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セカンドライフは平凡でっ!  作者: けろ助
入学編
5/15

やっちまった

今回、いつもより短いです。すみません。

オスク(こう呼んでくれと言われた)とペアになることを決めた後、簡単に自己紹介をしてから、それぞれ自分の家に戻った


家に帰るとすぐに自分の部屋に向かう。本当は可愛い妹と母に癒されたかったが、今は自分の状況を整理した方が良いと思ったのだ。


制服から着替えないまま、部屋の隅にあるベットに横たわって、今日の出来事を振り返ってみる。


「いや〜、まさか"セレン"の生まれ変わりとあんなとこで会うことになるとは…」


セレンというのは、前世の私と共に直接魔王と戦った、後に英雄となる赤い瞳をもつ魔導士のことだ。実はセレンとは幼い頃から知り合いだ。当時は赤い瞳なんてもつ人間はあまり知られてなく、それだけで迫害の対象になった。

それはまだ十歳でしかないセレンも例外でなく、彼は村八分の状態だった。

私自身もあることで住んでいた村の人たちに避けられていたので、同じ境遇の者同士で彼とは惹かれあったのかもしれない。


いやぁ、懐かしいな…。ショタセレンとの出会いなんて。


ショタセレンは、ものすごーーーく可愛かった。艶やかな黒髪に兎の様に真っ赤で大きな瞳、ショタセレンの姿を思い出すだけで、鼻血が出そうになる。

あまりの可愛いさに女の子だと思った私が、「わたしを貴女の騎士にさせてください!」と、いきなり叫んだことは今ではいい思い出だ。


おっと、話が脱線してしまった。前世の時のことではなく、今世のことを考えなければ。


「それにしても、会った初日からペアになることが決まるなんてな」


会うことだけでも驚きだというのに、あんなにも簡単にペアとして組むことが決まってしまうなんて!

つい先程のオスクとの会話を思い出してみて、自分チョロすぎんだろ!って思ってしまった。平凡ライフを目指している癖に、オスクの口車にまんまと乗ってしまった。

思い返してみると、不可解な点があるというのに…。


「私と組むことによるオスクの方のメリットって、いったい何なんだ?」


あいつは自分と組んでも驚かなくて、かつ気軽に接せる私だからペアになりたいといった。


でも、本当にそれだけなのか…?


前世から知っているあいつは、自分の実力に驚く奴なんて放っておいていた。他人の感情の変化なんて気にしない奴なのだ。そんな奴がいちいち驚く人が面倒だから私と組むなんてこと、本当にあるのか…?

元々人付き合いが不得手だったあいつが、ペアの人間と気軽に話すことができないなんて、気にも留めない筈だろ。


なのに何でわざわざ私とペアになりたいなんて言ったんだ?


考えれば考える程、分からなくなってきた。まぁ、私がよく知っているのは前世のあいつだから、今世ではいろいろ変わっているのかもしれないな。


答えの出ない問題は諦めて、オスクとのこれからの学園生活についても考えてみた。


「オスクとペアを組むなんて、絶対目立つよなー。何でペアを組んだの?って聞かれた時、どうしよっかな」


成績優秀で容姿端麗な公爵家のオスクと成績普通で背が高いだけな子爵家の私じゃ、つり合いがとれてないので、疑問に思う人たちが多いことだろう。


質問が来たら、『オスクが適当に選んで、たまたま私になった』とでも言っておこう。


…駄目だ!そんな理由じゃ、きっと賢い我が友人、ヴィアが騙されるものか!

黒いオーラを放ちながら、笑顔で「本当のこと教えてくれるわよね、友達でしょ?」って言われる未来が見える。そして、めちゃくちゃ焦ってしまい、本当のことをポロっと洩らしてしまう私自身も見える。


あ、頭のいいオスクに良い言い訳でも考えてもらおう…。


苦しいが、なんとか解決策が出たことで重荷が降り、急に眠気が襲ってきた。今日いろいろあったから脳が疲れてんのかな。

要求のままに目を瞑って、少しの間眠ろうとする。


…。


……。


……………、あ。


もうすぐで眠りに入るというとこで、大変なことに気づいてしまった。


オスク(超美形)とペアを組むなんて、ヴィア以外の女子から物凄く嫉妬されて、最悪ハブられるんじゃ…?


…………やばい、早くも選択ミスったかも。


その後はゆっくり眠れる筈もなく、夕飯の時間までずっと悩み続けていた。





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