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セカンドライフは平凡でっ!  作者: けろ助
入学編
7/15

呼び名

「では、いってきます!」

「はい、いってらっしゃい」

「姉様、いってらっしゃい〜」


可愛い母と妹に挨拶して、私は家を出た。父様は昨日から仕事で、既に家にいません。爵位は低いけど、割と忙しいそうだ。


学園には何事もなく着くと思いきや、校門の前でオスクに会った。いや、会ったというよりも見かけたといった方が正しい。

奴はなんと憎たらしいことに多くの女子生徒の視線を集めながら登校していた。1年生であることを示す赤い色のリボンの他にも2年生の緑や3年生の紫のものもあるので、どうやら先輩からも思われているようだ。

あんな無表情で可愛げのない奴の何処がいいんだか。ーーそうか、顔のつくりかっ!


「おはよっ!じろじろ見ちゃって、やっぱリィもオスクリタ・グリードのことが気になってんのー?」


いつの間にか登校していたヴィアがニヤニヤした顔で近づいてきた。


「狙ってない。あの無駄に整った顔が爆発しないか祈ってただけ!」

「イケメンに何か恨みでもあるの?」


べ、別に可愛い女の子に囲まれていて羨ましいとかじゃないんだから!すいません、ふざけました。

誤解を与えているかもしれないので、今のうちに言っておきますが、別に私は女の子が好きとかではない。ただ、女の子の友達が前世の頃からあまりいなかったので、羨ましいだけです。まあ、純粋に可愛いものが好きというのもありますけどね!



いつまでも校門で喋っている訳にもいかないので、ヴィアと一緒に自分たちのクラスのG組に向かう。


私たちのクラスの総人数は30人で、そのうち男子が20人、女子が10人と騎士科だけあって、やはり男子の方が数が多いようだ。因みに魔法科の男女比はほほ同じぐらいだそうだ。


クラスに着いてから程なくして、SHRの時間になり、担任の先生が入ってきた。

このクラスの担任の先生の名は"マスル・ムスケル"といい、とても素敵な先生です!

ムスケル先生は超マッチョです。タンクトップから覗くぶ厚い筋肉が素敵です。そして、頭はスキンヘッドでかなりの色黒で身長もとても高く、印象に残る先生です。ともかくこれだけはわかって欲しいです、とても素晴らしい筋肉です‼︎‼︎

なんというか、騎士科の先生ということが一目でわかる見かけなのだ。ナイス筋肉!


素敵なムスケル先生によるSHRが終わった後は、すぐに一時間目の授業です。


授業は通常50分間行われ、その後10分間の休み時間がもうけられます。四時間目の授業の後には、昼食を含む一時間の休み時間があります。


今日は授業初日ということで、自己紹介とクラス役員決めで、すぐに一時間目は終わった。

因みに、ヴィアと私はなんの役員にもならなかった。働きたくないのでね!


その後は、校舎案内などの基本のことして午前の授業が全て終わる。今日は午後の授業がないので、これで帰宅だ。 部活見学ができるらしいが、私とヴィアはそもそも入る気はないので、即帰宅させてもらいます!


今日はまっすぐ家に帰らずに、昨日オスクと会った路地裏に足を運びました。


昨日、学校が終わったらすぐにここで話す約束をしていたのです。勿論、オスクと。


私がそこに着いた時には既にオスクがいました。オスクは私を見つけるとすぐに昨日も張った結界を作り出しました。これで安心して話せるので、つぐつぐ魔法ってやつは便利だなーって思った。


「まず、お前に伝える事があってな。

騎士科の新入生代表になった"カーミラ・エンヴィー"には気をつけろ」


無表情のまま、オスクが話す。


「なんで?」

「あの女は俺とペアになりたがっていたからな。だから俺とペアを組む事になるお前に何かしてくるかもしれないからだ」

「ちょ、おまっ、そういうことはもっと早くに言えよ!」


聞いてない、聞いてないよ、それ‼︎


うわー、昨日予想した通りの展開だー!そのことを事前に知っていれば、ペアを組もうとはしなかったかもしれないのに!

しかも、相手は1年騎士科の一位にしてあの"エンヴィー家"だ。これは最大限に注意しなければ。


私の怨みの籠った視線を受けても、オスクは表情を崩すことなく、どこ吹く風で「言えと言われなかったからな」なんて言いやがった。この野郎、絶対気づいてて黙ってた‼︎


「このひとでなしっ!」

「なんとでも言え」

「性悪!悪魔!女顔!」

「最後のは怒るぞ」


その後もオスクへの悪口を思いつく限り言い続けた。私が疲れて言葉を止めると、オスクは不思議そうに言った。


「…俺とのペアをやめるとは言わないのか?」

「え?だって、そんなこと言っても無駄だろ?」


用意周到なこいつのことだから、全ての逃げ道を塞いでるんだろう。なんせ、細かくてねちっこい奴だからな!


それを聞いて、オスクは一瞬きょとんとした後、笑った。


「ああ。もうお前は俺から逃げることなんてできないさ」


………どこのヤンデレ発言ですか、ソレ。


こいつは珍しく笑っているから、からかってるいるのだろう。全く、たちの悪い冗談だ。


オスクはそれだけ言うと満足したのか、結界を解いて歩きだした。


「またな、リーチェ」

「おう」


…あいつに『リーチェ』って、呼ばれるとむず痒いな。なんか、違和感が半端ないわー。



マスル・ムスケル先生はお気に入りのキャラです。今後もちょくちょく出てきます。

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