第六章「強力無比な武器」
南鞠「なんだよ!何で私を連れてきてんだよ!誘拐じゃねえのか!?」
イツキ「人聞きの悪いことを……。違うよ、誰がお前みたいなやつを好んで誘拐なんてするかよ。」
南鞠「ひ、ひどい!くっそ、覚えてろよ!!」ダッダッダッ……
イツキ「あ、ちょっ、南鞠!イントネーション教えろって!…………えっと、南鞠のイントネーションは、『パセリ』と同じイントネーションです。下の名前スズは『茄子』と同じイントネーションです。」
深淵の箱庭奪還編
第六章「強力無比な武器」
「……フッ……ついに来てしまったな。」
とある村へとやって来た霧雨一行。
そのなかのある一軒の家の前に、馬車を止めて霧雨一行は立っていた。
「行くしかないですよ。」
「ああ……うん。そうだよな……。」
まぐろにそう言われ、イツキは仕方無く家に入ることにした。
トントントンとノックをする。
「ゆ……夕立ー?」
家の主、夕立の名前を呼ぶ。
頼む。出ないでくれ。
どこかに出掛けていてくれ。お前出掛けるの好きだろ?
留守なら寄らなくていいんだ。寄らなくていいわけではないが、そうする。意地でもそうする。
意地でもそうするくらいの意地を見せてやるよ。
「出ませんね。」
「よし!!!」
イツキはガッツポーズをとった。
「よし?」
「いや……何でもない。いないなら仕方無いよな!今日はホテルを借りようぜ!」
「何言ってるんですか。軍資金だって、少ないんですよ?」
「ヒラメ!」
「どうしましたの?」
「あれの出番だ。」
「分かりましたわ……ついにあれの出番ですのね……。」
ヒラメはガサゴソとバッグを漁り始めた。
一体何を出すのか。
「イツキ、受け取ってくださいまし!」
「おう!」
ヒラメが何かカードのような物を投げた。
それを受け取ったイツキは、人指し指と中指の間に挟み込み、顔の横に持っていく。
「これが何か分かるか……?」
「カード……ですか……?」
「違うな。これはブラックカードだ。」
「いや、カードじゃないですか。合ってますよ。」
冷静にツッコミをいれるまぐろ。
しかしその後ろでは、ある男がわなわなと震えていた。
「そ、それは……!!ブラックカード……!?」
「日光先生。」
震えていたのは日光だった。
「妃懦莉がブラックカードの持ち主だと……!?有り得ない話ではないが……まさか本当に所持者だったとはな……!!」
「俺も最近気付きました。そしてヒラメが言うには!!」
「ああ……!」
「少なくともホテル代は無くなる。」
一行全体に衝撃が走った。
「……!!」
言葉が出ないといった感じだ。
因みに言っておくが、格好つけているだけであって、ブラックカードの持ち主はヒラメである。
イツキではない。
「さあ、怯えろ!!愚民ども!!……と言わんばかりの黒光り……!!それがブラックカード!!」
またしても、一行全体に衝撃が走る。
ほとんどの者が失神して倒れていった。
「ってことはなんだ……。」
「それがあれば、ふかふかベッドなんて思いのまま……?」
正気を保っていた犬槇と紅が指で指しながらそう尋ねた。
「勿論だ。」
イツキのその一言で、二人もすぐに失神した。
「……よし、ヒラメ、まぐろ。皆を起こすぞ。」
「分かりましたわ。」
「はい。」
こうして、霧雨一行に、『ブラックカード』という強力な武器が加わった。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
あのカードには、霧雨一行の誰も勝てません。
じゃあ、そういうことで!
Thank You。




