第八十章「誰が化け物だ。闇の支配者と呼べ。」
まぐろ「今回の、イントネーションのコーナーには、こちらの方が来てくださいました!」
ミノリ「こんにちは。みんなのアイドル、ミノリです。」
まぐろ「おー!流石ミノリさん!」
イツキ「どこがだ?……でもミノリさんなら、みんなのメイドの方が合ってると思うけど。」
ミノリ「私には仕えるお嬢様がいるのに、そんなこと言うわけないでしょ、ふざけんなよてめぇ。」
イツキ「そこまで言うの!?えっと、ミノリさんの名前のイントネーションを教えてください。」
ミノリ「ミノリは『木こり』と同じイントネーションです。」
まぐろ「成程……木こりさんですか。」
黒い雪原編
第八十章「誰が化け物だ。闇の支配者と呼べ。」
「作戦、立てたのか?」
「はい。……準備は出来たか?まぐろ。」
「…………。で、出来ました。」
「遠慮なくいかせてもらうぜ。」
日光の体が揺らいだ。
恐らく、あれが争離だ。ものすごい速さで居合いをし、離れた相手に斬撃をとどかせる。
成程。毒が効いているのか、目で追いつける速さまで落ちているようだ。
…………待てよ?
争離を放ったということは、どこかが斬られているはずだが?
パサリと音がして、イツキのシャツは胸から上だけ残った。
「…………ふああああああああああああ!?」
「女々しい声を出すなよ!?やりづらいわ!!」
「ちょっ、何ですか日光先生!!俺の服を!!そっちの気でもあるんですか!?」
「無ェよ!!……はぁ……おどかしただけだ。神崎は女だろ。斬ると怒られそうだったから、霧雨のにするしかないだろ?」
「自分のがあるじゃないの。」
「何で自分の服を斬らなきゃならないんだよ!それでどうだすごいだろってなるか!?」
「いえ、ならないわ。何故自分の服を斬ったんだと思って、引きます。」
「だよな?ってか今薦めたよな!?ってか口調おかしくね!?」
「前からこれよ。」
「なわけあるか、女々しくなってんじゃねぇよ!!これがお前の作戦か!?」
「いえ。これは違うわ。これは不可抗力よ。」
「その口調やめろよ……。」
「不可抗力よ。」
「だああああああ!!!」
黒の国で行われている、黒の闘技大会。
ここでイツキは黒と同盟を組むために、優勝目指し戦っている。
決勝戦のルール、バトルロイヤルで残った6人がフィールドを駆けるなか、イツキはまぐろと手を組み日光を倒そうと考えていた。
…………のだが。
「私もうお嫁にいけないわ!」
「婿として迎えいれる側になれ。」
「それ、ツユ先生にも言われました……。」
「そうか……っていうか戦闘が進まねぇじゃねえか!もういい、いくぞ!!」
日光は跳躍して、イツキに迫った。
たった一歩で迫るとは、さすが日光だと言わざるをえない。
踏み込み、居合い。
「ふっ……!!」
「ぐっ……ぅぅっ……!!!」
レイピアで受けるイツキ。専売特許の受け流しをしようと思ったのだが……あまりの速さに受け流すことが出来なかった。
「あ?反応できんのかよ。」
「そうですね……この程度なら。」
「言うじゃねえか。bad boyだな、てめぇは。」
「そりゃどうも!!」
勢いよく、体重をかけて押し返す。
イツキは踏み込んで突きを放った。
……当たらない。日光が左へと避けたのだ。
「なっ……!?」
「スウィートなんだよ。」
「まぐろ!」
イツキが名を呼んだ。
するとまぐろは、日光に向かって、ブロードソードの引き金を引いた。
「うわっ!?」
屈んで回避する日光。
そのまま足払いでイツキを転ばせると、イツキの上をジャンプして距離をとった。
「だ、大丈夫ですか、霧雨先輩。」
「ぐっ……やっぱ日光先生は強い……。」
「毒、効いてるはずですのに……。」
そう。
日光は今、痺れ毒に侵されている。
まぐろの武器「姫蜘蛛」は、引き金を引くと鋒から糸が出る。
その糸に痺れ毒が塗ってあるのだ。
先程、居合いの速さに目が追いつけたのも、この毒で動きが鈍っているからだ。
「化け物かよ……。」
「誰が化け物だ。闇の支配者と呼べ。」
「闇の支配者!?恥ずかしくないの!?」
「仕方ないだろ、俺の左腕に宿るシャドウウルフと、共に生きる存在になっちまったからな。……これは前世から決まっていた運命で、俺はこの輪廻から逃れられないのかもな。」
…………何かブツブツと言っているが、要するにただの中二病である。
いつものことなので気にしないでおこう。
「シャドウウルフねぇ……ちょっと見せてくださいよ。」
イツキがにやけながら小馬鹿にする。
「あ?てめぇ馬鹿にしてんだろ。」
「まあ。」
「悪いが見せられねぇ。もしシャドウウルフを顕現させちまったら、喰われて死んでしまう。」
「へえー。俺が?」
「いや。俺が。」
「あんたかよ。」
「まあ、とにかく見せることは出来ない。ただ……。」
日光はニヤリと不敵に笑った。
「俺にシャドウウルフの力を、少し憑依させることが出来る。それじゃダメか?」
「いいですよ。……出来るものなら。」
「…………どうなっても知らねぇぞ。」
「ええ。」
日光は溜め息を吐いた。
どうやら憑依(笑)させるらしい。
「じゃ、いくぞ。」
日光は目を瞑り、息を大きく吸った。
……格好はさまになっている。
しかしながら…………思えばこの時、ここでやめさせておけば良かったのだ。
何故小馬鹿にしたのか、イツキとまぐろは後悔した。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
後書きまで読んでくださってありがとうございます。
明日から3日までお休みをいただきまーす。
それでは、Thank You。




