第七十章「ハゲ+ナルシスト」
ハツガ「…………。」
カサ「ん?どうしたんだ、ハツガ。その服は。」
ハツガ「男物の服。男装する。」
カサ「なっ……!?まさか、何かに目覚めたのか!?」
ハツガ「…………。ううん、イツキがやれって。」
カサ「なんと!?少し間があったのが気になるが、今はそれどころじゃない!イツキに文句を言うぞ、ハツガ!」
ハツガ「うん。」
黒い雪原編
第七十章「ハゲ+ナルシスト」
黒の闘技大会決勝戦、24人のバトルロイヤルで熱戦が繰り広げられているなか、日光と出くわしたのは……ナルシストでマッチョ。髪の毛が無い男だった。
「フッ……驚いているようだな!日光群彰!」
「……まあ、少しな。」
屋根から男を見下ろす。
この男は先程、遠距離攻撃の争離という見えない刃を、手に持つハンマーで防いだのだ。
少なくともただ者ではない。
「…………。」
……うーん……相変わらずキラキラしている。
戦闘に支障は出な………………いや、出る。気になって仕方が無い。頭ではない、全体が妙にキラキラしているのだ。この男。
「そ、そのキラキラやめてくれないか……!?」
「無理だ……無意識のうちに出てしまうからな。」
「あ、そうなの!?たちが悪いんだが……。」
「罪な俺を許してくれ……。」
「あーはいはい……。」
苦笑する日光。同じ男ながら、こんな奴にはなりたくないと思った。
「まあいい。お前に待ってるのはBAD ENDだ。俺の闇の力で喰らい尽くしてやるぜ!!はあっ!!」
日光はそう言うと、屋根の上から飛び下りた。
「…………ふぅ……黒なのに大したことない奴等ばかりだったからな。少しは楽しめそうだぜ。」
「悪いが楽しませてやれない。何故なら俺が勝つからだ!!」
「ほざいてろっ……!」
日光は刀を抜いて駆け出した。
「斬下!!」
日光得意の居合い。
その居合いを上から垂直に振り下ろして斬る。
それが斬下だ。
「フッ……甘いぜ日光。」
ハンマーで、その一撃は止められた。
「なっ……!?だったら……!!」
日光は体を回転させた。
「逆斜罪!!」
斜め下から対角線上に振り抜いた。
本来は斜罪という、斜め上から対角線上に斬る技なのだが……。
今回のは斜め下なので逆と付けたのだろう。
「フッ……甘いと言ったはずだぜ日光!」
これも。
止められた。
「いちいち名前を呼ぶんじゃねえ!!元々キャラが濃いくせにさらに濃くすんな!!こっちはもうお腹いっぱいなんだよ!」
「お前……この状況でおっぱいて……!!」
「言ってねぇよ!!だからこれ以上濃くすんなよハゲシスト!!」
「ハゲシストとはなんだ!マッチョ要素を入れろ!!」
「そっちかよ!!いやだから!!!これ以上!!キャラを!!濃くするんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!」
日光は力を込めて、ハンマーごと男を押し飛ばした。
「くっ……やるな、日光。」
「そりゃどうも……。」
……とは言え、こちらの手が通じないのは変わらない。何か打開策が無ければ、負ける。
「…………斬下も争離も、斜罪も駄目なら……新技しかねぇのかなー……。」
不敵に笑う日光。
日光は居合いの構えをやめて、両手で柄を握った。
「何をやろうとも、無駄だ日光!」
「だからいちいち名前を呼ぶな……。でもな……無駄じゃないと思うんだよな。」
「ほう……?」
「来いよ……。そういえば、まだ名前を聞いてなかったな。」
「野田だ。」
「……いいぜ、野田。いつでも。」
「じゃあ、遠慮なく……!!」
野田は日光へと駆けた。
ハンマーを振り上げないということは、下からかち上げる気だろう。
「俺も、剣道を少し教えてもらったんだ。犬槇の邪魔は出来ないし、紅には教えを乞いたくなかった。我流なんだが……威力は桁違いのはずだ。」
「煌めけ!!」
「守真無。」
こんにちは、アフロ月です。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
日光VSハゲシスト……もとい野田。
因みに黒の国出身のキャラクターは、歴史上の人物の名前をもじっています。
誰が元になっているかは、まあ、追々。
最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。




