授業
すみません、課題に追われたせいで更新が遅くなってしまいました。
これから学校の方が始まるので、一ヶ月に2、3回ぐらいのペースで更新することになるかもしれません。
今後とも宜しくお願いします。
ヴァクストゥーム学園に入学してから、3日目になりました。
今日からは本格的な授業が始まりです!
ヴァクストゥーム学園の授業は2種類あります。一つは、歴史や計算などの知識を養う普通授業です。魔法構成などの勉強もこの授業で行われます。
もう一つは、実際に剣技や魔法を使う実技授業です。意外にも、騎士科の人にも魔法の実技があり、魔法科の人でも体力をつけるためのランニングや簡単な護身術の授業があるそうです。
あと、体格の異なる相手と戦う訓練になるからといって、実技も基本男女混合の授業になってます。
本日の一時間目は、いきなり実技の授業でした。なのでSHRが終わったらすぐ、更衣室で1年のカラーである赤色ジャージに着替えてグラウンドに行きました。
この授業は2クラス合同で行われるらしく、私たちG組はH組と一緒のようです。
「準備運動が終わったら、授業終了5分前まで全員でランニングだ!」
大声で指示をとばすのは、我らがGクラス担任のムスケル先生です。今日も今日とて、いい筋肉です。あと、スキンヘッドの頭が太陽の光を反射していて、とても神々しいお姿です。
Hクラスの担任の先生もいましたが、ムスケル先生の筋肉の前では路傍の石のようなもので、あまり記憶には残らなかったため割愛します。
この授業は剣技の実技の中でも、基礎を覚えるためのもので、対戦よりも素振りや体力作り、それと剣術を教わります。
今日はずっと走り込みをしました。
たかが、ランニングと侮ることなかれ。45分間、同じ景色の中を走り続けるのは地味に辛い。しかも、わざわざ剣を背負って走るのです。この時に使う剣は、学校指定の刃の潰れたものなのですが、本物の剣の重量を再現しているという無駄なクオリティのせいで、これが割と重いのだ!
ランニングの終わる頃には、大抵の人がバテてしまっている。
私は前世チートのおかげで、さほど疲れなかった。いや〜、こういう時だけは前世チートがあって良かったと思うわー。
家柄により普段から鍛えているヴィアも余裕の表情だった。さすが!
二時間目は歴史、三時間目は数学といった普通授業を連続して受けました。今日は授業初日ということもあって、自己紹介とこれからの授業の流れの説明だけで終わりました。
この二つの授業は特に紹介することはないので、歴史の先生は優しそうなハゲで、数学の先生は神経質そうなメガネとだけでも言っておきます。
四時間目はまた剣技の実技授業です。今度は一時間目とは違って実践訓練のものです。
今日は2人組で簡単な剣の打ち合いをして、それぞれの実力の程度をみるそうです。実技の授業はHクラスと合同のため、マスル先生とHクラスの担任が監督をしてます。
今回の打ち合いで使う剣は、先程のランニングでも使った刃が潰れているものなので、安心して打ち合うことができます(ただし力を入れすぎると相手が打撲してしまいますが)。
二人組の打ち合いはヴィアと一緒にやりました。…他に知り合いがいなかったので。
前世チートのおかげで、ヴィア相手でもいい勝負ができるが、私は目立ちたくない主義なので反撃はしないで、ヴィアの攻撃を適当に受け流すだけにしておきます。
とゆーか、ヴィアの方も手加減して打ってきています。ヴィアが本気を出したら、こんな剣なんてすぐ折れるからね!
お互い手加減しながら、のんびり(?)打ち合っていると、先生たちが私たちの打ち合いを見にきました。
…他の生徒を見る時よりも、熱い視線を感じるんだが。
こっ、これは私ではなくて、公爵令嬢であるヴィアを見ているんだよね!なんたって今世での私は、ふ・つ・う・の一般人で通しているのだから!
少し冷や汗をかきましたが、四時間目は無事に終わり、やっと昼休みの時間になりました。
ヴィアと私は制服に着替えて、お弁当を食べるために移動することにしました。
「ヴィア、何処でお昼食べるつもりなの?」
「んー、中庭とかは他に使う人が多そうだから、裏庭の方にある温室で食べようと思ってね。あそこならあまり人がいない筈だし」
「え、勝手に入ってもいいの?」
温室なんて場所、許可なしに使っちゃ駄目なんじゃないの?
「実はその温室は昔、この学園の生徒で五大公爵家だった人たちが自費で作ったらしいの。それで、その人たちの意思で五大公爵家の学生なら自由に使ってもいいことになってんのよ」
ありなのか、それ!? いくらなんでも自費で学園に設備作っちゃうとか!
さすが五大公爵家ともなるとスケールが違うなぁ。
因みに五大公爵家というのは、この国を支える五つの公爵様で、王家の次に凄い立場にある家柄の人たちだ。そして、ここにいらっしゃるヴィアは、その五大公爵家の一角"スロース家"の御令嬢様なのだ。こんな凄い娘と私が友達になっているが不思議なくらいだ。
温室は昇降口から歩いて、6分程の場所にありました。ビニールで囲まれたそれは大人数でも余裕をもって入れるぐらいの大きさがあります。
中に入ってみると、そこには様々な木々や花々といった植物がたくさん育っていました。しかも適当に配置されているのではなく、しっかりとより美しく見えるように考えられた配置されています。少し幻想的であり美しい光景に思わず声をあげてしまいます。
けど、そんな夢心地は長く続きませんでした。なんと誰もいないと思っていたこの場所で食事をしている人を発見したのです。
それは、
五大公爵家でもある我が宿敵のオスクリタ・グリードでした。
その姿を見て、真っ先に思ってしまった。
―――え、お前、ぼっちで食べてんの?、と。
私はぼっち飯はいいと思います!落ち着くので。