第八十七章「任せてください」
イツキ「最近俺の出番が無いから、まぐろがこのコーナーを任せてくれた……!そんなわけで、今日のゲストはこの方です。」
白猫「んだよ男かよ帰れ。いや、消えろ。」
イツキ「いやいや、呼ばれたのアンタだし!帰るなら白猫さんが帰ってください。」
白猫「あ、じゃあお疲れ様でしたー。」
イツキ「ああああ!ごめんなさい!白猫さん帰らないで!後で女の子を呼んでおくから!」
白猫「甘い。今、呼べ。」
イツキ「…………。まぐろー。」
まぐろ「どうしました?」
白猫「まぐろちゃーん❤いやぁ、会いたかったにょん!」
イツキ「独特な語尾が……!!えっと、白猫さん、名前のイントネーションをお願いします。」
白猫「普通に『白猫』のイントネーションでいいよー。さっ、まぐろちゃん。私といいことしよっか!」
まぐろ「え、いや、いいです。それでは!本編をどうぞ!」
黒い雪原編
第八十七章「任せてください」
「はっ……はっ……!くそ、どういうことだよ……!!」
肩で息をするボロボロの青年。
黒の闘技大会決勝戦まで残った犬槇という青年である。
「ガハハ!終わりか?もう終わりなのか?」
大きく笑う白髪の男性は、シンゲン。袴を身につけており、そして刀を手にしている。
その体は巨大で、犬槇とは体格差があった。
「くっそ……!!でも……時間稼ぎは出来たようだぜ……?」
「時間稼ぎ?無駄じゃよ。」
シンゲンは横に刀を振った。
「ぐぅっ……!!」
犬槇は剣で止めた。
シンゲンの一撃は重い。
細い刀なのに、まるで巨大な大剣でも振られたみたいだ。
「ぐああっ!!」
力で押されて体が地面から離れた。近くの家に衝突する。
「がっ……!」
「犬槇さん!!」
「遅ぇよ神崎……。」
「すみません……手伝います!」
「任せての方が俺は嬉しいけどな……。」
犬槇の側に駆け寄る少女は、神崎まぐろという黒髪の少女だ。
顔の左側が前髪で隠れている。
「悪いが、女だからといって手加減はせんぞ。」
「構いません!」
まぐろは持っていたブロードソードを横に数回振った。
「何をしている?」
シンゲンは単純に気になった事を聞いた。
距離もあり、剣が触れる範囲にはいない。
ここまで残っている以上、適当に振っているわけではなさそうだが。
「教えません。」
「ふむ。何かはあるんじゃな。」
「…………あっ……!」
「一種の誘導尋問じゃな。いやぁ愉快愉快!!」
「むぅ……!!」
「落ち着け神崎。あいつはまだ、何かあると気付いただけだ。何があるかは気付いていない。」
「そ、そうですね……。」
一呼吸いれるまぐろ。
さらに縦に二回。斜めに三回。横に三回、剣を振る。
そうだ。シンゲンは不自然に思うだろう。
しかし一つ変わらないのは、シンゲンは二人と戦っているということ。
「……準備は出来ました。」
まぐろが構える。
今仕込んだのは、まぐろの剣『姫蜘蛛』の毒糸である。
痺れ毒が塗ってあり、かつ見えないくらい細いので、シンゲンが触れさえすれば勝機が見えてくるのだ。
「何をしたかは分からんが……関係無い。ワシは止められんよ。」
「神崎。」
「はい。」
「付いてこい!!」
「は……え!?ちょっと犬槇さん!?」
シンゲンに向かって駆け出す犬槇。
「犬槇さん!そっちはダメです!!」
「ぎゃあああああ!!!」
「いやあああ!!何してるんですかああ!?」
「何これ!?体が動かないんだけど!?」
「犬槇さんも分かってなかったんですか!?」
「知らねぇよ!聞いてねえもん!!」
仰向けのまま涙を流す犬槇。
こいつは一体何をやっているのか……なんだか久々に苛つくまぐろであった。
「犬槇さん…………貴方って人は……。」
「てへぺろっ♪神崎、あとは任せた!」
「……はぁ…………。」
溜め息を吐き、まぐろは再び構えなおす。
「分かりました……任せてください。」
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
後書きまで読んでくださってとても嬉しいです。
数少ないツッコミである犬槇が、ボケてしまいました。
これにはまぐろも……そしてどこかにいるイツキもショックを受けていることでしょう。
さあ、まだまだ続く闘技大会!頑張って書いていきます!
Thank You。




