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萌葱色の変奏曲  作者: アフロペンギン
黒い雪原編
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第八十八章「油断させます」

黒猫「はい、どうも。イントネーションコーナー、今回は私です。」


イツキ「あ、ちょっと!俺の台詞を取らないでくださいよ!」


黒猫「黒猫は一般的に言われる『黒猫』と同じイントネーションでよろしいですよ。」


イツキ「無視かよ!!…………あー、もう……。次回もお楽しみに。」

 黒い雪原編

 第八十八章「油断させます」




「一人……それに女とはのう……。」

「女だからって、舐めないことです。」

「手加減はせんと言った。なら、当然舐めたりせんよ。」


 まぐろVSシンゲン。

 まぐろはブロードソード『姫蜘蛛』を構え、シンゲンはただの刀の鋒を、まぐろへと向ける。


「そこには毒があるのか。」


 まぐろが姫蜘蛛を使い仕掛けた糸には痺れ毒が塗ってある。

 先程、犬槇いぬまきが突っ込んで自滅という、何とも間抜けな倒れ方をしたので、隠す必要は無いだろう。


「そうです。この糸には痺れ毒が塗ってあります。」

「強固な糸なのか?」

「いえ。刃物には弱いので……こうすると……。」


 まぐろは剣を振り、全ての糸を断ち切ってみせた。


「簡単に切れてしまいます。」

「すんなりと教えてくれたのう。」

「そうですね。隠しても無駄だと思いました。」

「油断か?」

「格上の相手に油断なんてしません。するなら……そうですね。」


 まぐろが剣を横に2回振った。

 つまり二本の糸を仕掛けた。


「油断させますかね。」


 右上から斜めに3回。

 左上から斜めに4回。

 縦に1回。


「数えてます?」

「勿論じゃ。」

「何回ですか?」

「10。」

「…………。」


 成程。

 どうやら警戒しているようだ。

 まぐろはさらに3回程剣を振った。


「13。」


 シンゲンは呟いた。

 まぐろはここでフェイクを入れようと思い、もう2回程振る。


「14。」

「……!!」

「その剣の仕組みは理解している。引き金を引かなければ糸は出ない。じゃろ?」

「……はい。」


 フェイクすらも見抜くのか。

 これは厄介な相手だ。

 厄介だからこそ、あれがバレてはいけない。


「……。」


 まぐろは諦め……たように見せかけて、剣を構えた。


「通用しなさそうですね。」

「ガハハ!やっと気付いたか!」


 シンゲンはまぐろへと歩み寄る。

 糸を一本ずつ刀で切りながら。


「3……4……5……。予測も完璧じゃ。」


 プチッ……プチッ……と、音をたてながら途切れていく。

 まぐろは頬に汗をたらした。


「9……10……。」


 精神的に追いつめるためだろうか。一本切るごとにその本数を口ずさむ。


「14。これで最後じゃ。」

「…………っ!!」


 まぐろは一歩後ずさる。


「終わりじゃ、女。」


 シンゲンがそう言った。

 しかし、その瞬間。

 シンゲンの足が止まった。


「…………何故……?」


 シンゲンの体の表面に、一本の筋が通った。

 それは、何か糸のようなもので出来た傷だった。


「ぐうっ……!!ぐあああ……!!!」


 膝から崩れ落ち、地面に手を突く。毒がまわったのだ。


「何故じゃ……全ての糸はワシが切ったはず……!」

「いいえ。全て切ったわけではありませんよ。」

「……確かにワシは切った……念を押し、口にも出した……。何時だ。何時仕掛けた……!!」

「貴方が糸を切る前に。」

「切る前……!?」


 まぐろは残りの一本を切ると、シンゲンに歩み寄った。


「油断しましたね。」


 まぐろはシンゲンの顔のすぐ横。

 すぐ横の地面に、剣を刺した。


「負けを認めてください。」

「……………………くそっ。分かった…………負けじゃ。」

「はい!ありがとうございます!」


 まぐろは剣を地面から抜いた。


「……ワシは何時、間違えた。」

「糸を数えるのが遅かったんですよ。貴方が糸を切る前、私は一度全ての糸を切りましたよね?」

「そうじゃな……それは確認した。」

「その時です。全ての糸を切るために振ったとき、一本仕込みました。」

「……成程。そりゃあ油断したわい。」


 シンゲンVSまぐろ。

 まぐろの機転により、勝利をおさめたのはまぐろだった。

萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。

いかがでしたか?

まぐろは頭を使って戦闘を進めていくスタイルにしています。

ああいった小さな伏線は作っていて楽しいので、実力がまだ伴っていないまぐろでも、他メンバーより見せ場は作っている印象です。

最後に、後書きまで読んでくださってとても嬉しいです。

頑張っていくぜ!!

Thank You。

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