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風の始まり 〜墜落した風神?〜

この小説は、話によってジャンルが大幅に、そしてランダムに変化します。それだけは忘れないで下さい。

両親が他界して何年経ったのだろうか…。

自分が小さい時に交通事故で死んだのだ。

今は十七、両親が死んだのは俺が四つの時だから…、そう、十三年経ったんだ。俺の名前は桜朧璽 灯也(おうろうじ とうや)

今、桜朧神社という、神社の神主をしている。

何故こんな歳で神主をしているか、頭のいい人は納得するだろう。

そう、先に述べた通り、両親が他界したからだ。

父さんも神主をやっていた。桜朧璽家は代々この神社を継いできた。

大体、三十から四十才の内に次の代の者に神主を交替してきたらしい。

しかし、父さんは交通事故で死んでしまった。

だから、自分が代わりに神主をしている。

幸い、山奥のひっそりとした神社だから、参拝する人も少ない。

自分がしっかりしていれば大丈夫だ。

お金は、…両親がかけていた生命保険とやらのお陰で、腐るほどある。

…自分や爺さんや婆さんが使いきれないくらいに。            

神社はそれぞれ(まつ)っている神がある。

桜朧神社が祀っているのは風神だ。

ほら、稲荷像がある神社があるだろう?

あれは九尾の狐、玉藻の前を祀っている証だ。

桜朧神社には鴉天狗の像がある。

鴉天狗は風神級の風を起こせることから、一部で風神と言われている。

この桜朧神社もその〈一部〉に入る。

都内の神社は雷神、先に述べた九尾の狐等、様々な神を祀っている。まぁ、そんなことは参拝する人々には関係ないだろうが。


            「…ふぅ、もう落ち葉は無いな。さて、お茶でも飲もうか…。」

…自分で言うのもなんだが、神社を継ぐため自分は高校には行っていない。

そのため、最近の流行やその他色々なことに疎い。

たまに来る幼なじみや中学時代の友人達によく、〈爺臭い〉と言われている。

…確かに、ジュースよりお茶が好きだし、縁側で日向ぼっこが趣味だ。…まぁ、そんなことは置いておこう。                   夜の事だった。

ヒュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…………ン……ズドン!!…と、物凄い音がした。

隕石?と思って、落下地点だと思われる裏庭に行ってみた。

…そこで、自分は凄まじい光景を目の当りにした。

まず、黒っぽい羽が散乱していた。

次に、辺りが水浸しだった。

そして、池には…女の子が、落ちていた。…溺れている、と言った方が正しいのだろうか?

思いっきり足がつく浅さのはずなのに、ガボガボ…といって両手をばたばたさせていた。

黙って見ているのもなんだか可哀想になってきたので、池から引き上げてやった。

「ガハッ!ゴボッ!ガッ!ハァ…ハァ…ハァ…。」

…どうやら本当に溺れていたらしい。

「あ、あり、ありりがとう、ゴボッ!ございます!」

「落ち着いて、落ち着いて。大丈夫かい?」    危なっかしい少女である。

「はい、お陰さまで。」

…復活も早いらしい。

「どうしたの?…というより、この状況は…?」

状況確認。       「はい、すいません。落ちてしまいました。」

そして意味不明。

「…落ちた?」

「はい、空を飛んでいたらいきなり羽が小さくなって、飛べなくなって、落ちました。」

「羽?空を飛ぶ?」

少女の背中を見てみる。 …小さい黒い羽がピコピコと動いていた。

「…君は…?」

「えっと、風見鳥 彩(かざみどり あや)です。単刀直入単純明快に言いますと、鴉天狗兼風神です。」

いや、いっぺんに言われても…風神?

「…羽は作り物じゃあ無いようだし…本物?」

一応確認。

「はい。本物です。」  見事的中。

「…えっと、どっちなのかな?えと、鴉天狗なのかな?それとも、風神なのかな…?」

「え〜っと、鴉天狗が風神という仕事をしていると解釈して下さい。私はまどろっこしいので、神としての風神(ふうじん)とは言わずに、仕事としての風神、風神(かざがみ)と、訓読みで呼んでいます。」

…近頃の神は仕事なのか?

「…で、そのカザガミの君が、なんで空から落ちたの?飛べるんじゃないの?」

「さぁ…?多分、羽が小さくなったのは鴉天狗の力とは関係無いはずなので、風神としての力が弱まったんじゃないかと思います。」

「…なるほど。別々なんだ。…その風神の力が弱くなった原因ってわかる?」

疑問だらけである。

「…神の力って、神社や寺と同じなんですよ。」  ごめん、わからない。

「ほら、神社や寺って、参拝する人が多ければ多いほど比例して大きく華やかになりますよね?」

確かに。

「神も同じで、信仰する人が多ければ多いほど比例して力が大きくなるんです。」

…とゆうことは?

「つまり、風神を信仰する人が少なくなったから、風神としての力が少なくなって飛べなくなったと?」

「はい。多分そうです。」

…いや、ちょっと待て?

「鴉天狗も飛べるんじゃ…?」

彩は衝撃を受けた様な顔をして…

「っ!!確かにそうです!!…ってことはもしかして鴉天狗としての力も弱くなったってことですか!?うわ〜〜〜〜ん!!」

…泣きだした。

慰めようと声を出そうとして口を開いた。

…が、しかし。

今の所、すぐに空に帰してやれる訳もなく、その、鴉天狗の力を元に戻してやれるわけでもない。

―変な慰めはかえって彼女を傷つけるのでは…?

…そう、思った。


            ―三分後―

ようやく泣き止んだ彩が、ポロリと一言呟いた。

『どうしよう…。何処にも行く宛てないし、雷神ちゃん達にも迷惑かけたくないし…あぅぅぅぅぅ…。』

…しっかり聞こえてるよ。…雷神?

…あっ…そういえば…

飛べなくなった第一理由として、信仰の力(神としての力…神力?)が足りなくなったのが原因だったはず。

…と、いうことはつまり、風神を信仰する人を増やせばいいんじゃ…?

―もしそうだとしたら、ここはうってつけの場所じゃないか。

「じゃあさ、ここでしばらく一緒に居ないかい?」

「…ふぇ?」

「ほら、ここ神社だしさ、君が協力してくれれば参拝客を増やせるかもしれない。なんの偶然かわからないけど、一応風神を信仰してるんだ。この神社。ね。君は力を取り戻す。さらに神社は評判になる。…お互いに一石二鳥じゃないか。」

彩は半泣き声で、しかし嬉しそうな顔をして、

「いいんですか…?自慢じゃないですけど、私よく他の神から〈てんねん〉とか〈どじ〉とか言われるんです。…えっと…?」

「灯也。桜朧璽灯也だよ。」

「あ、すいません。…その、灯也さんに迷惑をかけてしまうかもしれませんが、そんな私でも…いいんですか…?」

もじもじと妙に可愛らしい仕草をしながら、心配そうに尋ねてくる。

そんな彼女が可愛くて、つい、こんな言葉を口からこぼしてしまった。

「別にいいよ。…何ていうかさ、寂しい…って訳じゃないんだけど一人きりってつまんなくてさ。一人で居るより二人のほうが…なんていうか…楽しいと思うから、ね。」

彩は泣きだしながら…

「…うっく、ひっく、ふぇぇぇ〜〜〜〜ん!!ありがとおございます!!ちゃんと働きますぅ!!この恩は忘れません!!」

…いや、そんな大袈裟な。

            …とまぁ、こんな感じである。つい昨日のことだ。

そして隣には…

「えへへ…灯也さん…。」

と、彩が自分に寄り添っているのだった。

            …これから、どうなるのだろか…?

無事に、彩を空に帰してやれるのだろうか…?

…そんな思いが頭をよぎっていた。


            〜序の風・了〜

…ホント、どうなるんでしょうね?(※作者もわからない。)

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