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セカンドライフは平凡でっ!  作者: けろ助
プロローグ
1/15

昔話をしましょう

今作は『今世では平凡に生きたいのですが…』を改稿したものです。

これから宜しくお願いします。


「姉様、寝る前に英雄様たちのお話をして!」


ベットの上で私の可愛い妹であるカローラが大きな蒼い瞳でこちらを見上げて頼んできた。

私はその愛らしい栗毛を撫でながら、妹のささいなお願いを叶えることにした。


「いいよ。じゃあ、さっそく話そうか。


これは昔、私たちが住んでいるこの大陸で本当にあったお話です。

五百年以上も昔から魔族と魔族以外の種族は、争っていました。

争いが起きた理由はほんの些細なものでしたが、その戦いはどんどん規模が大きくなっていき、たくさんの種族のものが亡くなってしまいました。


そして、その長い長い戦いは5人の英雄たちによって、二百年前に決着がつきました。


その5人の英雄とは、竜族の長であった銀髪の青年、エルフの国で魔術師長だった桃色の髪の少女、獣人の国で最も強いといわれた虎の獣人の大男、そして、二人の人間でした。

その二人の人間とは、金髪碧眼の女騎士と黒髪に赤い瞳の魔導師でした。

彼らは最も弱いと揶揄される人族であったのに、魔王と直接戦い、自分たちの命と引き換えに魔族の王である魔王を倒しました。


自分たちの王が倒されたことで、魔族たちの勢いが消え、決着がつくのは時間の問題でした。


こうして、人間たちが戦いに勝ち、この大陸グローリアに平和が訪れましたとさ。


めでたし、めでたし」


これは有名な話で何度も聴いたことがあるだろうに、カローラは飽きずに笑顔で聴いてくれていた。 ほんと可愛い。


「わたし、そのお話を聞くたびに英雄の女騎士と姉様が似てるって感じるの!」

「そうかな?」

「はいっ!女騎士様と同じ金髪に青い眼のとことか、凛としたまっすぐな瞳とかが!」


確かに私は英雄の女騎士と同じ金髪碧眼である。妹であるカローラも同じように蒼い瞳をもっているが、その髪は栗色だ。

私の髪色は父様からの遺伝で、カローラの髪は母様からの遺伝なのだ。ふわふわの栗色の髪の方がよっぽど可愛くて、羨ましいんだけどな…。


「ありがとう。伝説の英雄と似ているなんて、私にはもったいない褒め言葉で、嬉しいよ。

あ、そろそろ寝る時間だ。おやすみ、カローラ」

「はい、おやすみなさい。姉様」


カローラに寝る前の挨拶して、私は自分の部屋に向かった。


「 それにしても、英雄の女騎士と似ているか…」


なかなか鋭いところがあるようで、カローラの将来が楽しみだ。


なぜなら、私は、本当にその英雄だったのだから。


私こと、"リーチェ・フロレアル"には前世の記憶がある。

その記憶とは、二百年前の大戦争の英雄となった人族の女騎士の"ソル・オネスト"だった時のものが。



少し前世(むかし)の話をしましょう。


前世では、英雄譚として今世(いま)の世界で話されているように、確かに自分は魔王と直接戦った。


そして、その時に魔王によって与えられた傷のせいで命を落としてしまった。


ここで、胸の内を言わせてください。


冗談じゃねぇ!!!


私は騎士になったのも、儲かりそうだからといった理由で、国の為に命を落とす覚悟なんで、まっっったくなかったのに!!

魔族との戦争では、私は後方で魔法を放つ魔術師たちの警護を主にしていて、魔王と戦う前衛部隊ではなかったのだ。

それなのに、空気の読めない魔王めが此方に来やがって、警護を任された私は戦うはめになってしまい、それで死んでしまうなんて…。


私はお金を貯め、田舎に家を買って、のんびりと第二の人生を送るのが夢だったのに。たった22歳で人生を終えるなんて、残念すぎる!



とまあ、そんな前世のことがあるので、今世では『地味に過ごして老衰で死ぬ』ということを目標にして生きていくように決めています。



生まれ変わった先の人物である"リーチェ・フロレアル"は、前世と同じ人族の女性でした。 しかも、容姿も以前と殆ど変わらず、腰まである金髪に瞳は蒼く、さらには剣の腕までもしっかりと受け継いでいるようでした。

しかし、せっかくの腕ですが、前世の二の舞にならないためにも使わずに、思いっきり手加減していくようにします。


あと、前世の時みたいに、騎士になんて間違ってもなりません。女性ができる落ち着いた職に就いてみせます!


そして、15歳である今、いったって普通だけれど、優しい家族に囲まれてそれなりに充実した毎日を送っています。


ですが、そんな平和はそう長く続いてはくれません。


また、あいつ(・・・)と会ってしまったことでー。


運命って言葉ほど残酷なものはないと改めて思いました。


一ヶ月に1回以上は更新していくようにします。

拙作ですが、お読みになっていただけると、嬉しいです。


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