第七十八章「イブの古文書」
まぐろ「前回お休みした、イントネーションのコーナーですが、今回から復活ですよ~!」
イツキ「昨日は本当に時間が無かったよな。ってなわけで、今日はハツガ!」
ハツガ「作中で言ったことある。」
まぐろ「まあまあ!ハツガさんの名前のイントネーションは、どんな風に言えばよいのですか?」
ハツガ「『枕』。」
まぐろ「枕だそうです!そういえば、ハツガさんの苗字は?」
ハツガ「秘密。」
まぐろ「秘密ハツガさんですか……。それでは、今回はここまで!本編をどうぞ~!」
イツキ「いや違うと思うけど。」
黒い雪原編
第七十八章「イブの古文書」
定例会は続く。
この場に居るのは、青の国傭兵育成機関『海底の古城』長である、シュトルムブルー=オオノガン。
黒髪で氷上の魔法使いと呼ばれる男、夜咫乃 カラス。
白衣を着た女性、オナガ。
青色の髪をした女性、沖里 スズメ。
本来ならば、ここには11人の人物が出揃うはずなのだが……様々な理由で4人だけで会合をしていた。
「では、反抗組織の件は、その紫の刺客に任せるとして……次は?」
カラスの言葉に、一人椅子に座るオオノガンは頷いた。
「鍵の話だ。」
オオノガンの一言に、三人は顔を強張らせた。
「ん。鍵ですか……。」
「鍵って何でしたっけ。」
スズメの、この場には合わないすっとんきょうな質問に、オナガは苦笑した。
「んー……スズメもまだ、青十文字になって日が浅い方だからね。でも覚えておかなきゃダメだよ、私達の第二の目的なんだから。」
「ごめんなさい。説明をお願いしても?」
「仕方無いね……。」
オナガは一つ溜め息を吐くと、鍵について話し始めた。
「鍵は、私達が必要としている存在だね。『追加ノ門』は知っているね?」
「青と白の国境付近で見つかった、門よね……?」
「ん。私達が追加ノ門と呼ぶその扉を開けるには、鍵が必要なんだ。」
「…………あっ、思い出した。それで、その鍵を追いかけてるんだ!!」
「ん。思い出してくれたか。」
「結局、鍵が居たのは深淵の箱庭だったわよね。」
「人間が鍵とは驚いたがね。」
「何にせよ……。」
スズメとオナガの話に割り込んだオオノガン。
思わず二人は黙ってしまった。
「私達が鍵を手に入れることには変わりない。」
すると、カラスはふと思った疑問を投げかけた。
「鍵は今どこに?」
「黒だ。紫の刺客に、拘束せよと伝えている。」
「それなら近くに反抗組織がいるはず。今のうちに叩くことが出来るはずです。」
「そちらに戦力を注ぎこむと、他が疎かになる。考えはあるから気にするな。お前達は、ただ己が崇拝する者を間違えなければよいだけだ。」
「…………はい。申し訳ありません。」
「刺客、鍵、そして今会合最後の議題なのだが……。」
オオノガンはオナガを見た。
「オナガ、頼む。」
「ん。分かりました。」
オナガはくるりと後ろを向くと、アタッシュケースを持ち出してきた。
「ここにある『イブの古文書』の解読を進めます。」
「はは、恒例ですね。それが嫌だからサボりが出るのでは?」
カラスが横やりを入れる。
「……お前は嫌ではないのか?」
「別に。イブと言えば、新暦の英雄であり魔法使いの祖先だ。そのイブが遺した古文書を解読すれば、旧暦のことや魔法について知ることが出来る。解読しない手は無い。」
「私は嫌だがな。」
「私もー。」
「…………。真面目にしてくれ。」
今日の定例会も、まだまだ続きそうだ。
・・・・・・・・・
「ふふ、懐かしいねぇ……♪」
一方、ここは緑の国。
とある村。
体を横にして、写真の中の男を指でなぞる女性が居た。
「お昼出来ましたよ~!」
元気な声が部屋に響く。
それに気付いて、女性は写真を懐にしまった。
すぐに小さな女の子が来る。
「あれ?レイさん、何か見ていたのですか?……はい、お昼ご飯です。」
「昔の写真をね。……おっと、ありがとうなのだよ、夕立ちゃん。」
「昔の写真ですか?」
夕立という緑色の髪をした少女は、首を傾げた。
レイは笑顔で頷いた。
「うん、見てみるかい?」
「はい!是非お願いします!」
「ふふ、いいよ。……ジャジャーン!!」
取り出した写真を盛大に見せびらかす。
「これはイツキ君の入学式の写真なのだよ!深淵の箱庭編で拾った写真さ!」
「深淵の箱庭編?」
「気にしないでくれたまえ。」
「は、はあ……。あっ、これ、な、懐かしいです!」
写真の中の事を思い出したのか、テンションが高揚する夕立。
「確か、帰りに撮った写真ですよね?」
「うん。真ん中にイツキ君左隣に私で、右隣は夕立ちゃんと親父さんだね。写真の中に夕立ちゃん達を見たときは、そういえばって思ったのだよ。」
「ひどいですよ~!」
「ふふ、ごめんね。さあ、お昼を食べようではないか!」
「そうですね。いただきます!」
「いただきますなのだよ!」
手を合わせて元気に言う二人。
今日のおかずは、鯖の煮付けだ。
「二人とも!居るかい!?」
「…………なんなのだよ、村人。」
折角のランチタイムだったのだが、出鼻をくじかれてレイは口を尖らせた。
「村のはずれで変な古文書が見つかったんだ!箱庭所属の生徒である海岐華さんなら分かると思って……。」
「お昼食べてるから、後で持ってきてくれたまえ。」
「…………そ、そうか。」
レイが不機嫌だと分かると、村人はあっさりと引き下がって家を出ていった。
「……さっ、食べよう夕立ちょん。」
「ちょんって何ですか。動揺するくらいなら、見に行ってはどうです?」
「でも煮付けが……。」
「とっくに死んでるので逃げませんよ。」
「それはそうなのだけど…………いや、食べるのだよ。夕立ちゃんのご飯だからね。」
「……そうですか。では、食べましょう。」
レイと夕立は、談笑しながらお昼ご飯を食べ始めたのだった。
……しかし、古文書か。
また懐かしい言葉を聞いたな。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
後書きまで読んでくださってありがとうございます。
Thank You。




