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電書12/25コミックシーモア配信開始《連載版》ドアマット幼女は屋根裏部屋から虐待を叫ぶ  作者: はなまる


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27/27

12/25電書配信開始! 御礼クリスマスSS 後編

『屋根裏のエルシャ第1巻 ドアマット幼女は屋根裏部屋から虐待を叫ぶ』がついに本日、12/25日に、コミックシーモアさんで先行配信開始です!


しつこくてすみません笑




 サンタさんの代理配達もそろそろ終盤です。真夜中を過ぎたあたりから、起きている子供はほとんどいなくなり、プレゼントの袋はどんどん軽くなりました。

 鈴をシャンシャンするのも、ちびっ子サンタを名乗るのも、なかなか楽しかったんですけどね。


 途中で、グリーンウッド邸の屋根を……子供トナカイさんは通り過ぎました。エミリーは今夜も、あの屋敷で眠っているはずなのに。


「トナカイさん、悪い子はプレゼントをもらえないって、本当ですか?」


 エミリーは、確かにわたしにとって良い義姉ではありませんでした。なので、エミリーにちびっ子サンタとして、プレゼントを渡して来いと言われたら、それは嫌なのですが……。


 だからと言って、エミリーがプレゼントをもらえなくて“ざまぁみろ”とは思いたくない……気がするのです。


 子供トナカイさんは、わたしの質問に“プルル!”と元気よく鼻を鳴らして答えてくれましたが、なんて言っているのか、さっぱりわかりませんでした。


 自分でも、よくわかりませんね。六歳の幼女には難しいです。


 ソリは軽快に空を駆け、ちびっ子サンタはスルスルと煙突を降り、最後のプレゼントを双子の赤ちゃんの枕元に置きました。


「メリークリスマス、良い夢を」


 終わってみれば、あっという間でした。どの子にとってもクリスマスは特別の日で、サンタさんは特別な人なのです。それは、わたしにとっても、です。


 たとえ、ギックリ腰であろうとも……。



    * * *


「ただいまー!」


 子供トナカイさんの引くソリが、ふわりと詰所の中庭へと降り立ちます。すぐにピートくんが飛び出して来ました。


「エルシャ、おかえり! 遅いから心配したよ」


「大仕事でした! サンタさんは?」


「うん、なんか大きな馬車が来て、担架で運ばれて行ったよ。里の病院に入院するみたい」


「ギックリ腰、はやく治るといいですね」


 それにしてもサンタの里……気になりますね!


「あと、エルシャに渡してって、コレ預かった」


 ポンと渡されたのは、二つのプレゼントの箱と、クリスマスカードでした。



ちびっ子サンタ エルシャ・グリーンウッド殿


 プレゼントの配達、ご苦労じゃったな。引き受けてくれて助かったぞい! 嬢ちゃんのことは、サンタの里の名誉住人に推薦しておくからの! いつか遊びに来るといい。


 それと、去年は嬢ちゃんにプレゼントを届けられなくて、すまんかった。何度も枕元にプレゼントを置いたんじゃが……。


 そのことがずっと気になっていてな……。今年は一番最初に届けようと張り切ったら、屋根から落ちてしもうたわい。


 だが、煙突から覗いた今年の嬢ちゃんは、笑っておったからの。それだけは良かったと、思うとるよ。


 ではな! また来年! メリークリスマス!



 去年のプレゼントがどこに消えたのか。わかった気がします。エミリーは去年、山のようにプレゼントを抱えていたのです。サンタさんが言葉を濁したのは、全ての子供の味方だからでしょうね。わたしは、怒るより呆れてしまいました。


 手紙を読み終わると、途端に眠くなりました。赤いサンタ服の上着がスーッと消えて、クリスマスイブの魔法が、終わろうとしています。


 子供トナカイさんが、カッと足を踏み鳴らしました。


「プルルルル!」


 大きく鼻を鳴らして、空へと駆け上がります。シャンシャンと鈴の音が響き、どんどん眠くなります。


「さよ……なら、トナカイさん。また来年……」


   * * *


 ピートくんにおんぶしてもらって、背中でうつらうつらしながら仮眠室へと向かいます。


 すると……ベッドの脇でゴソゴソとしている赤い服の人が……。


「あれ? サンタの爺さんは帰ったし……もしかして、今度こそ泥棒?!」


「声が大きい」


 低い声が落ちて、わたしの眠気が半分飛びました。


「……エルシャは?」


「えっ、隊長?」


 赤い上着の男性が立ち上がります。サンタさんより細身で足が長い……!


「エルシャは僕の背中に……。あっ、起きちゃった?」


「今夜はクリスマスイブだ。……届け物がある」


 ダグラスさんです。夜勤明けなのに、わたしのためにサンタさんになってくれたんですね!


「こっそり、枕元に置こうと思っていたが……仕方ないな。エルシャ、メリークリスマス」


 革手袋を外して、ちょっとうやうやしく渡してくれました。


「隊長、ズルいなぁ。サンタ服でも格好いいとか、反則でしょう!」


「格好良くはないだろう……見つかってしまったし……」


 そう言いながら、ダグラスさんが赤い帽子をかぶり直して、照れ臭そうに咳払いをひとつしました。


 ……なんとなく、わたしも照れてしまいます。


 わたしは三つのプレゼントを抱えて、ありがとうと呟きました。


 遠くから、かすかに鈴の音が聞こえます。今夜のことを話したら、ダグラスさんは信じてくれるでしょうか。


 わたしの特別なクリスマスイブは、こうして更けていきました。


 もう、目を開いていられません。これにて、ちびっ子サンタのクリスマス、終了です……。



おしまい



クリスマスSS、最後まで読んで頂き、ありがとうございます。


翌朝エルシャが目を覚ましたら、きっとたくさんのプレゼントが置かれていると思います。皆さんも、素敵なクリスマスをお過ごし下さいませ。……作者は夜勤明けで、おそらく爆睡しています……。メリークリスマス!


電子書籍の予約ページへのリンクは、活動報告に貼っておきますね。作者の名前はなまるをポチッとする→活動報告をポチッとして下さいませ!


しつこくてすみません笑


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