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
今回は真面目というかシリアスというか……ううん、やりづらい。
ばか騒ぎする方が霧雨一行らしい。うん。
これからも応援よろしくお願いしやす。
Thank You。




