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教えて!誰にでもわかる異世界生活術  作者: 藤正治
王都からきた監察官
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トラブルメーカー

「監察官?」

「シッ!! 声が大きいです!」

 と、セレスに大声で叱られた。


 昨日出会ったアステルという女性が、どうにも気に掛かっていた。

 冒険者ギルドを探し、往来で冒険者と騒ぎをおこした彼女。

 人と接する態度も誉められたものではないのに、頻繁に彼女の容貌を思い出す。

 白い髪、色素の抜けた肌、赤い瞳が脳裏にちらつく。

 ひょっとして惚れたか?

 翌日の朝、俺とクリス、フィーは冒険者ギルドを訪れた。

 ふと思いついてセレスに尋ねてみたのは、半ばあてずっぽうだった。

 だから返答があったこと自体も意外なら、内容も予想外だった。

「王都にあるギルド本部は、地方のギルド支部の運営状況を探るため、監察官を送り込んでくることがあるのです」

 セレスはカウンターに身を乗り出し、声をひそめた。

 俺もつられて顔を寄せたが、クリスにむんずと後ろ髪をつかまれ、引き戻される。

「近すぎです」

 もうちょっと優しくして? 抜けるから。

「つまり、あのアステルという女性が、その監察官だと?」

 俺の問いに、セレスは眉をしかめて頷く。

 しかし、なるほど。そう言われてみれば、あのお堅い印象も納得できる。

「ですからタヂカさん、あの女には手を出さないでください」

 セレスがしごく真剣な顔だったので、つい頷きかけてしまった。

「相手は本部のエリートです。いつもの調子で粉をかけると、本部から目をつけられる可能性、いえ下手をすると査問のため王都に召喚と言う事態も」

「セレス、真面目に言ってる?」

「もちろんです。監察官はそれだけの権限を持っているのです。ただし査問とは言っても、基本的には支部所属の冒険者に本部は手出しできません。多分に形式的なものですが、あいつらなら嫌がらせにやりかねませんから」

「そっちじゃない」

「冗談ですよ?」

 俺がジト目で睨むと、セレスはほがらかに笑った。

「本部の飼い犬ごとき、タヂカさんが相手にするはずありませんものね?」

 ………………あれ? いま

「あいつらときたら、帳簿の隅々まで事細かにネチネチと突っついたり、無駄な経費がどうのとか、棚の肥やしみたいな報告書の署名漏れを勝ち誇って指摘したり!」

 バキッと音がした。興奮したセレスが、ペンをへし折った。

「こっちは! 夜遅くまで残業して! 討伐記録や買取台帳を記帳してるんですよ! 毎日定時で仕事をあがるような! 本部のお気楽仕事と一緒にしないでほしいです! そもそもこっちが困っている時にはろくな支援もしないくせに!! 何が上納金ですか!! 裏組織か! お前らっ!!」

 周囲には他の冒険者たちがいたが、彼らは一様にそ知らぬふりをしている。

 とばっちりを恐れているのか、エキサイトするセレスに誰も視線を向けない。

「どうどう」

 セレスの眉間の縦じわがすごい、跡が残ってしまいそうだ。

 人差し指を伸ばし、くりくりと眉間をもみほぐしてあげる。

 マッサージをしながら、思考はボンヤリと宙をさ迷う。


 赤い瞳をした彼女の顔を、またもや思い出した。


      ◆


 セレスに冒険者ギルドから叩き出された。

 美容に関する心遣いは余計な真似だったらしい。

 俺とクリス達は南門から出て丘陵地帯へと赴いた。

 今日は本格的な魔物討伐を再開する前の、スキルの総ざらいである。

 看破、探査、射撃管制、射撃、隠蔽、剣術、回避、並列起動、投擲、治癒術、瞬息

 ヤバイ固有スキルを除いても、ずいぶんと増えてきた。

 種類の多さだけなら、普通のスキル所持者と比べて圧倒的だろう。

 スキル群の種類の豊富さが俺の長所であり、同時に欠点でもある。


 有益なスキルを三つ以上所持する者はまれだ。

 たった一つしか所持しない者は、そのスキルを最大限に活用できる状況を自ら作り上げ、頻繁に使用するはずだ。

 自然とそのスキルに対する理解が深まり、熟練する。

 その結果、スキル本来のスペックを十二分に引き出す技量を身につける。

 研ぐほどに切れ味が増す刃のようなものだ。

 一方の俺は、その場の状況に合わせて最適なスキルを選択している、つもりだ。

 ただし訓練であれ実戦であれ、個別のスキルに掛ける時間は分散されてしまう。

 だからスキルの使用方法がどれも未熟で、スペックの全てを引き出す技量がなかなか身に付かない。

 達人には程遠い、小細工頼りの素人にしかなれない。

 せめてスキルに被っているホコリをはたく必要がある。

「そんな訳でちょっと辺りをまわってくる」

 最近、彼女達にはちょっとずつ、俺のスキル構成を明かすようにしている。

 俺のスキルを把握していなければ、パーティーとして協力体制を作るのは難しいからだ。

 ただし、全てではない。我ながら臆病だとは思うが、いまだ覚悟が決まらない。

「それはよろしいのですが、私たちは何をしていればいいのでしょう?」

 俺の考えを説明したら、クリスが尋ね返してきた。

 その呆れた視線は止めて? 器用貧乏なりに努力しているんだから。

「そうだな…………フィー?」

「なに?」

 地面にしゃがみ込んで退屈そうな彼女に声を掛ける。

「君に課題をやってほしいんだけど。クリスにはその間、護衛を頼みたい」

「え~また~~?」

 なんかあからさまに不服そうな顔だ。

「なんだよ、またって」

「いつもわたしにばっか、ムズカしい注文を出すんだもん」

 むう、確かに。安全かつ効率的な討伐を模索すると、どうしてもフィーに負担をかけてしまう。

 後ろめたさに、つい頭を下げる。

「すまない、いつも無理を言って」

「…………いいけど、なによ」

 フィーが口を尖らせつつも、話を聞く姿勢になってくれた。


「曲射、という言葉があってね?」


      ◆


 疲れた。

 肉体的な疲労ではない。気力や精神力、そう言ったものを使い果たした気分だ。

 丘陵地帯を駆けまわり、並列起動で思いつく限りの組み合わせでスキルを多用した結果だ。

 ただし、魔物は一匹も狩らなかった。

 平原におけるガーブの殲滅戦の影響か、丘陵地帯の魔物の密度が希薄になっている。

 新人冒険者の小遣い稼ぎ用にと、察知した魔物は討伐しなかった。

 ただし彼らには、俺の訓練には付き合ってもらった。魔物の尻尾に矢を打ち込んだり、隠蔽で背後に立って大声で脅したり、石を投擲して逃げ出したり、縄張り争いに敗れたのか虫の息だった奴を癒したり、真正面に立って延々と攻撃を回避したり。

 やりたい放題である。

 なんか最後には、大量の魔物を引き連れて逃走する羽目になってしまった。

 ようやっと彼らを撒いた後は、もう歩くのも億劫になった。

 足を引きずるようにして戻ったら、クリスとフィーに怒られた。

 気が付けばもう、日も傾く時刻になっていた。どうやら心配を掛けたらしい。

 それでも街の門を潜る頃には、多少元気も戻ってきた。

 歓楽街の辺りまで来ると、ぼちぼちと夜の賑わいが始まる刻限だった。


 喉が渇いた。さんざん逃げ回って運動したせいだ。

「ねえ、ちょっとだけ、寄り道していいかな?」

「だめです、ギルドに報告して、まっすぐ宿に戻ります」

 にべもなく却下するクリス。

「一杯、一杯だけでいいから、ね?」

「だめです。一刻も早く戻らなくては」

 懇願する俺を一顧だにせず、クリスはせかせかと歩き続ける。

「今晩のメニューは、クリスの好きな川魚の香草揚げだもんね?」

「フィーっ!?」

「なるほど。妙に落ち着かないと思ったら」

 さっき怒られたのは、好物のせいで気が急いていたのか。

「ち、ちがいますよ! あまり遅くなるとリリちゃんが心配するから」

「飲みすぎないで、早く帰ってらっしゃい」

 フィーが天使に見える!

「ギルドへの顔出しはわたし達がやっておくから。お小遣いは足りてる?」

「だいじょうぶ! ありがとう! 恩に着るよ!」

「ちょっとフィー!」

「ほら、早く行くよ」

 そうしてフィーがクリスを引きずって行った。

 その後姿を拝んだあと、俺も飲み屋を探して歩き出した。

 喉も渇いたが、ちょっと話し相手もほしい気分だ。出来れば男が良い。

 今日は朝から女性としか話していない気がする。たまには男同士のバカ話に興じたい気分だ。

 そう言えば、この近所に八高弟御用達の店があったはず。

 兄弟子達が顔を出しているかもしれない。よし、おごってもらおう。

 俺はその店に足を向け、歩き出した。


 目指す場所に到着したが、店の前には冒険者らしき男達が群れていた。

 防具の類はねぐらに置いてきたのか、ほとんどが普段着だ。

 剣だけは携えているのが、冒険者の見栄らしい。

 俺も脱いだ防具を背負っているが、着ている物が汗臭い。

 まあこの程度の臭いを気にしているようでは冒険者などやってられないが。

 男達は店の前に立ち、しきりに中の様子をうかがっている。

 嫌な予感がした。踵を返して立ち去ろうとしたが、男達に気が付かれてしまった。

 どの顔も、困惑の色が濃い。声をひそめ、しきりに会話を交わしていた。

 それが俺を見た瞬間、どこかすがるような期待の表情に変わる。

 どうやら逃げ出すわけにはいかないようだ。

 俺はため息一つ吐くと、男達をかき分けて店に入った。


      ◆


 悪の巣窟、というのを実際に演出するとしたら、どんな感じなのだろう。

 物騒な手下達をはべらせたボスが、玉座に腰掛けて犠牲者を謁見している?

 目の前の光景は、ちょうどそんな感じだった。


 カティアが、少し身体を傾けた格好でソファーに座っていた。

 窓から夕暮れの光が射し込んでいる。

 彼女の半身が朱に染まり、陰とのコントラストが強調される。

 長い脚を組んで背もたれに腕を掛ける、そのしどけない姿は気だるげだ。

 だけど漂う貫禄が、この場の主が誰なのか、はっきりと悟らせる。

 彼女の背後には、ラウロスが佇立している。影に隠れ、その面貌はうかがえない。

 カティアの足元の方向、ソファーの肘掛にはラヴィが浅く腰を据えている。

 差し込む夕日がラヴィの髪を、より赤く映えさせる。

 ベイルが壁に背を預けて目をつぶり、ガーブが剣の刃に砥石を掛け、グラスは錘剣の刃を舐め、フルが喉を鳴らして笑い、ガレスはどっかりと床にあぐらをかく。

 マリウスは美味しそうに串焼きをほお張っていた。

 酒場の一角で、カティアと、彼女を取りまく弟子達の姿。

 その光景はどこかセピア色の、古めかしい写真のように感じられた。

 なんか、ゴッドファーザーの映画を思い出した。


 そんな彼らの真正面に、アステルが椅子に座っていた。


 彼女の隣には、ベリトと呼ばれた若者が立っている。アステルの護衛だろうか。

 背を向けているアステルの顔は、こちらから見ることはできない。

 だけどその後ろ姿は、八高弟から発散される圧倒的な迫力に屈していない。

 店内に入り、すぐに分かった。八高弟達は怒っていた。

 他の客達が耐え切れず、外に逃げ出したほどに激怒している。

 そんな燃え盛るような敵意の波にもひるまず、アステルは対峙している。

 一目見て、状況が最悪なのは理解できた。

 針で突けば、はじけるほどに緊張感が膨らんでいる。

 何をやらかしたんだ、彼女は?


「よお、カティア」

 ズカズカと、一触即発のような場に足を踏み入れる。

 できる限りリラックスした雰囲気で、歩を進める。

 冷や汗が背を伝う。最近は兄弟子達とも気楽に会話を交わす仲になっているが、彼らの本質を甘く見てはいけない。忘れてはいけない。

 これほどの怒りを見せているとき、彼らは牙をむく猛獣と同じだ。

「全員、おそろいじゃないか」

 充満した殺気をかいくぐるようにして、ようやくアステルの隣に立つ。

 彼女の肩に手を置くと、カティア達をぐるりと見回した。

「ヨシタツか」

 カティアは、ちょっとうんざりした感じで応えた。

 珍しく、彼女はこの状況をもてあましているようだ。

「なんの用よ」 ラヴィが冷たく言い放つ。

「酒場に来て、何の用と訊かれても」

「いま立て込んでいるんだ、帰りな、おっさん」

 ベイルも目をつぶったまま吐き捨てる。

 他の兄弟弟子たちも、剣呑な眼差しをこちらに向けてくる。

「つれないな、みんな」

 俺は首をすくめ、嘆くフリをする。

「まあ、いいさ。荷物を引き取ったら、すぐに退散するよ」

「荷物、じゃと?」

 グラスが錘剣から口を離して問いかける。

「ああ、今晩、こちらの淑女と食事をする約束をしていてね」

 アステルの肩を、ちょっと揺する。彼女は先ほどから沈黙したままだ。

「出迎えに来たんだ」

「その女と知り合いか?」

 影の帳から、ラウロスの低い声が響く。まるで洞窟にひそむ獣の唸り声だ。

「ああ、昨日偶然出会ってね、さっそくナンパした」

「手が早いですねえ」

 マリウスが感心したように呟く。フルが、くひっと笑った。

「そんな訳で、これからデートなんで」

「…………待ちなよ、おっさん」

 アステルをうながし、立たせようとしたところでベイルが壁から離れた。

 俺の前に立つと、獰猛な目付きで睨んできた。

「その女は置いていけ。これからちょっと、ヤキを入れてやるんだから」


 すうっと、俺の胸から何かが抜け落ちる。


 多分それは、恐怖とかためらいとか、そう言った感情だ。

 俺は冷静な視線で、ベイルを観察する。

 抜くか、コイツは?

 その一点だけに注目する。

 視線はベイルの目に固定したまま、視界は広くその全身をとらえる。

 わずかな兆候も見逃さないように、集中力を増す。

「断る、と言ったら?」

 ベイルの顔が怒気に染まる。弟弟子の小癪な態度に腹を立てたのか。

 彼が剣の柄に手を掛けたら、俺の負けだ。

 おそらく、抜き打ちの速さは八高弟の中で、彼が最も早い。

 ベイルが剣の柄に手を触れた瞬間、俺は切り刻まれ無力化されるだろう。


 ならば柄に触れる寸前、刃が鞘の内にあるときに、勝負をつける必要がある。

 瞬息、まだ一回しか使ったことがない、新たなスキル。

 もし勝機があるとしたら、ガーブをも凌いだあのスキルを使うしかない。

 彼の背後にまわり、締め技で落す。そのぐらいしか思いつかないが。

 だが、仮に上手くいったとして、その後は?

 ベイルに手を出したら、八高弟全員が相手だ。戦う前から敗北は必至である。

 つまり戦えば負け、そして退くこともできない。完全に手詰まりな状況だった。


「約束など、していない」


 ようやく口を開いたと思ったら、アステルは的外れなことを言い出した。

「それは、虚言だ。口説かれてなどいない、食事の約束などしていない」

 かすかに震える声で、きっぱりと否定する。

「無用のお節介はやめてもらおう」

「お前のためじゃない」

 肩をつかむ手に力をこめると、アステルはかすかに苦鳴を漏らした。

「天下に名高い八高弟が、お前ごとき雑魚を構っては沽券にかかわる、それだけだ」

 俺は冷ややかにアステルを見下ろした。

 彼女もまた、その赤い瞳で睨み返してくる。

「それは、嘘だ」

 肩の痛みにも負けず、表情にはむき出しの闘志が感じられる。

「なら、さっさとそいつを連れて帰りな」

『姐御ッ!?』

 カティアの宣言に、八高弟達が一斉に抗議の声をあげる。

「わたしの弟子達は、雑魚に構う小物なのかい?」

 彼女の一言に、彼らは押し黙る。ベイルもしぶしぶ、一歩下がる。

 その隙を逃さず、アステルの腕を取って強引に立たせ、歩き出した。

 彼女の連れのベリトも、黙ってそれに従う。

 店を出る瞬間、背後を振り返る。

 すっかり薄暗くなった店内に、獣の双眸のような光がいくつも炯々としていた。

 機嫌を直すまで、彼らには近寄らないほうが身のためのようだ。


「…………いい加減、放せ」

「おっと失礼」

 店を出た瞬間、アステルが手を振りほどこうともがいた。

 タイミングが悪く、手を離した瞬間に彼女がよろめいた。

 慌てて腕をつかみ直すと、今度は彼女の脚ががっくりと折れそうになる。

「お、おい、大丈夫か?」

「…………腰が抜けた」

 アステルは淡々と自分の症状を告げる。

「怖かった」

「だから言ったんですよ、無茶だって」

 傍らのベリトも彼女の背を支える。

「こっちだって小便ちびりそうになりましたよ」

「…………嘘だ」

 アステルがボソッと呟いた。

「とにかくここから離れよう」

 周りにはまだ冒険者達が残っており、こちらを遠巻きに眺めている。

 二人掛りでアステルを引きずり、その場を離れた。

 ようやく歓楽街を抜けたときには日も暮れ、辺りは暗くなっていた。

 ベリトの案内で、彼女達の宿の近くまで付き添った。

 その頃になると、アステルの足腰もだいぶしっかりしてきた。

「ここまでで大丈夫か?」

「ええ、すみません、すっかり世話になってしまって」

「気にしないでくれ、それじゃ俺はこれで」

「ありがとうございました」

 頭を下げるベリトに手を振り、立ち去ろうとした。

「待て、タヂカ」

 アステルに呼ばれ、俺は足を止めた。

「お前も、嘘ばかりつく。だが…………」

 しばらく言いよどんでから、実に苦々しげな表情で呟く。

「認めたくはないが、感謝している」

「いや認めろよ、そこは素直に」

 呆れた俺は、今度こそ本当に宿への道を歩き出した。


      ◆


 宿に戻ったのは、だいぶ遅い時刻になってしまった。

「タツの分は、私が美味しく頂きました」

 川魚の香草揚げは、クリスの胃袋に消えていた。

「冷めちゃったら美味しくないじゃない」

 帰りが遅くなった俺に、リリちゃんはご立腹だ。

「いまスープを温めますね」

 シルビアさんが、残り物を温めなおしてくれるそうだ。

「…………おのれ、アステルめ」

「あの女と会っていたの?」

 俺の逆恨みの言葉を、フィーにばっちり聞きとがめられてしまった。


 その後、みんなから根掘り葉掘り尋問されました。

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