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萌葱色の変奏曲  作者: アフロペンギン
黒い雪原編
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第九十章「事件、そして鳴り響く変奏曲」

ガウラ「…………。」


イツキ「あ、ガウラさん。今回はガウラさんがゲストなんですか?」


ガウラ「うん。イントネーションを言えばいいの?」


イツキ「はい。お願いします。」


ガウラ「ガウラは。『三村』と同じ。」


イツキ「三村って誰だ!?」

黒い雪原編

第九十章「事件、そして鳴り響く変奏曲」




「はぁっ……はぁっ……!」


イツキは、まぐろを連れて会場へと駆け戻った。

そこでは沢山の人間が、大会の中継を観戦し舞い上がっている……はずだった。

イツキも「そう」思っていたからこそ、その落差は凄まじいものだった。


「探せ!!早く!!」

「くそっ、どこだ!どこにいやがんだよぉ!!」


沢山の人間は舞い上がってなどいない。

寧ろ焦っている。焦燥感に駆られた者達が走り回っており、イツキの頭を余計に混乱させた。


「何なんでしょう……これ……?」

「分からない……。とりあえずヒラメの話通りに、カサを探そう。」

「イツキ!!」


と、あちらから来てくれたようだ。


「カサ!」

「カサさん!」


イツキとまぐろはその者の名を呼んだ。多少、すがるような気持ちで。


「イツキ、来てくれたんだな……ヒラメは?」

「疲れてるようだったし、置いてきた。」

「賢明だ。急ぎだったからな。」

「状況を教えてくれ。これはどうなってるんだ?」

「うむ……信じがたい事が起きてな……実は……。」

「霧雨イツキ!!」


すると、男の怒号が聞こえた。

カサから状況を聞きたいのだが……。仕方無い。


博羽ひろう……?」


そちらを見ると、黒の国で出会った博羽という男がいた。

博羽はイツキの胸ぐらを掴んだ。


「どうなってやがる!!あの白猫ってやつはどこにいるんだよ!!」

「待て待て!!白猫さんがどうかしたのかよ……!?」

「とぼけるな!!」


博羽のここまで怒った顔なんて見たことなかった。


「とぼけてない!本当に俺にも分からないんだよ!」


食ってかかるように、イツキも言葉を吐き出す。


「なんだと……!?」

「だから教えろよ!!何があったんだよ!?」

「……スギネさんが連れていかれた。」

「誰にだ。」

「青だ。どうやら侵入されていたらしい。」

「青だと……!?」


青というのは、青の国のことだ。

世界の半分を支配した……強国。


「青が手を出したってのか!?」

「そうだよ……!その手引きをしたやつが、お前のとこの白猫ってやつなんだよ!!」

「はあ!?そんなわけないだろ!?」


白猫が手引き……?裏切ったというのか?


「本当だ!カサちんだって見ていた!!だろ!?」

「えっ……。」


話を振られて、カサは戸惑った。

白猫が本当に手引きをしたのか。気になったイツキはカサに問う。


「カサ、見たのか?…………その……白猫さんが、青の手引きをしているところを。」

「…………。」


カサはうつ向き、ばつが悪そうにしている。

答えなくても分かった。

これが……答えだろう。


「……マジかよ……。」

「……ガウラ嬢も……。」

「え?」


カサがボソッと呟いた。


「ガウラ嬢も……誘拐されたんだ。」

「ガウラさんも……!?ってことは、狙われたのは長ってことか……!!」


奴等が動きだすとは思わなかった。

今までが不自然すぎるほど、静かだったから。

その静けさを約束したのは青だったから。

しかもきちんと守っていたから……。


「くそっ……!!!くそぉぉ!!!」


イツキは拳を地面へと打ち下ろした。

情けない……。一行のリーダーとして、背負っているものを全て守ると誓ったばかりなのに……!!


「…………茶々猫さんや紅さんだっていたはずだろ。あの人達は?」


イツキの問いに答えたのは博羽だった。


「近くにいた人達は、怪我してたり、確認が取れていなかったりする。ここは混乱していて、あまり情報が伝わってこないんだ。」

「そうか……。まずは落ち着かせる。次に、俺、そして桃と赤と黒の代表で話し合う。」

「分かった……混乱の方は俺に任せてくれ。お前らの仲間の安否も、すぐに確認を取る。」

「すまん。頼んだ。」



・・・・・・・・・



「……集まってくださり、ありがとうございます。」


落ち着きを取り戻して、会場にあった控え室に集まる4人の男女。


「それはいい。さっさと結論を出す。」

「そうだのう。早急に手を打たねば……。」


黒の代表は岩具いわとも

黒の国の戦闘員兼伝達係兼医者をしている。

桃の代表は茶々猫。赤髪の獣人で、背が低く見た目は幼い。見た目は。


「イツキ。今一度状況を教えて。」


赤の代表はくれない

本当は犬槇いぬまきが出席するはずだったが、犬槇は決勝で敗北。今はフィールドの方で待機している。


「はい。では、状況を整理します。」


緑代表として、イツキが話す。


「闘技大会決勝戦の途中、白猫さんの手引きで、黒の長スギネさん、緑の長ガウラさんが誘拐されました。青の手に渡ったと思われます。そして……。」

「待て。妾は納得がいかん。」


言葉で制したのは茶々猫だ。


「白猫がそんなことをするわけない。イツキ、お主もそれは分かっているはずだ。」

「俺だって、白猫さんは白だって信じています。でも……カサと博羽が見ているんです。」

「……目撃者がいるのか……。」

「失礼します!霧雨先輩!」


部屋の扉を開け、入ってきたのはまぐろだった。


「まぐろ。」

「すみません……これ、霧雨先輩に渡せって……。」

「え……?」


まぐろが手渡したのは、黒いレコーダーだった。


「レコーダー……?」

「聞いてみるかの?」

「そうしましょう。」


シンと静まりかえる部屋。

そして、レコーダーのスイッチの音が部屋に広がった。

内容は簡単なものだった。

スギネとガウラの身柄を拘束。

要求はイツキだった。

どうやら八頭やつがしらという者が話があるそうで、スギネとガウラは人質として扱われていた。

場所は……深淵しんえん箱庭はこにわ


「どうするのだ……?」

「行きます。行くしかないでしょう。」

「危険だイツキ!!奴等がどういった者達なのかは、お主も十分理解しているはずだ!」

「……はい。でも、俺が行かなきゃ二人が助からない。大丈夫です、こっちにも考えはあります。あと、ついで……なんですけど。」

「……なんだ……。」

「ついでに、箱庭奪還を狙います。」

萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。

いかがですか?

新たな事件勃発!

イツキはどう対処していくのか……。

そして次回からは新編が始まります!乞うご期待!

最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。

Thank You。

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